葵上』(あおいのうえ)は、『源氏物語』の「」巻に取材した能楽作品。世阿弥改作か。

月岡耕漁「能楽百番」より
葵上
作者(年代)
未詳 世阿弥改作か(室町時代)
形式
準夢幻能
能柄<上演時の分類>
般若物・祈り物、四番目物
現行上演流派
観世・宝生・金春・金剛・喜多
異称
なし
シテ<主人公>
六条御息所の生霊
その他おもな登場人物
横川の小聖、照日の巫女
季節
季不知 (不定)
場所
葵上の部屋
本説<典拠となる作品>
源氏物語
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シテは六条御息所生霊であり、題にもなっている葵の上は一切登場せず、生霊に祟られ寝込んでいることを一枚の小袖を舞台に寝かすこと(出し小袖)で表現している。

六条御息所は賀茂の祭の際、光源氏の正妻である葵の上一行から受けた侮辱に耐え切れず、生霊(前ジテ)となって葵上を苦しめているのである。薬石効なく、ついに修験者である横川の小聖が呼ばれ祈祷が始まると、生霊は怒り、鬼の姿(後ジテ)で現われるが、最後は般若の姿のまま、法力によって浄化される場面で終わる。

資料 編集

  • 「古作の能」『日本古典文学大系 40 謡曲集 上』横道万里雄:著、岩波書店、1960年12月、ISBN 978-4-00-060040-8

関連項目 編集

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