荒木絵里香

日本の女性バレーボール選手

荒木 絵里香(あらき えりか、現姓・四宮、1984年8月3日 - )は、日本の元女子バレーボール選手、スポーツ科学者学位修士スポーツ科学)(早稲田大学2023年[1]

荒木 絵里香
Erika Araki
基本情報
国籍 日本の旗 日本
生年月日 (1984-08-03) 1984年8月3日(40歳)
出身地 日本の旗 岡山県倉敷市
ラテン文字 Erika Araki
身長 186cm
体重 79kg
血液型 O型
選手情報
所属 クインシーズ刈谷
愛称 エリカ
役職 チームコーディネーター
ポジション MB
指高 239cm
利き手
スパイク 307cm
ブロック 298cm
獲得メダル
オリンピック
2012 ロンドン
世界選手権
2010 日本
アジア選手権
2005 太倉
2007 ナコーンラーチャシーマー
2009 ハノイ
2011 台北
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来歴

岡山県倉敷市出身。父親は早稲田大学ラグビー蹴球部のOB、母親は体育教師という体育会系の一家に生まれ育った。幼いころから、水泳クラブや陸上クラブに通い、体育は得意であった。小学校5年の時にバレーボールを始める(当時の身長は174cm[2])。中学時代にはアクエリアス杯の選抜メンバー、オリンピック有望選手に選出され、成徳学園高校(現・下北沢成徳高校)では、大山加奈らと共に、全国高等学校バレーボール選抜優勝大会全国高等学校総合体育大会バレーボール競技大会国民体育大会優勝の高校3冠を経験した。

2003年東レアローズに入団。入団1年目の第10回Vリーグでは、アタック決定率2位に入りベスト6を受賞した。同年全日本に初選出。2004年のヨーロッパ遠征には参加したが、アテネオリンピックの登録選手からは落選した。

2005年も代表メンバー入りするが、ワンポイントブロッカーとしての出場が主であった。2006年ワールドグランプリ初戦のキューバ戦にスタメン出場し、決定率90%の活躍を見せレギュラーを獲得。同年開催の世界選手権に出場した。2007年、アジア選手権で24年ぶりの優勝に大きく貢献した。2007年ワールドカップには全試合スタメン出場した。

2008年天皇杯・皇后杯全日本選手権優勝、2007/08Vプレミアリーグにおいて東レのリーグ初優勝に貢献し、最高殊勲選手賞・スパイク賞・ブロック賞・ベスト6賞を獲得した。アタック決定率54.7%は、2000年第6回Vリーグで先野久美子が記録した53.4%を抜いて日本記録(日本人最高)である。

2008年8月、北京オリンピックに出場し、ベストブロッカー賞を受賞した。

2008年9月、イタリアプロリーグ・セリエAベルガモへ1シーズンの期限付きで移籍。同年9月から翌年5月まで同チームでプレーした[3][4][5]。2009年10月、東レに復帰。2009/10Vプレミアリーグでは同チームの3連覇へ導き、同シーズンでスパイク賞とベスト6を受賞した。2010日韓トップマッチ、第59回全日本男女選抜大会で3冠を達成した。

2009年5月に招集された全日本代表チームでは主将となった(2013年5月からは木村沙織が主将[6])。2012/13シーズン限りで現役引退を決めていたが、眞鍋から熱心に勧誘され翻意したことを公表した[7])。2010年11月、世界選手権に出場し、銅メダルを獲得した。

2011年6月、モントルーバレーマスターズで初優勝を果たした。その後も全日本の中核として活躍し、怪我人が相次いだセンターポジションでスタメンを不動のものする。同年11月のワールドカップで4位へ導いた。また、平成23年度全日本バレーボール選手権で優勝。2011/12Vプレミアリーグでも優勝し、同シーズンで4年ぶり2度目のMVPを受賞した[8]。ベスト6入りし、ブロック賞および栄誉賞(個人賞8回)も受賞した。

