自己スプライシング

自己スプライシング(じこスプライシング)とは、蛋白質因子の非存在下で、イントロン RNA 自身が自己の配列のスプライシングを行う反応。2種類の自己スプライシングイントロンが知られる。実際には生体内では蛋白質の作用も大きな影響を与えると考えられる。

グループ I編集

テトラヒメナゲノムrRNAからトーマス・チェックシドニー・アルトマンによって発見された。ほかに、酵母など菌類ミトコンドリアrRNA、葉緑体 rRNAや、細菌 tRNAに見られる。最初に見つかった自己スプライシングイントロンであり、また初めてリボザイムであることが確認された RNA でもある。この発見が RNA 分子が生命の元となったという RNAワールド仮説提唱のきっかけの一つとなった。スプライスサイトのコンセンサス配列は特に見当たらないが、ある程度共通の二次構造モチーフがある。反応には Mg++ とグアノシンを必要とし、その過程では、まず遊離のグアノシンが5' スプライスサイトを求核攻撃し、RNA の切断を行う。その結果切断された上流配列(上流エクソン)と、5' 末端にグアノシンが付加された下流配列(イントロンと下流エクソン)ができる。次に上流エクソンの3' 末端が3' スプライスサイトを攻撃し、イントロンの切り離しと上下エクソンの結合が起きる。

グループ II編集

菌類のミトコンドリア mRNAシトクロムのいくつかの遺伝子)や、葉緑体 mRNA に存在する。グループ Iとは異なった構造を持ち、スプライスサイトの配列に保存性が認められる。反応過程の中間体としてラリアット構造イントロンができることなど、pre-mRNA スプライシングと同様の反応様式を持つ。このことから、スプライセオソーマルイントロンはグループ IIイントロンから由来したという説が提案されている。

関連編集

また、グループ IIに準じたいくつかの二次構造も保存しているグループ III イントロンが存在し、これはスプライセオソーマルイントロン同様にスプライセオソームを必要とする。従って、これがグループ II からスプライセオソーマルイントロンへと変化している中間体であるとの仮説もあった。