胼胝たこべんち)とは、物理的圧迫を反復して受け続けることにより、皮膚角質が増殖して肥厚・硬化し、丘状扁平に隆起する現象[1]

胼胝
概要
分類および外部参照情報
ICD-10 L84
ICD-9-CM 700
MeSH D002145

角質層が真皮に向かって楔状に突起し痛みを伴うものは鶏眼魚の目(うおのめ))という[1]

原因 編集

反復する外的刺激への反応によって生じるもので、窮屈なハイヒールを履き続けることが原因となっていることが多い[1]。予防には、足にあった靴を履く、軟らかい靴の中敷きを使用するなど、皮膚に対する機械的な刺激を避けることが重要である。

また、糖尿病などによる末梢神経の障害が原因の足変形(爪先のハンマートゥやクロストゥ)の結果として、局部的な圧迫が持続して生じることもある[1]

筆記用具を長時間使用することにより手の指にできる場合(ペンダコ)や、長時間座ることにより足や尻にできる場合(座りダコ)、スポーツの防具などを使用することでできる場合もある。

摂食障害を抱える人は太ることを恐れ、自発的な嘔吐を試みる。一般的には人差し指または中指を喉に突っ込み、嘔吐中枢を刺激する方法がとられるが、その際に指の背部の付け根部分を自分の歯で傷つけてしまい、「吐きダコ」ができることがある。

治療法 編集

足浴により角質を柔らかくし、医療行為としては角質削り英語版(コーンカッター)やグラインダーで削り取った後、尿素軟膏やサリチル酸ワセリンなどで保湿を行う[2]。重度のものは手術で取り除く。尋常性疣贅()と間違えて処置を行うと症状を悪化させることもあるため、鑑別と適切な治療が必要である[2]。素人による治療はリスクを伴う。誤って傷をつけると二次感染のおそれがあり、潰瘍の形成、蜂窩織炎、壊死性筋膜炎など重症化することもある[2]

慣用句 編集

「耳にたこができる」という慣用句があり、同じ話を何度も聴かされて慣れてしまう様子を表す。

出典 編集

  1. ^ a b c d 月刊「ナース専科」2017年1月号、ナース専科編集部、47頁
  2. ^ a b c 月刊「ナース専科」2017年1月号、ナース専科編集部、48頁

関連項目 編集