緑の光線 (映画)
『緑の光線』(みどりのこうせん、Le Rayon vert)は、エリック・ロメール監督による1986年のフランス映画。1986年、ヴェネツィア国際映画祭・金獅子賞受賞作品。
緑の光線 | |
---|---|
Le Rayon vert | |
監督 | エリック・ロメール |
脚本 | エリック・ロメール |
製作 | マルガレート・メネゴス |
出演者 |
マリー・リヴィエール リサ・エレディア |
音楽 | ジャン=ルイ・ヴァレロ |
撮影 | ソフィー・マンティニュー |
編集 | マリア・ルイサ・ガルシア |
配給 | シネセゾン |
公開 |
1986年8月31日(VIFF) 1986年9月3日 1987年4月25日 |
上映時間 | 98分 |
製作国 | フランス |
言語 | フランス語 |
同監督の「喜劇と格言劇」シリーズ第5作。引用された詩は"Ah,que le temps vienne...Où les cœurs s'éprennent " (ランボー)
ストーリー
編集オフィスで秘書をしているデルフィーヌは20歳も前半、独りぼっちのヴァカンスを何とか実りあるものにしようとする。恋に恋する彼女の理想は高く、昔からの男友達も、新たに現われた男性もなんとなく拒んでしまう。ヴァカンスを前に胸をときめかせていた。7月に入って間もない頃、ギリシア行きのヴァカンスを約束していた女ともだちから、急にキャンセルの電話が入る。途方に暮れるデルフィーヌ。周囲の人がそんな彼女を優しく慰める。女ともだちのひとりが彼女をシェルブールに誘ってくれた。が、シェルブールでは独り、海ばかり見つめているデルフィーヌ。8月に入り山にでかけた彼女は、その後、再び海へ行った。そこで、彼女は、老婦人が話しているのを聞いた。ジュール・ヴェルヌ『緑の光線』の話で、太陽が沈む瞬間に放つ緑の光線は幸運の印だという。
「太陽は赤・黄・青の光を発しているが、青い光が一番波長が長い。だから、太陽が水平線に沈んだ瞬間、青い光線が最後まで残って、それがまわりの黄色と混ざって私たちの目に届く」という。もちろん、それを見た者は幸福を得られる[1]。何もなく、パリに戻ることにした彼女、駅の待合室で、本を読むひとりの青年と知り合いになる。初めて他人と意気投合し、思いがけず、自分から青年を散歩に誘う。海辺を歩く二人の前で、太陽が沈む瞬間、緑の光線が放たれたのだった。
キャスト
編集- マリー・リヴィエール Marie Rivière - デルフィーヌ
- リサ・エレディア Lisa Heredia
- ヴァンサン・ゴーティエ Vincent Gauthier
- ベアトリス・ロマン Béatrice Romand
スタッフ
編集脚注
編集- ^ 同じ話は日本映画で『天国にいちばん近い島』(1984年)や『恋するマドリ』(2007年)にも出てくる。緑の光線は「グリーンフラッシュ」(green flash)という。
- ^ 「全編がシナリオなしの即興演出で撮られた『緑の光線』の場合は、毎朝その場で役者に台詞を渡して撮っていた」p.213「パリの実践的映画論」(『映画狂人のあの人に会いたい』蓮見重彦、河出書房新社(2002))のロメールの発言。