2012年6月、ロンドンオリンピックの代表メンバーに選出された。荒木自身は2大会連続出場となった[9]。主将としてチームを牽引し、全日本女子28年ぶりとなる銅メダル獲得に貢献した。

2013年、2012/13Vプレミアリーグでスパイク賞、ブロック賞、サーブ賞の個人タイトル3冠と敢闘賞、ベスト6賞を受賞した。同年6月18日、2012-13シーズン後に四宮洋平と入籍したことを東レの公式サイトで公表[10]

2013年10月3日、東レアローズ公式サイトにて来春に出産予定であることを公表し、同年10月末にて東レを退社することを発表した[11]。2014年1月に女児を出産したことを公式ツイッターで発表[12]

2014年6月、Sports Graphic Number誌のインタビューに答え、現役復帰に意欲をみせ[13]、同月プレミアリーグに昇格した上尾メディックスで現役復帰を果たした[14]

復帰第一戦となった2014年11月16日のトヨタ車体戦に先発出場し、14得点(アタック7点、ブロック4点、サービスエース3点)をあげ、チームのプレミアリーグ初勝利に貢献した[15]

2015年1月11日の日立リヴァーレ戦に出場し、プレミアリーグ出場試合数が230となり、Vリーグ栄誉賞(長期活躍選手)の受賞資格を得た[16]。5月12日に全日本に復帰(追加登録)[17]。6月7日までに上尾メディックスを退団し[18]トヨタ車体クインシーズに移籍が決定した[19]

2017/18シーズンのVプレミアリーグでは、6年連続となるブロック賞を獲得し[20]、トヨタ車体のプレミアリーグ最高位となる3位獲得に大きく貢献した。

2021年6月30日、2020年東京オリンピックの出場メンバー12名に選出された[21][22]

2021年9月22日、現役引退を発表。引退後はトヨタ車体クインシーズのスタッフに就任する[23][24][25]

2022年4月4日、自身のInstagramを更新し、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に入学したことを報告した[26]。2023年に修了[27]

人物・エピソード

キャッチコピー
世界をぶちぬく鉄腕エリカ
ファイティング・エリカ(2006世界選手権
  • トレーニングの成果で減量してから、以前よりキレのある動きでプレーの幅が広くなった。
  • 2007年夏に京阪電鉄のマナーポスターに起用された。キャッチコピーは「ブロックの名手荒木選手は音漏れもシャットアウト」。
  • 日本代表チームではアラキングと呼ばれている。

球歴

所属チーム

受賞歴

個人成績

V.LEAGUEの個人成績は下記の通り[32]

