荏原中延駅

日本の東京都品川区中延にある東急電鉄の駅

荏原中延駅(えばらなかのぶえき)は、東京都品川区中延二丁目にある、東急電鉄池上線である。駅番号IK04

荏原中延駅
駅舎(2021年8月)
えばらなかのぶ
Ebara-nakanobu
IK03 戸越銀座 (0.7 km)
(1.0 km) 旗の台 IK05
地図
所在地 東京都品川区中延二丁目8番1号
北緯35度36分35.8秒 東経139度42分43秒 / 北緯35.609944度 東経139.71194度 / 35.609944; 139.71194座標: 北緯35度36分35.8秒 東経139度42分43秒 / 北緯35.609944度 東経139.71194度 / 35.609944; 139.71194
駅番号 IK04
所属事業者 東急電鉄
所属路線 池上線
キロ程 2.1 km(五反田起点)
駅構造 地下駅
ホーム 2面2線
乗降人員
-統計年度-
[東急 1]11,760人/日
-2022年-
開業年月日 1927年昭和2年)8月28日[1]
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改札付近
改札付近
ホーム
ホーム
中延スキップロード
中延スキップロード
地下化工事中の当駅を出発する3450形
地下化工事中の当駅を出発する3450形

年表 編集

連続立体交差事業 編集

当駅を挟んだ戸越銀座駅 - 旗の台駅間、延長1,549 mにおいて地上区間の池上線を約8.0 m掘り下げ、半地下化するものである[2]。 これにより、13か所の踏切を除却した[2][4]

旗の台駅側は、旧旗ヶ岡駅跡を利用して仮線方式を採用した[2]。しかし、戸越銀座駅側周辺は住宅地が密集しており、仮線用地を確保することが困難であった[2][4]。このため、仮線用地を必要としない新しい工法「直下地下切替工法(STRUM(ストラム):Shifting Track Right Under Method)」によって、地上線から地下線へ切り替え工事を行った[2][4]

切り替え区間は延長281.3 mで、撤去部103.2 m、縦取部121.5 m、扛上(こうじょう)部56.5 mである[2]

切り替え当日、撤去部は現在の線路下に挿入したパッキング材、仮枕木材またはサンドル材の撤去により線路を降下させたほか、クレーン車により工事桁撤去を行った[2]。縦取部は、新設線に支障する工事桁をウインチにより、約250 m旗の台駅寄りに移動させるものであり、本切替工事のメインとなるものである[2]。仮設桁には移動用の走行台車が付いており、扛上部の工事桁を含めた重量は約418 tである[2]

扛上部には門構(もんがまえ)を設置しており、工事桁を電動チェーンブロックにより約2.7 m 門構に吊り上げ、縦取部の工事桁に載せて同時に移動させた[2]。移動させた縦取部、扛上部の工事桁は後日撤去した[2]

この切り替え工事は大きな成功を収め、以後東横線大倉山 - 菊名間踏切除却立体交差工事、東横線と副都心線との乗り入れに伴う代官山付近地下化工事などで使われている[5]

駅構造 編集

相対式ホーム2面2線を有する地下駅である。サービスマネジャー導入駅のため旗の台駅から遠隔監視している。

のりば 編集

番線 路線 方向 行先
1   池上線 下り 旗の台雪が谷大塚蒲田方面[6]
2 上り 五反田方面[7]

利用状況 編集

2022年度の1日平均乗降人員11,760人である[東急 1]

近年の1日平均乗降乗車人員の推移は下記の通り。

年度別1日平均乗降・乗車人員[8]
年度 1日平均
乗降人員[9]
1日平均
乗車人員[10]
出典
1990年(平成02年) 7,534 [* 1]
1991年(平成03年) 7,546 [* 2]
1992年(平成04年) 7,400 [* 3]
1993年(平成05年) 7,340 [* 4]
1994年(平成06年) 7,197 [* 5]
1995年(平成07年) 7,139 [* 6]
1996年(平成08年) 6,973 [* 7]
1997年(平成09年) 6,901 [* 8]
1998年(平成10年) 6,674 [* 9]
1999年(平成11年) 6,511 [* 10]
2000年(平成12年) 6,444 [* 11]
2001年(平成13年) 6,335 [* 12]
2002年(平成14年) [11]12,567 6,222 [* 13]
2003年(平成15年) [11]12,448 6,199 [* 14]
2004年(平成16年) 11,989 6,107 [* 15]
2005年(平成17年) 12,050 6,137 [* 16]
2006年(平成18年) 12,292 6,263 [* 17]
2007年(平成19年) 12,443 6,314 [* 18]
2008年(平成20年) 12,563 6,364 [* 19]
2009年(平成21年) 12,522 6,329 [* 20]
2010年(平成22年) 12,650 6,397 [* 21]
2011年(平成23年) 12,506 6,314 [* 22]
2012年(平成24年) 12,730 6,411 [* 23]
2013年(平成25年) 13,038 6,569 [* 24]
2014年(平成26年) 12,757 6,411 [* 25]
2015年(平成27年) 13,106 6,582 [* 26]
2016年(平成28年) 13,459 6,753 [* 27]
2017年(平成29年) 13,733 6,877 [* 28]
2018年(平成30年) 13,881 6,948 [* 29]
2019年(令和元年) 13,910 6,973 [* 30]
2020年(令和02年) [東急 2]10,449
2021年(令和03年) [東急 3]11,006
2022年(令和04年) [東急 1]11,760

