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義援金に係る差押禁止等に関する法律

義援金に係る差押禁止等に関する法律(ぎえんきんにかかるさしおさえきんしとうにかんするほうりつ)とは、義援金の交付を受ける権利を譲渡したり、担保に供したり、差し押さえたりすることや義援金として交付された金銭を差し押さえることを禁止することについて定める日本法律。正式名称は災害ごとに異なり、記事名のうち「義援金」の部分が「<災害名>関連義援金」となっている。略称は、義援金差押禁止法[1]、義援金保全法[2]、義援金保護法[3]

概要編集

被災者やその遺族を経済的に支援するために、災害弔慰金の支給等に関する法律に基づく災害弔慰金および災害障害見舞金や被災者生活再建支援法に基づく被災者生活再建支援金、さらに都道府県市町村特別区を含む。)や赤十字などを通じた義援金がある。しかし、住宅ローンなどの借金があった場合は、これらが支給されても、金融機関などにより差し押えられるおそれがあった[1]

このため、災害弔慰金および災害障害見舞金や被災者生活再建支援金については、2011年(平成23年)8月30日に公布・施行した「災害弔慰金の支給等に関する法律及び被災者生活再建支援法の一部を改正する法律」により支給を受ける権利を譲渡したり、担保に供したり、差し押さえたりすることや支給された金銭を差し押さえることが禁止されることとなった[注釈 1][4]

また、都道府県や市町村(特別区を含む。)が交付する義援金についても同様の措置を講ずるため、「東日本大震災関連義援金に係る差押禁止等に関する法律」が同じく2011年(平成23年)8月30日に公布・施行された[4]

2016年(平成28年)6月3日には「平成二十八年熊本地震災害関連義援金に係る差押禁止等に関する法律」が公布・施行された[1]

2018年(平成30年)7月27日には「平成三十年特定災害関連義援金に係る差押禁止等に関する法律」が公布・施行された。

法律の内容編集

  • 対象となる義援金を、対象となる災害による「被災者等[注釈 2]の生活を支援し、被災者等[注釈 2]を慰藉(しゃ)する等のため自発的に拠出された金銭を原資として、都道府県又は市町村(特別区を含む。)が一定の配分の基準に従い被災者等[注釈 2]に交付する金銭」と定義する(3項)。
  • 義援金の交付を受けることとなった者の当該交付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない(1項)。
  • 義援金として交付を受けた金銭は、差し押さえることができない(2項)。
  • 施行前に交付を受け、又は交付を受けることとなった義援金についても適用するが、施行前に生じた効力を妨げない(附則2項)。

東日本大震災関連編集

東日本大震災関連義援金に係る差押禁止等に関する法律
 
日本の法令
法令番号 平成23年8月30日法律第103号
効力 現行法
種類 民法
所管 内閣府
主な内容 東日本大震災関連義援金の譲渡・担保・差押えの禁止について
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東日本大震災関連義援金に係る差押禁止等に関する法律(ひがしにほんだいしんさいかんれんぎえんきんにかかるさしおさえきんしとうにかんするほうりつ、平成23年8月30日法律第103号)とは、2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災についての義援金に係る差押禁止等に関する法律。

対象となる義援金は「東日本大震災関連義援金」であり、対象となる災害は「東日本大震災(平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所の事故による災害)」である。

第177回国会で参議院災害対策特別委員会委員会提出法案として「東日本大震災関連義援金に係る差押禁止等に関する法律案」が提出され、2011年(平成23年)8月10日に参議院で可決され、同年8月23日に衆議院で可決され、成立した[5]

2011年(平成23年)8月30日に公布され[6]、「公布の日から施行する」(附則1項)こととなり、同日から施行された。

平成28年(2016年)熊本地震関連編集

平成二十八年熊本地震災害関連義援金に係る差押禁止等に関する法律
 
日本の法令
法令番号 平成28年6月3日法律第67号
効力 現行法
種類 民法
所管 内閣府
主な内容 平成二十八年熊本地震災害関連義援金の譲渡・担保・差押えの禁止について
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平成二十八年熊本地震災害関連義援金に係る差押禁止等に関する法律(へいせいにじゅうはちねんくまもとじしんさいがいかんれんぎえんきんにかかるさしおさえきんしとうにかんするほうりつ、平成28年6月3日法律第67号)とは、2016年(平成28年)4月に発生した平成28年(2016年)熊本地震についての義援金に係る差押禁止等に関する法律。