大会 チーム 出場 アタック バックアタック アタック
決定本数
ブロック サーブ サーブレシーブ 総得点























































V1 2020-21 トヨタ車体 23 81 319 132 16 41.4 0 0 0 - 1.63 63 0.78 305 3 18 16 109 14.5 5 2 2 60.0 132 63 21 216
V1 2019-20 24 96 396 174 22 43.9 1 0 0 0.0 1.81 100 1.04 382 6 20 17 132 14.3 18 4 7 41.7 174 100 26 300
V1 2018-19 23 84 336 135 16 40.2 1 0 0 0.0 1.61 67 0.80 322 5 15 27 105 12.3 14 6 2 50.0 135 67 20 222
V1 2017-18 27 105 357 169 21 47.3 0 0 0 - 1.61 88 0.84 433 17 19 24 159 16.1 17 3 3 26.5 169 88 36 293
V1 2016-17 26 98 473 202 35 42.7 0 0 0 - 2.06 96 0.98 357 6 9 34 112 11.5 20 13 0 65.0 202 96 15 313
V1 2015-16 埼玉上尾 21 84 374 169 35 45.2 0 0 0 - 2.01 77 0.92 270 6 9 13 131 17.0 19 9 0 47.4 169 77 15 261
CM 2015-16 2 6 26 12 2 46.2 0 0 0 - 2.00 6 1.00 20 0 0 2 7 8.8 0 0 0 - 12 6 0 18
V1 2014-15 26 98 516 233 24 45.2 1 0 0 0.0 2.38 73 0.74 339 4 16 17 113 13.3 51 33 0 64.7 233 73 20 326
V1 2012-13 東レ 31 124 582 293 41 50.3 2 1 0 50.0 2.36 113 0.91 381 10 12 28 154 15.2 16 12 0 75.0 293 113 22 428
V1 2011-12 25 96 411 194 27 47.2 1 0 0 0.0 2.02 86 0.90 388 9 25 24 145 16.8 18 11 0 61.1 194 86 34 314
V1 2010-11 24 91 441 221 24 50.1 0 0 0 - 2.43 62 0.68 297 4 8 24 110 12.8 10 8 0 80.0 221 62 12 295
V1 2009-10 28 104 477 234 32 49.1 1 0 0 0.0 2.25 82 0.79 393 3 13 34 127 11.5 14 9 0 64.3 234 82 16 332
V1 2007-08 31 113 571 314 37 55.0 4 3 1 75.0 2.78 119 1.05 427 3 11 22 151 11.6 10 8 0 80.0 314 119 14 447
V1 2006-07 27 111 615 256 44 41.6 5 2 3 40.0 2.31 81 0.73 350 6 14 14 105 12.4 12 9 0 75.0 256 81 20 357
第12回 28 102 538 259 44 48.1 13 5 5 38.5 2.54 69 0.68 331 4 6 16 129 12.4 17 11 0 64.7 259 69 10 338
第11回 27 104 557 250 37 44.9 3 1 1 33.3 2.40 96 0.92 412 7 8 22 110 9.9 6 3 0 50.0 250 96 15 361
第10回 22 88 295 145 25 49.2 0 0 0 - 1.65 57 0.65 330 3 13 32 90 10.9 24 19 0 79.2 145 57 16 218
通算:17大会 418 1585 7284 3392 482 46.6 32 12 10 37.5 2.14 1335 0.84 5737 96 216 366 1989 12.5 271 160 14 61.6 3392 1335 312 5039

関連項目

参考文献

  • 吉井妙子 『女子バレーの女神たち』2006年 ぴあ社刊 152-161頁 ISBN 4-8356-1642-1
  • 佐藤直司『コートの中のイタリア』コシーナブックス、2010年4月5日。ISBN 9784904620083 

