聖剣伝説 > 聖剣伝説4

聖剣伝説4』(せいけんでんせつ フォー)は、2006年12月21日に日本のスクウェア・エニックスから発売されたPlayStation 2用のコンピュータゲームである。

聖剣伝説4
ジャンル アクションアドベンチャーゲーム
対応機種 PlayStation 2 (PS2)
開発元 スクウェア・エニックス
発売元 スクウェア・エニックス
プロデューサー 石井浩一
ディレクター 石井浩一
シナリオ 加藤正人
音楽 伊藤賢治
関戸剛
祖堅正慶
仲野順也
美術 池田奈緒
シリーズ 聖剣伝説シリーズ
人数 1人
メディア DVD-ROM1枚
発売日 2006年12月21日
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
売上本数 340,878本[1]
テンプレートを表示

概要 編集

本作は『聖剣伝説』シリーズ(以下『聖剣』)のプロジェクト「THE WORLD of MANA」の一環として発売された、3Dアクションアドベンチャーゲームである。シリーズ初のフル3D作品であり、シリーズで初めてキャラクターのセリフに声が当てられている[2]。欧米では『DAWN of MANA』のタイトルで発売された。

開発もスクウェア・エニックスが行い、製作総指揮は『聖剣』のプロデューサーである石井浩一、シナリオ原案は『クロノ・トリガー』や『ゼノギアス』を担当した加藤正人、キャラクターデザインは『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』(以下『LOM』)でサブキャラクターデザインに携わった池田奈緒、音楽は『サガシリーズ』や『新約 聖剣伝説』を担当した伊藤賢治が担当し、メインテーマ曲の「Dawn of Mana」は音楽家坂本龍一が作曲した。

聖剣伝説3』以来、11年ぶりのナンバリングタイトルとなる本作のストーリーは「原点回帰[2]」をテーマとしたもので、シリーズ作品においてキーワードとなっている「マナの女神」と「聖剣」が如何にして誕生したかの物語である。ゲームの舞台は「ファ・ディール」と呼ばれる世界の中心にある、全ての生命の母と言われる大樹が聳え立つ島「イルージャ」。イルージャに住む主人公の少年エルディがイルージャと幼馴染の少女リチアを救うため、大樹から授けられた力を用いて、イルージャに侵攻して来る大国「ロリマー」の軍勢と戦うストーリー展開となり、その戦いの果てにリチアが大樹に宿るマナの女神として生まれ変わるまでを描いている。同じく「THE WORLD of MANA」の一作品である『聖剣伝説DS CHILDREN of MANA』(以下『CoM』)と同じ世界の物語でもあり、本作は『CoM』の10年前の物語に位置付けられる[3]

本作はキャラクターやオブジェクトの動作をHavok社の物理演算ソフト[4]によって制御しており、形状、サイズ、重さ、弾力、摩擦係数などを計算したリアルな動作が特徴である。特にステージ上には「MONO」(モノ)と呼ばれる、種類によって異なる動作をする多種多様な障害物が大量に設置されており、こうしたギミックを活かして敵との戦いを有利に進めることが出来るようになっている。アクションRPGのシリーズとして知られる『聖剣』である本作がアクションアドベンチャーゲームとなった背景には、プレイヤーにキャラクターのレベルアップよりも(プレイヤー)本人のスキルアップを意識させる狙いがあり[5]、キャラクターの経験値やレベルなどのRPG的な概念が省かれており、その他の成長の要素もステージ毎にリセットされるようになっている[6]

