街頭募金
概要編集
駅前や商店街の片隅など人通りの多い場所で募金箱を持って道行く人に金銭を募るのが街頭募金である。その目的に応じて集められた寄付金が直接使われる場合もあれば、日本赤十字社のようなとりまとめ団体に送金される場合もある。
第二次世界大戦直後には生活に困窮する傷痍軍人らが街頭募金する姿が見られるようになった。
このため1950年頃には、各都道府県単位で募金活動を制限する条例が制定される例が増えた[2]。2000年代以降の現在でも、街頭募金の場所・規模によって、所管の警察署に道路使用許可を得ることや自治体への事前届出が必要である場合がある。
東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)後は、被災者救済の為の街頭募金があちこちで見られた。
特徴編集
街頭募金は相互扶助の1形態であり、行政的な福祉とは異なる市民的な性質をもっている。
また、結社や組合を通じた組織的な扶助とも違い、その場にたまたま居合わせた人の善意に期待する活動であることも他に類を見ない特色となっている。
問題点編集
街頭募金においては募集団体と寄付者が一過的にしか接触しないケースが多く、せっかく寄付をしても使途をそのお金が本当に目的通りに使われたのか追跡できない場合もあり、募金詐欺である場合もある。
一方、特定の団体への寄付は一定額以上なら本来は「特定寄附金」とみなされ確定申告の際に所得控除(寄附控除)の対象となるが、街頭募金では寄付者の特定が不可能なことが多く、また寄付金額も少額であることが多く、主催団体も多種多様で、多くの場合特定寄付金の要件をみたさない。
日本の街頭募金活動編集
救世軍の社会鍋や、中央共同募金会の赤い羽根共同募金など、毎年年末にキャンペーンを張り、風物詩となっている街頭募金活動が多く見られる。
以下のような「羽根」が活動のシンボルマークとなっているものが多く、寄付金をマークにちなんだ記念品の羽根と引き換える例となっていることがある。
- 緑の募金:緑の募金法に基づく国土緑化の募金。担当は国土緑化推進機構。強化月間は毎年4月中旬から5月中旬。
- 幸福の黄色い羽根(幸福:読み「しあわせ」):法務省が主唱。強化月間は毎年7月。
- 青い羽根募金: 日本水難救済会 (MRJ)が主催。強化月間は毎年7月頭から8月末。高額の寄付者は褒章の対象となる。
- 赤い羽根共同募金:中央共同募金会が主催。強化月間は10月頭から12月末。
- 水色の羽根募金:漁船海難遺児育英会が主催。
- 一部地域で実施されている募金活動
脚注編集
外部リンク編集
- 街頭募金マニュアルを公開しました - NPO法人Brainhumanityのブログ記事
- ニセ街頭募金にご注意! 見極めるコツは? - ALL ABOUTの記事(筑波君枝)