菱川 友宣(ひしかわ とものぶ、生没年不詳)とは、江戸時代浮世絵師

来歴 編集

菱川を称し、画名に菱川師宣が剃髪した後の号である「友竹」の「友」と、師宣の「宣」の字の二つを用いていること、また師宣が使用した「菱川」の八角印を用いていることなどから、師宣晩年の門人であろうと推測されている。作画期は元禄の頃とされ肉筆画を残す。画風は師宣風だが、のどかな描写や淡い彩色に特徴があると評されている。

作品 編集

  • 「遊楽図巻」 紙本着色 ※「日本繪房國菱川友宣」の落款、「菱川」の朱文八角印あり
  • 「楠公父子訣別図」 紙本着色 奈良県立美術館所蔵 ※「日本繪房國菱川友宣筆」の落款、「房國」(朱文方印)と「菱河」(白文瓢形印)の二つの印あり
  • 遊女聞香図」 絹本着色 ボストン美術館所蔵 ※「日本繪菱川友宣圖」の落款、印文不明の白文方印あり

参考文献 編集

  • 楢崎宗重編 『肉筆浮世絵Ⅰ(寛文~宝暦)』〈『日本の美術』248〉 至文堂、1987年 ※34頁
  • 国際浮世絵学会編 『浮世絵大事典』 東京堂出版、2008年
  • 辻惟雄監修 『ボストン美術館 肉筆浮世絵』(第一巻) 講談社、2002年