脚注

  1. ^ 荒木絵里香さん早稲田大大学院修了式で代表あいさつ ここが学びの再スタート”. 月刊バレーボール (2023年3月27日). 2023年3月27日閲覧。
  2. ^ TBSテレビ『バース・デイ』. “2016.5.7のオンエア:バックナンバー”. 2016年5月22日閲覧。
  3. ^ 東レ・荒木絵里香が伊へ移籍 - ウェイバックマシン(2008年7月24日アーカイブ分) - サンケイスポーツ(2008年7月23日)
  4. ^ 東レアローズ・荒木絵里香選手のイタリア・セリエAへのレンタル移籍について - ウェイバックマシン(2008年7月25日アーカイブ分) - 東レ公式サイト(2008年7月24日)
  5. ^ ベルガモ移籍を報じるイタリア記事 - ウェイバックマシン(2008年8月28日アーカイブ分)
  6. ^ 日本バレーボール協会. “「世界一を知る」 火の鳥NIPPONが2013年シーズンに向けて始動 新キャプテンは木村沙織選手!”. 2013年5月13日閲覧。
  7. ^ 朝日新聞 2013年5月14日朝刊14版 24面
  8. ^ 東レ2季ぶり3度目V 荒木絵里香がMVP”. スポーツニッポン (2012年3月25日). 2012年8月13日閲覧。
  9. ^ 日本バレーボール協会. “女子日本代表選手12名決定! 第30回オリンピック競技大会(2012/ロンドン)”. 2012年6月25日閲覧。
  10. ^ 東レアローズ. “荒木絵里香選手の入籍について”. 2013年6月18日閲覧。[リンク切れ]
  11. ^ 東レアローズ. “荒木選手の退社について”. 2013年10月3日閲覧。
  12. ^ 本人ツイッター. “女児出産”. 2014年2月4日閲覧。
  13. ^ Sports Graphic Number Web(文藝春秋社). “ロンドン後の出産を経て――。荒木絵里香、現役復帰宣言。~バレー元日本代表が語る2年間~”. 2014年6月3日閲覧。
  14. ^ 上尾メディックス. “2014.6.12 新加入選手のお知らせ。”. 2014年6月12日閲覧。
  15. ^ Vリーグ機構. “試合結果速報”. 2014年11月16日閲覧。
  16. ^ Vリーグ機構. “上尾メディックス 荒木絵里香選手 Vリーグ出場通算230試合出場について”. 2015年1月12日閲覧。
  17. ^ 日本バレーボール協会. “2015年度全日本女子バレーボールチーム 登録メンバー2名の追加について”. 2016年5月22日閲覧。
  18. ^ 荒木絵里香選手退団、吉村志穂選手勇退のお知らせ 上尾メディックス
  19. ^ Vリーグ機構. “移籍公示選手(女子)リスト一覧 2016年7月6日更新”. 2016年7月7日閲覧。
  20. ^ 2017/18 V・プレミアリーグ女子大会 最終結果”. Vリーグ機構 (2018年3月17日). 2018年8月19日閲覧。
  21. ^ 第32回オリンピック競技大会(2020/東京)火の鳥NIPPON出場内定選手12人決定”. 日本バレーボール協会 (2021年6月30日). 2021年9月28日閲覧。
  22. ^ 女子代表、五輪12名発表。荒木絵里香主将、古賀紗理那、黒後愛、籾井あき、石川真佑ら”. バレーボールマガジン (2021年6月30日). 2021年9月28日閲覧。
  23. ^ 荒木絵里香選手 現役引退のお知らせ”. トヨタ車体クインシーズ (2021年9月22日). 2021年9月22日閲覧。
  24. ^ トヨタ車体、日本代表主将・荒木絵里香の現役引退を発表。「心が震えるような瞬間を何度も経験し、 バレーボール選手を味わい尽くすことができた」”. バレーボールマガジン (2021年9月22日). 2021年9月22日閲覧。
  25. ^ 荒木絵里香が現役引退を発表”. 月バレ.com (2021年9月22日). 2021年9月22日閲覧。
  26. ^ 荒木 絵里香/Erika Araki [@erika_araki_official] (2022年4月4日). "早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に入学しました。競技引退からまた新たな挑戦。バレーボール、スポーツをこれまでとは違う角度から向き合い、知識を深め、社会の中で還元できるように精一杯頑張ります。". Instagramより2022年4月13日閲覧
  27. ^ バレー元日本代表・荒木絵里香さん 早稲田大学大学院を修了「仕事や家庭、研究の両立に苦しむことも…」 - スポニチ Sponichi Annex 芸能”. スポニチ Sponichi Annex. 2024年3月29日閲覧。
  28. ^ 山陽新聞. “清水、山口、荒木選手に栄誉賞 五輪銅受け、県が贈呈へ”. 2012年8月閲覧。 アーカイブ 2012年8月15日 - ウェイバックマシン
  29. ^ Vリーグ機構. “2014/15V・プレミアリーグ女子大会V・レギュラーラウンド 最終結果のお知らせ”. 2015年2月23日閲覧。
  30. ^ Vリーグ機構. “2015/16V・プレミアリーグ女子 V・レギュラーラウンド最終結果のお知らせ”. 2016年1月24日閲覧。
  31. ^ 山陽新聞デジタル. “山口、宮下らに岡山県が特別顕彰 リオ五輪5位のバレー女子代表”. 2016年8月26日閲覧。
  32. ^ 荒木絵里香|選手別成績|Vリーグ オフィシャルサイト”. Vリーグ機構. 2021年9月19日閲覧。

外部リンク