駅周辺 編集

当駅周辺には大きな商店街が三つ存在する。駅を出て右手、北側に伸びるのが「サンモールえばら商店街」で都道420号線まで続いている。逆に左手、南側に伸びるアーケード通りが「なかのぶスキップロード(中延商店街)」で、大井町線都営地下鉄浅草線中延駅まで続いている。もう一つ、地図上で当駅から50mほどの所で池上線と交差するのが「昭和通り商店街」で、国道1号線から中原街道までを連絡している。かつては係員常駐の踏切で交差していた。

駅名の由来 編集

開業当時の地名(荏原郡荏原町大字中延)に由来し、「荏原」町と大字の「中延」を複合させて荏原中延駅と命名された。

また、池上線の前身である池上電気鉄道と、大井町線の前身であるライバル会社の目黒蒲田電鉄との因縁で「荏原中延」と名付けられたという説もある。当時、池上電気鉄道は当駅を「中延駅」として設置する予定だったが、目黒蒲田電鉄が先に荏原町駅中延駅を開業させたため、それに対抗して「荏原中延駅」にしたというものである。

隣の駅 編集

東急電鉄
  池上線
戸越銀座駅 (IK03) - 荏原中延駅 (IK04) - 旗の台駅 (IK05)

脚注 編集

  1. ^ a b c 東急の駅、p.113。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l 土木技術社『土木技術』1989年7月号新工法紹介「仮線敷を必要としない線路切替工法 - 東急池上線戸越銀座 - 旗の台駅間 - 」pp.45 - 53。
  3. ^ 東急の駅、p.112。
  4. ^ a b c 第5章第3節第1項立体交差化の進展に伴う安全性の向上(東急100年史・インターネットアーカイブ)。
  5. ^ 直下地下・直上高架切替工法 STRUM(東急建設・インターネットアーカイブ)。
  6. ^ 池上線標準時刻表 荏原中延駅 蒲田方面”. 東急電鉄. 2023年3月18日閲覧。
  7. ^ 池上線標準時刻表 荏原中延駅 五反田方面”. 東急電鉄. 2023年3月18日閲覧。
  8. ^ 品川区の統計 - 品川区
  9. ^ レポート - 関東交通広告協議会
  10. ^ 東京都統計年鑑 - 東京都
  11. ^ a b 村上潤(東京急行電鉄鉄道事業本部運転車両部運転課)「輸送と運転 近年の動向」『鉄道ピクトリアル』第54巻第7号(通巻749号)、電気車研究会、2004年7月10日、28頁、ISSN 0040-4047 

出典 編集

東京都統計年鑑
東急電鉄の1日平均利用客数
  1. ^ a b c 東急電鉄株式会社. “2022年度乗降人員 |東急電鉄”. 2023年6月17日閲覧。
  2. ^ 東急電鉄株式会社. “2020年度乗降人員 |東急電鉄”. 2023年6月17日閲覧。
  3. ^ 東急電鉄株式会社. “2021年度乗降人員 |東急電鉄”. 2023年6月17日閲覧。

参考文献 編集

  • 土木技術社『土木技術』1989年7月号新工法紹介「仮線敷を必要としない線路切替工法 - 東急池上線戸越銀座 - 旗の台駅間 - 」(田中 正義 東京都建設局道路建設部関連事業課長・八方 隆邦 東京急行電鉄(株)工務部第一工事事務所長)
  • 宮田道一『東急の駅 今昔・昭和の面影』JTBパブリッシング、2008年9月1日。ISBN 9784533071669 

関連項目 編集

外部リンク 編集