対象となる義援金は「平成二十八年熊本地震災害関連義援金」であり、対象となる災害は「平成二十八年熊本地震による災害」である。

第190回国会で衆議院災害対策特別委員会で委員会提出法案として「平成二十八年熊本地震災害関連義援金に係る差押禁止等に関する法律案」が提出され、2016年(平成28年)5月19日に衆議院で可決され、同年5月27日に参議院で可決され、成立した[7]

2016年(平成28年)6月3日に公布され[8]、「公布の日から施行する」(附則1項)こととなり、同日から施行された。

平成30年特定災害関連編集

平成三十年特定災害関連義援金に係る差押禁止等に関する法律
 
日本の法令
法令番号 平成30年7月27日法律第81号
効力 現行法
種類 民法
所管 内閣府
主な内容 平成三十年特定災害関連義援金の譲渡・担保・差押えの禁止について
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平成三十年特定災害関連義援金に係る差押禁止等に関する法律(へいせいさんじゅうねんとくていさいがいかんれんぎえんきんにかかるさしおさえきんしとうにかんするほうりつ、平成30年7月27日法律第81号)とは、2018年(平成30年)6月に発生した大阪府北部地震と同年7月に発生した平成30年7月豪雨についての義援金に係る差押禁止等に関する法律。

対象となる義援金は「平成三十年特定災害関連義援金」であり、対象となる災害は「平成三十年六月十八日に発生した大阪府北部を震源とする地震及びこれに引き続いて発生した余震による災害」(3項1号)と「平成三十年七月豪雨による災害」(3項2号)である。

第196回国会で衆議院災害対策特別委員会で委員会提出法案として「平成三十年特定災害関連義援金に係る差押禁止等に関する法律案」が提出され、2018年(平成30年)7月19日に衆議院で可決され、同年7月20日に参議院で可決され、成立した[9]

2018年(平成30年)7月27日に公布され[10]、「公布の日から施行する」(附則1項)こととなり、同日から施行された。

脚注編集

注釈編集

  1. ^ 2011年(平成23年)3月11日以後に生じた災害について適用されるが、改正前に生じた効力を妨げない(すなわち、改正前に差押命令が確定した場合などは適用外)(災害弔慰金の支給等に関する法律及び被災者生活再建支援法の一部を改正する法律附則2項及び3項)
  2. ^ a b c 被災者又はその遺族をいう(3項)。

出典編集

  1. ^ a b c “義援金差し押さえ禁止法、参院本会議で成立 熊本地震”. 朝日新聞デジタル. (2016年5月27日). http://www.asahi.com/articles/ASJ5W2S5LJ5WULFA005.html 2017年2月24日閲覧。 
  2. ^ “義援金保全法が成立”. 時事ドットコム. (2018年7月20日). https://www.jiji.com/jc/article?k=2018072001259&g=oeq 2018年7月25日閲覧。 
  3. ^ “【西日本豪雨】義援金保護法20日成立へ 被災者の生活再建目指し衆院で可決”. 産経ニュース. (2018年7月19日). https://www.sankei.com/politics/news/180719/plt1807190039-n1.html 2018年7月25日閲覧。 
  4. ^ a b 「災害弔慰金の支給等に関する法律及び被災者生活再建支援法の一部を改正する法律」及び「東日本大震災関連義援金に係る差押禁止等に関する法律」の施行等について”. 法務省. 2017年2月24日閲覧。
  5. ^ 参法 第177回国会 20 東日本大震災関連義援金に係る差押禁止等に関する法律案”. 衆議院. 2017年2月24日閲覧。
  6. ^ 2011年(平成23年)8月30日、官報号外第189号
  7. ^ 衆法 第190回国会 44 平成二十八年熊本地震災害関連義援金に係る差押禁止等に関する法律案”. 衆議院. 2017年2月24日閲覧。
  8. ^ 2016年(平成28年)6月3日、官報号外第123号
  9. ^ 衆法 第196回国会 46 平成三十年特定災害関連義援金に係る差押禁止等に関する法律案”. 衆議院. 2018年7月23日閲覧。
  10. ^ 2018年(平成30年)7月27日、官報号外第166号

関連項目編集