日本ゲーム大賞2006 FUTURE部門 を受賞。

システム 編集

基本システム 編集

システムは以前の聖剣伝説シリーズから一新されており、プレイヤーはステージ上のエルディを操作し、モンスターやボスと戦う。エルディの右腕に寄生した大樹のツタムチパチンコの3種類の武器に変化し、これが主な攻撃の手段となる。また、冒険に同行する精霊「フィー」がMPを消費してエルディになんらかの効果を与えてくれる「フィー魔法」を使うこともでき、このほかにガードや2段ジャンプなどのアクションを行える。ツタとフィーにはレベルがあり、攻撃力が一定の値に達するとツタレベルが上昇して武器を使って行えるアクションの種類が、MPが一定の値に達するとフィーレベルが上昇して使用できるフィー魔法の種類が増える。

本作には経験値の概念は無いが、メダルアイテムを入手することでエルディを強化できる。メダルには攻撃力を上げるPOWメダル、HPを上げるHPメダル、MPを上げるMPメダルがあり、メダルを入手した時点でエルディの能力値が多少強化される。アイテムにはメダルのほかにお金であるルクや、HPやMPの回復アイテム、特殊な効果を持ったパチンコの弾「精霊の魂」などがあり、パニック状態(後述)の敵を攻撃するほか、敵を倒すと一定確率でドロップされたり、壊したMONOの中から出現することもある。なお、集めたメダルはステージをクリアした時点でルクに換金されて能力値が初期状態に戻るほか、精霊の魂なども次のステージに持ち越されることはない。

ムチで敵やMONOをつかんで他の敵にぶつけたり、精霊の魂の効果などにより、敵を「パニック状態」という状態異常にすることができる。パニック状態の敵はあたふたと動き回ったりその場で立ち止まるだけの無防備な状態となり、通常の状態ではガードの固い敵にも効率的にダメージが与えられるほか、パニック中の敵はダメージを与えるたびにメダルかルクをドロップする。従って、本作ではMONOなどを駆使して敵をパニック状態にしてから倒すのが基本となる[7]。パニック状態は一定時間で解除されるが、繰り返し敵にぶつけるなどすることでパニック状態解除までの時間を加算できる。

エルディを強化する手段はメダルの入手のほか、「エンブレム」というアイテムを装備する方法がある。各ステージは開始前にエンブレムの装備画面が表示され、そのステージ中はそこで装備したエンブレムの効果(攻撃の範囲が広がる、特定の状態異常を防御できるなど)を得ることができる。各エンブレムごとに設定された条件を満たすことでそのエンブレムを入手でき、1度に装備できるエンブレムの数は最大で5つとなる。

本編ストーリー 編集

本編ストーリーは、序章を含めて全9章に分けられたチャプターごとに用意されたステージをエルディを操作して進み、ステージ最奥部のボスを倒すことでそのステージはクリアとなり、次のステージに進むという流れでゲームを進める。最終章のステージのボスを倒せばゲームクリアとなる。ステージをクリアするとそのステージをクリアするまでに掛かった時間や受けたダメージなどの成績が「リザルト」として表示され、好成績を収めるとエンブレムを入手できる。本編ストーリーでは序章から順にステージをクリアしていくことになるが、一度本編ストーリーでクリアしたステージは、以降は「SELECT CHAPTER」モードによってそのステージ(またはステージの一部)だけをプレイすることができるようになる。

ゲームの難易度は5段階あり、低難易度でゲームをクリアすると高難易度でゲームを開始することができるようになる。ゲームの難易度が変わるとモンスターのパラメータや行動パターン、アイテムの出現率、リザルトの判定基準などが変化する。難易度は最初(序章)からゲームを始める際に選択し、ゲームのクリアまではその難易度でプレイすることになる。プレイヤーが任意で選択できる難易度は低い順から「EASY」「NORMAL」「HARD」「ULTIMATE」の4つで、難易度EASYで1度全滅してそのステージを最初からやり直す場合のみ、プレイヤーへの救済措置として[8]自動的に難易度が最低難易度の「BEGINNER」に切り替わる。

