襟足(えりあし、衿足領脚 [1]英語: nape)とは、耳より後ろ側の首と頭の境目に生える髪の毛のこと[2]歴史的仮名遣では「ゑりあし」。髪を結い上げた時に、左右に伸びる髪の毛がまるでのように見えたことからこのように呼ばれるようになったといわれている[2]。なお、襟足より2ないし3センチメートル以内にカットした髪型をショートカットという[3]

割れしのぶの髪型をした芸妓の襟足
舞妓の後ろ姿

概要 編集

襟足とは、耳の下から首の後ろにかけて、左右の髪の生え際が下へ延びている箇所である[4]。生え際のかたちは、個人によって多様であるが、「W型、WM型、U型、ぱっつん型(直線型)」の4種に大別する方法がある[2]

伝統的な日本の文化では、うなじは顔と手を除くと女性の衣服で覆われていない身体の数少ない部位の1つであり、日本男性は女性のうなじに強い魅力を感じていた[5]。日本では古くより襟足が左右に長く足のように延びて見えるのを好しとしてきた[4]。その一方で、襟足の“あって然るべき”ところが円い場合(上の分類では「U型」)もあり、これは「坊主襟(ぼうずえり)」と称して疎まれた[4][6]江戸時代以来の風習で、中央の髪を剃って白粉を塗ることで襟足を目立たせることが多かったのは、これが理由である[4]

現代では、うなじも含めてネープ(nape)と呼ばれることも多い[注釈 1]

なお、男性のヘアスタイルでは、「ネープレス」と称される、襟足の長さを極端に短くした刈り上げスタイルが、生えグセの解消や清潔感・爽快感、頭のシルエットを立体的にみせる髪型であるなどの理由から、若い世代を中心に一定の支持を受けている[2][7][注釈 2]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ うなじは、首の後面を指すが頭髪は含まない[2]。襟足は後ろ髪の生え際の毛を指す。
  2. ^ ネープレスが日本人男性に人気なのは、後頭部が絶壁の人が多いためともいわれている[7]

出典 編集

  1. ^ '襟足'の検索結果:国語辞典”. 2020年6月4日閲覧。
  2. ^ a b c d e 襟足とはどこの部位を指す?脱毛やカットする時の注意点やコツを紹介!”. | Kuraneo. 2022年9月6日閲覧。
  3. ^ ショートカット』 - コトバンク
  4. ^ a b c d 襟足』 - コトバンク
  5. ^ Kittredge Cherry (1987). Womansword: What Japanese Words Say about Women. Kodansha. p. 21. ISBN 4-7700-1655-7 
  6. ^ 坊主襟』 - コトバンク
  7. ^ a b 秋山幸太 (2019年9月17日). “まだネープレスじゃないの?! メンズの襟足は短めがオススメな理由をまとめました”. BSR PRESS. 2022年9月6日閲覧。

関連項目 編集