蘭 郁二郎(らん いくじろう、1913年大正2年)9月2日 - 1944年昭和19年)1月5日)は、日本小説家SF作家推理作家。本名は遠藤 敏夫(えんどう としお)[1][2]林田 葩子(はやしだ はなこ)というペンネームもある。

プロフィール編集

東京都生まれ[2]東京高等工業学校電気学科卒業[2][3]。SF好きだった母の影響を受け、SF小説同人誌を学生時代に多数発表。その後、1931年平凡社刊『江戸川乱歩全集』の月報付録「探偵趣味」にショートショート『息を止める男』を応募し、これがデビュー作となった[2]1935年には、大慈宗一郎中島親荻一之助らとともに同人誌『探偵文学』を創刊。1937年に『シュピオ』と改題してからは、海野十三小栗虫太郎木々高太郎とともに編集を務めた。当初は『夢鬼むき』などの幻想的な小説を書いていたが、1938年からは海野のすすめで科学小説を書き始めるようになった[2]。その後、『地図にない島』『地底大陸』『海底紳士』などSFスリラーを多数発表し人気作家にのしあがった[2]が、太平洋戦争中、海軍報道班員としてマカッサルへ向かう途中の1944年1月5日、台湾から乗り継いだ飛行機が墜落し亡くなった[4]。享年32歳[5]

著書編集

  • 『少年科学小説 奇巌城』鈴木御水絵、紀元社、1941年7月。NDLJP:1720713
  • 『孤島の魔人』大白書房、1941年9月。
  • 『脳波操縦士』文学書房、1942年1月。NDLJP:1026845
  • 『太平洋爆撃基地』六合書院、1942年3月。
  • 『少年電気物語』童話春秋社、1942年9月。
  • 『黒い東京地図』大都書房、1942年。
  • 『冒険科学小説 ガラスの島』伊勢良夫絵、泰光堂、1943年2月。NDLJP:1716130
  • 『熱線博士』新正堂、1943年3月。NDLJP:1109303
  • 『太陽の島』西正世志絵、六芸社、1943年6月。NDLJP:1720715
  • 『狛犬島の冒険』紀元社、1943年6月。
  • 『防諜探偵小説 南海の毒盃』大道書房、1943年。
  • 『少年探偵王』村上松次郎絵、ともだち社、1948年。
  • 『地底大陸』桃源社、1969年12月。
  • 『火星の魔術師』国書刊行会〈探偵クラブ〉、1993年7月。ISBN 9784336034595
  • 『蘭郁二郎集 魔像』筑摩書房〈怪奇探偵小説名作選 7〉、2003年6月。ISBN 9784480038340
  • 『平田晋策・蘭郁二郎集』會津信吾編、三一書房〈少年小説大系 第17巻〉、1994年2月。ISBN 9784380945472
  • 『蘭郁二郎探偵小説選Ⅰ』論創社〈論創ミステリ叢書 59〉、2013年1月。ISBN 9784846011994
  • 『蘭郁二郎探偵小説選Ⅱ』論創社〈論創ミステリ叢書 60〉、2013年2月。ISBN 9784846012168
  • 『少年科学小説 奇巌城』書肆盛林堂〈盛林堂ミステリアス文庫〉、2013年5月。
  • 『地底大陸』河出書房新社、2018年8月。ISBN 9784309027241

脚注編集

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出典編集

  1. ^ 會津信吾編『少年小説大系 第17巻 平田晋策・蘭郁二郎集』三一書房、1994年、515頁。ISBN 4380945472
  2. ^ a b c d e f 長山靖生編・著『なつかしい未来――甦る明治・大正・昭和の未来小説』中央公論新社、2001年、243頁。ISBN 4120031543
  3. ^ 會津『少年小説大系 第17巻』p.530.
  4. ^ 長山『なつかしい未来』pp.243-244.
  5. ^ 長谷川史親・縄田一男編『日本ミステリーの一世紀 上巻』廣済堂、1995年、338頁。ISBN 9784331056486

参考文献編集

  • 會津信吾編『少年小説大系 第17巻 平田晋策・蘭郁二郎集』三一書房、1994年。ISBN 9784380945472
  • 長山靖生編・著『なつかしい未来――甦る明治・大正・昭和の未来小説』中央公論新社、2001年。ISBN 9784120031540
  • 長谷川史親・縄田一男編『日本ミステリーの一世紀 上巻』廣済堂、1995年。ISBN 9784331056486

外部リンク編集