チャレンジアリーナ 編集

直接ストーリーとは関係なく、純粋に戦闘だけを楽しむモード。全32ステージが用意されており、本編の進行具合などの条件をクリアしていくことで選択可能なステージが増加する。各ステージのBGMには今までの『聖剣伝説シリーズ』で使われた曲がアレンジされて使用されている。チャレンジアリーナのショップでは本編やチャレンジアリーナで入手したルクを使用して、ペットのたまごやエンブレム等を購入する事ができる。購入したBGMやムービーはオプション画面で鑑賞する事ができる。

チャレンジアリーナの基本ルールは、「ステージ内のモンスターを制限時間内に全滅させる」というシンプルなもの。全滅前にエルディのHPが尽きるか、制限時間が過ぎれば敗北となる。戦闘時、ペットモンスターを最大3体、チャレンジアリーナのショップで購入したMONOを最大3個まで選択しステージに登場させることが出来る。チャレンジアリーナの総合評価には本編の項目のほか、ペットモンスターが倒した敵の数が追加されている。

ストーリー 編集

創世の時代より存在する大樹が存在する聖なる島、イルージャ。島に暮らす「樹の民」達は大樹を信仰し平和に暮らしていた。しかし、そんな村に突如、強国ロリマーの軍勢が押寄せ村を占拠されてしまう。異変に気付いたエルディとリチアは守護聖獣の力を借りるため樹の祠へ向かう。

キーワード 編集

大樹
イルージャに聳え立つ巨大な樹。世界の始まりから存在し、全ての命の母であるとも言われているが、その実態は魔界の扉へと繋がっており、これが開かれた時、大量の邪精霊で溢れてしまい世界は終わりを迎えてしまう。樹の民でこの事実を知っているのは村長だけである。現在は千年前の呪いによって石化している。
聖剣
エルディの右腕に宿った不思議な種子のツタが姿を変えた剣。剣の他にも、エルディの意志でムチやパチンコに姿を変える。又、トレントが自らの体に隠し持っていた剣も、仮面の導師やストラウドに聖剣と呼ばれている。この聖剣は後に魔剣へと姿を変えてストラウドが所持する事となる。
ゴーレム
ロリマー軍の主力を担う魔法生物。仮面の導師が作り出した「精霊球」を動力源にして動く。魔法生物ながら人間並みの知能を持ち、会話も可能。槍を持った者や弓を持った者など、用途に合わせて複数のバリエーションがある。
滅びのこだま
人間の負の感情を吸った大樹から生まれたもの。大樹の根元の地中深くに封印されている。
邪精霊タナトス
こだまから生まれた邪悪な力を持つ精霊。生き物に取り付き、不老の妖魔に変えてしまう力を持つ。樹の祠にある魔界の扉の奥に封印されていたが、ストーリー中盤以降に解き放たれる。公式設定資料集によると、本来は8精霊のうちのどれかだったらしい。
竜の紋章
ストラウドの右頬に刻まれている竜の形をした紋章。ロリマー王家では竜の紋章を持つものは武勇に優れたものになるといわれている。またエルディも左頬に同じ紋章が出現するときもある。

登場人物 編集

本作はシリーズ初の3Dグラフィックとなったため、過去のシリーズ作品と比較して、デザインの密度、情報量が大きく上がっている。主人公のエルディは完成までに多くのデザインが書き起こされている。また樹の民に属するキャラクターにはモチーフとして花言葉が使われ、デザインコンセプトもその植物をかたどった物になっている。キャラクター名の英語表記は前者が日本語版、後者が英語版。

