臘日(ろうにち、ろうじつ)とは、日本に登場する注記の一で、選日の1つである。

選日法はいくつかあるが、旧暦12月に来る。「臘」とは「繋ぎ合わせる」という意味で、新年と旧年の境目となる旧暦12月を「臘月」ともいう。元々は「臘祭」という中国の習慣で、年末に神と祖先の祭祀を一緒に行うという物であった。「臘」は「猟」に通じ、猟をして捕えた獣を祭壇に供えた。日本にはこの習慣は伝わらず、臘日は単なる暦注の一つとなっている。しかしその吉凶には諸説あり、採用していない暦も多い。この日を年の暮れとして大祓を行うこともあり、そこから大晦日のことを臘日と呼ぶこともある。臘日の日は「丑月9日」「小寒後の2度目の辰日」「大寒に最も近い辰日」「大寒後の最初の戌日」がある。これらの日は水気と寒気が強まる冬季内であり、辰、戌、丑の蔵干五行の本気である土気が旺じる期間内の日であり、水気を土気で剋すこれらの日が臘日とされている。小泉光保『循環暦』では、辰は五行思想では土気(蔵干の本気が)であり(丑と戌も同様)、は水気であるため土剋水となり、水気を土気で剋するために辰の日を臘日とすると説いている。

参考文献 編集

  • 岡田芳朗阿久根末忠『現代こよみ読み解き事典』柏書房、1993年。ISBN 4-7601-0951-X