茶道具
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茶道具(ちゃどうぐ)は、茶道に用いる道具類の総称。
主に、抹茶を点てる茶碗、抹茶を泡立てる竹製の茶筅、抹茶を計る茶杓、抹茶を保管する茶入、お湯を扱う柄杓、お茶に使う水を入れる水指などがあり、季節や茶会のテーマに応じて選ばれる[1]。


(前右)茶入 銘山蔭 戸山 江戸時代(19世紀) 個人蔵
(後左)黒釉釜 瀬戸・高島徳松(二代) 大正時代 愛知県陶磁美術館
(後右)藻掛芋頭水指 常滑・初代松下三光 江戸時代(19世紀) 個人蔵(以上愛知県陶磁美術館にて展示)
歴史
編集茶を飲む文化は、平安時代に僧侶によって中国(唐)から伝わったとされる[2]。中国からもたらされた茶道具は「唐物(からもの)」と呼ばれ、賞玩物として茶会で飾られた。
室町時代になると、唐物だけでなく日本で作られた道具も使うなど、わびの精神に基づく「わび茶」が生まれ、新たな趣向のもとで茶道具もさまざまに生み出されていった[3]。特に、わび茶を大成したと言われる千利休(1522~1591)は、独自の哲学・審美眼によって革新的な茶道スタイル・茶道具を考案した。
一般的な茶道具の一覧
編集- 茶碗(ちゃわん)
- 釜(茶釜/ちゃがま、風炉/ふろ)、炭十能(たんじゅうのう)、火起こし(ひおこし)
- 風炉先屏風(ふろさきびょうぶ)
- 柄杓(ひしゃく)
- 盆(ぼん)
- 千歳盆(ちとせぼん)
- 花形盆(はながたぼん)
- 山道盆(やまみちぼん)
- 水指(みずさし)
- 水注薬缶(みずつぎやかん)
- 茶筅(ちゃせん)
- 茶巾(ちゃきん)
- 茶巾筒(ちゃきんづつ)
- 巾筒(きんとう)
- 茶器(ちゃき)
- 茶杓(ちゃしゃく)
- 蓋置(ふたおき)
- 杓立(しゃくたて)
- 建水(けんすい)
- 台子(だいす) - 棚(たな) - 板(いた)
- 袱紗挟み(ふくさばさみ)
- 菓子器(かしき、ヤンポ)
- 菓子鉢(かしばち)
- 振り出し(ふりだし)
- 香合(こうごう)
- 掛物(かけもの、掛け軸)
- 花入(はないれ、花器、花かご)
- 蹲(つくばい)
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茶入 唐物箆目肩衝茶入 大名物 南宋 - 元時代(13 - 14世紀)MOA美術館
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茶杓 千利休作 共筒「易」銘 芸州浅野家伝来 安土桃山時代(16世紀後期)MOA美術館
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釜 天命責紐釜 安土桃山時代(16世紀)MOA美術館
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花生 伊賀耳付花生 安土桃山時代(17世紀初期)MOA美術館
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花生 竹二重切花生 武者小路千家初世一翁宗守 江戸時代(17世紀)MOA美術館
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香合 呉州赤絵赤玉香合 漳州窯 明時代(17世紀)東京国立博物館
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香合 志野宝珠香合 名古屋・初代平澤九朗 江戸時代(18 - 19世紀)個人蔵(愛知県陶磁美術館展示)
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蓋置 古染付騎馬人物文蓋置 景徳鎮窯 明時代(17世紀)東京国立博物館
出典
編集- ^ 茶道具買取・高額査定 | 茶道具売るなら獏 美術品買取専門店 獏(バク)(2025年4月24日閲覧)
- ^ 茶の歴史 裏千家(2025年4月24日閲覧)
- ^ 特別展 京(みやこ)に生きる文化 茶の湯 京都国立博物館(2025年4月24日閲覧)