主要人物 編集

エルディ(Eldy / Keldrick)
- 柿原徹也
16歳。身長165cm。体重57kg[9]
本作の主人公。聖なる大樹のふもとの「樹の村」に住む孤児の少年。リチアやフィー、レキウスからは「エル」という愛称で呼ばれる。イルージャ島を、そしてリチアをロリマー軍から救うため尽力するが、やがて世界中を闘争に巻き込む。樹の村の出身ではないため他の樹の民とは違い守護植物を持たないが、リチアからもらった「守護聖獣の羽」を身につけている。ロリマー兵襲撃に際して向かった樹の祠で、剣やムチに形を変える不思議なツタが右腕に宿る。モチーフは「蔦」。正体はストラウドの実弟で、感情が昂ぶるとストラウドと同じ竜の紋章が一時的に左頬に出現する。
リチア(Ritzia)
声 - 紗川じゅん
16歳。身長159cm。体重46kg[9]
本作のヒロイン[10]。エルディの幼馴染。漁や収穫の祈願を行う大樹の巫女。巫女の証である「たいじゅのいのり」という守護植物を持つ。樹の祠の奥にあるかばねどころで大樹の根に触れ、それ以来様子がおかしくなってしまう。モチーフは「一輪草」。
フィー(Faye)
声 - 落合祐里香
幼い少女の姿をした精霊の子。樹の祠でエルディとリチアに出会い、冒険の手助けをする。5章以降は成長した姿になり、口調も一気に変わる。ただし、彼女の台詞は全編を通じて漢字は全くと言っていい程に使われていない。
ストラウド(Stroud)
声 - 近藤隆
強大な軍事力をもつロリマー王国の王。僅か7歳にして王位を継いだ。魔界の力を求め、魔界の扉が封印されているイルージャへ侵攻する。非常に高慢な性格をしており、目的の為なら他者や世界がどうなろうと構わないと豪語し、後の「大災厄」を引き起こす要因の1つを担った。
レキウス(Lekius)
声 - 石原浩樹 / 千葉翔也(EoM)
樹の村の自警団に当たる「守人」に所属する少年で、エルディとリチアの幼馴染。エルディとリチアからは「レック」という愛称で呼ばれる。守人の中でも随一の弓の名手で、ロリマー軍のゴーレム兵を相手に奮戦する。守護植物は「タビビトノキ」。魔界の扉が開かれた際に邪精霊に憑依されタナトスレキウスと化し、身も心も妖魔となってしまい、世界を滅ぼそうとするリチアに忠誠を誓う。ジャドの最上階では大樹の種子を奪うため、エルディと対峙する。

樹の民・イルージャ島の人物 編集

村長ビロバ
声 - 長嶝高士
樹の村のリーダーで、赤ん坊のエルディを拾い、息子のように育てた。ゲーム中は村長という表記で統一されており、ビロバという名前は後に発売された設定資料集で明かされた。モチーフは「銀杏」。
プック
群れから逸れたイタズラ好きなラビ。リチアに拾われる。終盤でタナトスラビとして妖魔化した姿でエルディの前に姿を現すが、襲う素振りは見せず、リチアのいる場所へと導いた。
チット
エルディ達をトレントのもとへ案内してくれるポロン族。

氷の国ロリマーの人物 編集

仮面の導師 / グランス
声 - 大川透
仮面で顔を隠したロリマーの軍師。ストラウドにより軍師に抜擢された。現在では廃れてしまっている精霊魔法に精通しており、ゴーレム兵の動力源である精霊球を作り出した。大樹が石化しはじめた1000年前の時代についても詳しい。『聖剣伝説3』の仮面の道士と通り名が同じ(ただし「どう」の漢字は異なる)だが、直接の繋がりはない。モチーフは「朝顔」。
第六章ではボスとして登場し、精霊の力を使い戦う。正体は1000年前のアニスの恋人である「グランス」。エルディがイルージャ島へ訪れた時と同時に目覚める。エルディに敗北した後、例え別人になっていたとしてもアニスに会いたかったがためにストラウドに手を貸した旨を明かし、兄であるストラウドの元へ向かうよう伝えた後に消滅した。
ゴーレム将軍
声 - 髙階俊嗣
ストラウドの忠実な配下のゴーレム。他のゴーレム達より巨大で、ゴーレムたちを束ねる存在。第七章では彼が妖魔化した「タナトスゴーレムジェネラル」がボスとして登場する。通常は人型だったが、この時の姿は戦車のような下半身になる。雑誌掲載時は「妖魔将軍」と紹介されていたが、これは後半の妖魔化した姿を紹介されたためである。

