芳野満彦(よしの みつひこ、1931年昭和6年)11月8日 - 2012年平成24年)2月5日)は、日本の登山家RCC IIの創立同人・画家東京都荒川区日暮里生まれ。アルムクラブ所属。ボート選手の芳野法一は弟。

経歴 編集

第一日暮里小学校卒業、旧制早稲田中学校入学。

1948年(昭和23年)、早稲田中学2年の17歳のとき八ヶ岳の主峰赤岳で遭難して両足指をすべて欠くが、不屈の精神で登山を続けた。1957年(昭和32年)3月の前穂高岳IV峰正面壁積雪期初登攀など多くの初登攀を記録。

1963年(昭和38年)、大倉大八とともにアイガー北壁に日本人として初挑戦。

1965年(昭和40年)、渡部恒明とともにマッターホルン北壁の日本人初登攀を達成し、アルプスの岩峰への先鞭をつけた。

新田次郎の小説『栄光の岩壁』の主人公のモデルである。

一方で、画家としても活躍。

2012年2月5日、心不全のため死去[1]。80歳没。

著書 編集

  • 『山靴の音』(朋文堂,1959年)
  • 『アルプスに賭ける:穂高からアイガーへ』(実業之日本社,1964年)
  • 『われ北壁に成功せり:マッターホルンの栄光とアイガーの悲劇』(実業之日本社,1966年)
  • 『白い城砦』(あかね書房,1970年)
  • 芳野満彦文,小川哲太郎絵『山に登ろう』(風濤社,1977年)ISBN 4-48-004110-9
  • 『新編山靴の音』(中央公論新社,1981年)ISBN 4-12-204016-7
  • 『新・山靴の音』(東京新聞出版局,1992年)ISBN 4-8083-0429-5

関連書籍 編集

脚注 編集

  1. ^ 登山家の芳野満彦さんが死去 日本経済新聞 2012年2月6日閲覧