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船舶に乗り組む衛生管理者(せんぱくにのりくむえいせいかんりしゃ、Ship Health Supervisor)とは、船員法に規定する必置資格者のひとつで、船員の健康管理や保健指導、作業環境衛生、居住環境衛生、食料と用水の衛生保持などを行う者をいう。略称は船舶衛生管理者

目次

概要編集

労働安全衛生法による衛生管理者と類似しているが、就業場所が違う事によって根拠法及び主務大臣も異なる資格として並存している。業務面での決定的な相違点は、船舶の航行中に薬剤投与、注射、縫合などの医療行為を部分的に許されている事で、このほか血圧の測定、止血なども行うため、船内では医務室などで勤務する。

選任編集

船舶所有者が、次節に述べる衛生管理者適任証書の交付を受けている者の中から選任する。但しやむを得ない事由(航行中の事故、疾病等)により船員の中に業務遂行可能な適任者がいなくなった場合、国土交通大臣の許可を得たうえで、資格を有していない者を選任することができる。

衛生管理者適任証書編集

国土交通大臣(受付窓口は地方運輸局等)から衛生管理者適任証書の交付を受けるには、大臣が執行する「船舶に乗り組む衛生管理者試験」に合格するか、大臣がこれと同等以上の知識・技能を有すると認定する者となる必要がある。

後者には、以下の者などが該当する。

試験編集

船舶に乗り組む衛生管理者試験は、毎年12月に、横浜市または神戸市の相互持ち回りにて国土交通省が直接実施する。試験日の1ヶ月前に官報で公示。

受験資格編集

  • 満20歳以上の者。

試験科目編集

  • 筆記(7科目) - 労働生理、船内衛生、食品衛生、疾病予防、保健指導、薬物、労働衛生法規
  • 実技(2科目) - 救急処置、看護法

養成講習編集

先述の通り、船舶衛生管理者講習を修了する事によっても、衛生管理者適任証書の交付を受ける事ができる。

唯一の大臣登録講習機関となっている船員災害防止協会(船災防)が行う講習は以下の3種類あり、最終日の検定試験に合格すると修了となる。

  • 衛生管理者登録講習
受講資格は、検定試験の前日において満20歳以上の者。講習時間は100時間(約4週間)。近年は東京都名古屋市の2箇所にて年間各1回異時実施。
  • 船舶衛生管理者講習(B)
東京海洋大学海洋工学部又は神戸大学海事科学部(及び、それらの前身である東京商船大学神戸商船大学)を卒業した者は、時間を短縮した講習を受けることができる。また2018年8月の国土交通省基準改正により、商船系高等専門学校、水産系高等学校の本科を卒業した者、及び先の大学を含めこれら学校で57時間以上の衛生に関する授業を履修した者も対象となった。講習時間は43時間(約10日間)。近年は東京都、横浜市または名古屋市、神戸市の3箇所にて年間1回同時実施。
  • 船舶衛生管理者講習(C)
2018年8月の国土交通省基準改正により新設。水産系高等学校本科卒業者のうち、45時間以上のに衛生に関する授業を履修したものが対象。講習時間は55時間(約12日間)。横浜市にて年間1回実施。

再講習編集

一定条件の外航船舶(特定船舶)に乗り組む衛生管理者に限り、5年ごとに大臣に登録された再講習の受講が義務付けられている。一般社団法人外航船員医療事業団が唯一の大臣登録再講習機関となっており、横浜掖済会病院名古屋掖済会病院大阪掖済会病院神戸掖済会病院のいずれかを会場に年1-2回、100時間の講習を行っている。

他の資格の受験資格編集

  • 衛生管理者(労働安全衛生法) - 衛生管理者適任証書の交付を受けたあと、労働衛生の実務に1年以上従事した者は、衛生管理者試験(第一種、第二種)を受験する事ができる。

関連項目編集

外部リンク編集