各国の王 編集

マイスター・ワッツ
声 - チョー
火の国イシュの王。各国の王の中ではただ一人直接登場し、自前の戦車を駆りエルディと共に戦う。『CHILDREN of MANA』にも登場。
ブラザー・モティ
砂の国ジャドの王。『CHILDREN of MANA』にも登場。本作では名前のみの登場。
ミリオネア・ニキータ
緑の国ウェンデルの王。『CHILDREN of MANA』にも登場。本作では名前のみの登場。
レディ・ルサ・ルカ
水の国トップルの女王。『CHILDREN of MANA』には登場しないが、存命とのこと。本作では名前のみの登場。

精霊 編集

ノーム
声 - 井上和彦
地を司る精霊。精霊の魂は着弾点を中心に引き寄せる効果がある。
ウンディーネ
声 - 中山依里子
水を司る精霊。精霊の魂は凍結効果がある。
サラマンダー
声 - 金田晶代
火を司る精霊。精霊の魂は炎上効果がある。
ジン
声 - たかはし智秋
風を司る精霊。精霊の魂は着弾点を中心に吹き飛ばす効果がある。
ドリアード
声 - 藍川千尋
木を司る精霊。精霊の魂は睡眠効果がある。
ルナ
声 - 川瀬晶子
月を司る精霊。精霊の魂は混乱効果がある。
ウィスプ
声 - 大野藍子
光を司る精霊。精霊の魂は目くらまし効果がある。
シェイド
声 - 滝知史
闇を司る精霊。精霊の魂は毒効果がある。

その他 編集

トレント
声 - 佐藤正治
イルージャ島のふしぎの森に根づいている巨木。植物ながら人間の言葉をしゃべることができる。長きに渡り穢れた聖剣を体の中に封じ込めていた。仮面の導師とは面識がある模様。エルディが彼の元へ辿り着いた際、目の前で穢れた聖剣の力が目覚めてしまい、タナトストレントへと変貌してしまう。エルディに倒され、穢れた聖剣を吐きだしたことで一時的に元の姿に戻ったが、体は既に限界を迎えており、エルディに守護聖獣が死の山にいることを伝え消滅した。
ガイア
声 - 楠見尚己
死の山脈の頂上にいる生きた岩。トレント同様、人間の言葉を話す事ができる。
フラミー
4枚の羽根を持った純白の守護聖獣。樹の祠にいるといわれていたが、実際は死の山脈で1000年前の傷を癒すためガイアの手で封印されていた。過去の聖剣伝説シリーズにも何度か登場したが、本作では噛み付いたり、口からレーザーを発射するなどの攻撃も行う。
アニス
声 - 小松由佳
魔界の扉を開いた、千年前の大樹の巫女。その時は思いとどまり、魔界の扉を封印したらしい。モチーフは「アネモネ」。『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』や『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』の設定に大魔女アニスという人物が存在するが、それらとの関連は触れられていない。冥王城の最深部ではラストボスメデューサ」として登場する。

評価 編集

評価
集計結果
媒体結果
GameRankings57% (30 reviews)[11]
Metacritic57/100 (27 reviews)[12]
レビュー結果
媒体結果
1UP.comC-[13]
ファミ通30 out of 40[14]
ゲーム・インフォーマー7 out of 10[15]
GameSpot5.1 out of 10[16]
GameSpy2 out of 5[17]
GameTrailers5.5 out of 10[18]
IGN6.5 out of 10[19]
RPGamer2.0 out of 5[20]

日本では発売から10日後の2006年末までに22万9000本を売り上げ、発売週にはPS2のトップセラーとなった[21][22]。2008年11月時点で34万本の売り上げとなっている[23]。北米では2007年11月までに7万本を販売した[24]

