腸粉(ちょうふん、広東語 チョンファン cheung2 fan2、北京語 チャンフォン chángfěn)は、コメを原料に作る広東式点心の一種。「猪腸粉」(ちょちょうふん、広東語 ジューチョンファン jyu1cheung2fan2、北京語 ジューチャンフォン zhūchángfěn)ともいい、中国語では「拉腸」(ラーチャン、lācháng)ともいう。

腸粉

概要

編集

広州市内の西関地区の料理店泮塘荷仙館で1930年代か1940年代に考案されたとされる広州料理のひとつ。順徳料理の「黄但粉」は1927年ごろ考案されたとされているため、これが改変されてできた可能性がある。

現在、香港や広州の朝食メニューや飲茶の点心として一般的な食品となっており、広東省や中国各地や広東料理レストランでも食べられている。の専門店のサイドメニューとしてもよくみられる。蒸して作るライスヌードルの一種[要出典](「粉」は挽いた米で作ったものを指す)で筒状に丸められた形がブタに似ていることから名付けられた。味がほとんど付いていないので、肉などの具を巻き込んだり、オイスターソース醤油だれをかけたり、唐辛子味噌などを付けて食べる。

製法

編集

底に布を敷いた枠を使う「布拉腸粉」と、バットで作る「手拉腸粉」がある。

水につけたインディカ米を石臼やミキサーにかけて、乳液状にし、浮き粉(小麦でん粉)やコーンスターチ、塩等を加えて食感を調整する。「布拉腸粉」の場合、木枠に布をかけて、容器とし、乳液状の原料を薄い層になるように流し込んで、10分余り蒸し、布ごと枠からはずして、具(牛肉エビチャーシューなど)を巻き込む場合は上に乗せ、端から丸めるように布から分離する。食べやすい長さに包丁や料理鋏で切って、皿に載せてタレを入れて出す。

暖かさと、表面のしっとり感を保つために、皿ごと蒸しておく場合もある。その場合は、客の目の前で調理用はさみなどで、いくつかに切りわけ、中国溜まり醤油や醤油ベースのたれと油をかける。刻みネギや煎りゴマを散らす場合もある。マレーシアでは甘みのある味噌だれをつける事も多い。

なお、潮州汕頭で作られるものは原料の配合が違う。

種類

編集
 
炸両
 
牛肉鮮蝦腸粉

中に巻き込む具には、剥きエビ、干しエビ、チャーシュー、牛肉などの肉、魚肉などが多い。前に具の名前が付く場合、「腸粉」を「腸」と略していうことも多い。例えば、「叉焼腸粉」を「叉焼腸」と略していう。近年は、焼きそばのように、味をつけて炒めて出す場合もある。

  • 「鮮蝦腸粉」 - 蒸しエビ腸粉
  • 「蝦米腸粉」 - 干しエビ入り腸粉
  • 「叉焼腸粉」 - チャーシュー腸粉
  • 「牛肉腸粉」 - 牛肉腸粉
  • 「猪肉腸粉」 - 豚肉腸粉
  • 「魚片腸粉」 - 魚の切り身の腸粉
  • 「炸両」 - 油条の腸粉包み
  • 「甜腸」 - 生地に砂糖を混ぜ込んだ甘い腸粉

関連項目

編集