蘇澳冷泉(すおう-れいせん)は台湾宜蘭県の南端、蘇澳鎮にある温泉冷泉)。地質的な分類としては中央山脈の板岩区にあり、主な地質は変質岩である。

蘇澳冷泉
蘇澳冷泉風景区
各種表記
繁体字 蘇澳冷泉
簡体字 苏澳冷泉
拼音 Sūào Lĕngquán
注音符号 ㄙㄨ ㄠˋ ㄌㄥˇ ㄑㄩㄢˊ
発音: スーアオ ロンチュエン
台湾語白話字 So͘-ò Léng-choâⁿ
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源泉は蘇澳鎮の北方、蘇北里冷泉路の七星山西麓にあって、台湾鉄路管理局宜蘭線蘇澳駅の前方約300mのところにある。この場所は、の時代の福建陸路提督羅大春が開削した蘇花古道の起点であり、[1]開通の記念碑と羅提督の興学碑があったが、晋安宮の傍に移転されている。

冷泉はラムネ羊羹の製造に用いられ、これらは当地の特産品の一つとなっている。[1]

アクセス 編集

台湾鉄路管理局宜蘭線蘇澳駅が最寄り駅となる。

泉質 編集

泉質は台湾で唯一となる炭酸カルシウム泉。透明で飲用も可能。源泉の水温は約22度、pH5.5。炭酸イオン68ppm、ナトリウムイオン14.3ppm、カルシウムイオン10.7ppmとなっている。[2]

歴史 編集

蘇澳冷泉は大量の炭酸を含んでおり、魚介類がその中で生長することができず、昆虫さえも水中ではほどなくして死亡してしまうため、昔から有毒な湧き水だと誤解されてきた。しかし、日本統治時代にこの地を訪れた日本の軍人、竹中信景が意図せずこの水を飲むことができることに気がつき、研究開発が開始された。[3]

画像 編集

脚注 編集

  1. ^ a b 旅名人編集室 2008, p. 160.
  2. ^ 宋聖榮 2007, p. 141.
  3. ^ 鈴木浩大 2007, p. 128-130.

参考文献 編集

  • 鈴木浩大『湯けむり台湾紀行』まどか出版、2007年5月。ISBN 978-4-94-423535-3 
  • 旅名人編集室『旅名人ブックス103 台湾の温泉&スパ』日経BP企画、2008年3月。ISBN 978-4-86-130332-6 
  • 宋聖榮劉佳玖『台湾地理百科23 台湾的温泉』遠足文化、2007年5月。ISBN 978-9-57-280317-2 

関連項目 編集