本作は幅広く悪い評価を受け、最高100点満点中30から80点がつけられている[11][12]。レビュアーはグラフィックとキャラクターデザインを賞賛、GameSpotのケヴィン・ヴァンオールトはそれをカラフルでプリティーだと言い、パーティクルエフェクトを賞賛した。GameTrailersのレビュアーは「ゲーム内のゴージャスなシネマティックス」に注目した[18][16]GameSpyのゲイブ・グラツィアーニもレビューで映画のような引き込まれるハイライトを「レンダリングが美しく、アニメーション化されている」とした[17]IGNのジェフ・ヘインズは3D環境の大きさや自由度が好ましく、キャラクターモデルと並び賞賛に値するとした[19]1UP.comのアンドリュー・フィッチは「キャンディーコーティングされたグラフィックは魅力的」だとした一方、レベルの設計を「カオス」と述べている[13]Game Informerのジョー・ジュバとマット・ミラーは環境が「プリティーで当たり障りがない」としたが、他のグラフィックの自由さを賞賛した[15]。RPGamerのマイケル・ベケットは「本作のビジュアルスタイルは非常に印象的」で特にキャラクターデザインとカラーパレットを賞賛した[20]。音楽も賞賛され、ケヴィン・ヴァンオールトは「サウンドデザインが圧巻」と言い、GameTrailersのレビュアーは本作には「ゲームのあらゆる瞬間を満たす充実したサウンドトラック」があるとした[18][16]。マイケル・ベケットも音楽を賞賛、過去作のBGMのオーケストラを再利用していることに注目した[20]

ゲームプレイは1UP.com,のフィッチのような批評家には批判されたが、キャラクターの能力がエリアごとにリセットされることと、メダルを収集するための「ばかげた」「退屈」なシステムへの批判についてGameSpotのケヴィン・ヴァンオールトは反論した[13][16]。GameTrailersのレビューではエリアごとにキャラクターの能力がリセットされてしまうことはゲームから達成感をなくすと付け加えた[18]。IGNのヘインズは周りの敵を攻撃するターゲッティングシステムの問題点を発見、効果的でないとし、レベリングシステムとゲームマップを批判した[19]。GameSpyのグラツィアーニもターゲッティングシステムは本作最悪の欠陥だと感じ、ヘインズも述べたカメラワークにも苦言を呈した[19][17]。フィッチとヴァンオールトは物理エンジンのHavokの制御に焦点を当てて批判した。エンジンが使いこなれておらず、プレイヤーは制御不能にしたと感じたとしている。オブジェクトを投げたりジャンプセクションでキャラクターのコントロールは容易ではなかった[13][16]。Game Informerのジュバは物理エンジンを使いこなせておらず、「馬鹿馬鹿しいほど不親切」と感じたとした[15]

ストーリーも目立ったものではなかった。ゲイブ・グラツィアーニは「使い古された」「ファンサービス」と言い、フィッチは「はてしない物語のパクリ」とみなしたが、魅力的であるともした[13][17]。RPGamerのベケットは^「多少使い古された少年と少女の物語」ではあるが「よくある結末ではない」ことを指摘した[20]。だがGame Informeのジュバは「面白いプロット」であるとした[15]。ヴァンオールト個人によるものとGameTrailersでのヴァンオールトのレビュー両方でキャラクターの魅力を賞賛、彼らが独創的なプロットを補っているとした[18][16]。全体的にいくらかの批評家は本作を過去作とは相違点が多いが、それを取り去っただけでは足りないとした。評価が高めのファミ通クロスレビューでもゲームプレイが変化したことがプレイヤーを混乱させるとしている[18][13][14]ゲーマガでは満足度ランキング横丁のコーナーで2009年に読者投票として行われた「期待外れだったゲーム」で10位中3位にランクインしている(票数は不明)[25]

スタッフ 編集

関連商品 編集

書籍
その他

脚注 編集

  1. ^ 『ファミ通ゲーム白書2008』エンターブレイン、2008年、385頁。ISBN 978-4-7577-4272-7 
  2. ^ a b 『聖剣伝説4 解体真書』536 - 539ページより。
  3. ^ 『聖剣伝説4&CHILDREN of MANA 設定資料集』4 - 5ページより。
  4. ^ ファミ通.com 2006年9月18日「3D空間で自由に冒険するアクションアドベンチャー『聖剣伝説4』」より。
  5. ^ 『聖剣伝説4 解体真書』528 - 531ページより。
  6. ^ ファミ通.com 2006年9月29日「スクウェア・エニックス石井浩一氏が『聖剣伝説』シリーズを語る!!」より。
  7. ^ 『聖剣伝説4 公式ワールドマップガイド』19ページより。
  8. ^ 『聖剣伝説4 解体真書』418ページより。
  9. ^ a b 『聖剣伝説4&CHILDREN of MANA 設定資料集』より。
  10. ^ 「ファミ通」より[要文献特定詳細情報]
  11. ^ a b Dawn of Mana for PlayStation 2”. GameRankings. CBSインタラクティブ. 2015年2月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年2月23日閲覧。
  12. ^ a b Dawn of Mana for PlayStation 2 Reviews”. Metacritic. CBSインタラクティブ. 2014年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年2月23日閲覧。
  13. ^ a b c d e f Fitch, Andrew (2007年5月21日). “Dawn of Mana Review for PS2”. 1UP.com. Ziff Davis. 2015年6月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年6月3日閲覧。
  14. ^ a b 聖剣伝説4 [PS2]” (Japanese). Shūkan Famitsū. エンターブレイン. 2015年5月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年5月26日閲覧。
  15. ^ a b c d Take it Like a Mana”. Game Informer. GameStop (2007年). 2008年6月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年6月4日閲覧。
  16. ^ a b c d e f VanOrd, Kevin (2007年5月29日). “Dawn of Mana Review”. GameSpot. CBSインタラクティブ. 2015年6月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年5月22日閲覧。
  17. ^ a b c d Graziani, Gabe (2007年6月12日). “Dawn of Mana”. GameSpy. Ziff Davis. 2015年5月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年5月22日閲覧。
  18. ^ a b c d e f Dawn of Mana Review”. GameTrailers. Defy Media (2007年6月7日). 2009年11月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年5月22日閲覧。
  19. ^ a b c d Haynes, Jeff (2007年5月22日). “Dawn of Mana Review”. IGN. Ziff Davis. 2015年5月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年7月9日閲覧。
  20. ^ a b c d Beckett, Michael. “Dawn of Mana - Staff Review”. RPGamer. 2011年1月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年6月4日閲覧。
  21. ^ “2006年ゲームソフト年間売上TOP500 [2006 Game Software Annual Sales Top 500]” (Japanese). Famitsū Gēmu Hakusho 2007 [Famitsu Game Whitebook 2007]. Tokyo: エンターブレイン. (2007). p. 387. ISBN 978-4-7577-3577-4. 全国書誌番号:21240454. https://web.archive.org/web/20161030015603/http://geimin.net/da/db/2006_ne_fa/index.php (2016年10月30日時点のアーカイブ
  22. ^ Cowan, Danny (2006年12月22日). “Saling The World: Lost Core”. Gamasutra. UBM. 2015年5月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年12月29日閲覧。
  23. ^ Sony PS2 Japanese Ranking”. Japan-GameCharts. 2008年12月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年12月14日閲覧。
  24. ^ FY2007 First-Half Period Results Briefing Session”. スクウェア・エニックス (2007年11月19日). 2012年2月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年1月13日閲覧。
  25. ^ ゲーマガ 2009年11月号

外部リンク 編集