西川和孝

日本の元子役俳優、元政治家

西川 和孝(にしかわ かずたか、1967年昭和42年〉9月29日 - )は、東京都大田区出身の元子役俳優、元政治家受刑者

来歴・人物 編集

子連れ狼 編集

『子連れ狼』(萬屋錦之介版)の第1部(1973年〈昭和48年〉放映)・第2部(1974年〈昭和49年〉放映)で、萬屋錦之介演ずる主人公拝一刀の息子・拝大五郎役を演じ、その愛らしさで人気を博し[1]、これをパロディーにしたCMが制作・放映されるほどであった。

原作劇画の眉の太い大五郎と容姿が似て、「まだ三つの大五郎」を演じたといわれる後任の佐藤たくみに比べ、あどけない容姿の西川は「宿命の子・大五郎」を演じたと評されていた。なお、西川が初代大五郎であるとされることもあるが、実際の初代大五郎は『子連れ狼』〈若山富三郎版〉1972年〈昭和47年〉 - 1973年に制作・上映)で大五郎を演じた富川晶宏であり、西川は映像作品としては二代目の大五郎となる。

その後は1976年(昭和51年)にTBSで放送された連続テレビドラマ『刑事くん』の第4作(主演:星正人)に主人公・勝山剛の弟役でレギュラー出演した。

芸能界引退後 編集

高校卒業後、芸能界を引退し、渡米。帰国後は水泳指導員としてサラリーマン生活を送る。やがてスイミングスクールの営業権を買い取ったが、経営はうまく行かず、後述の金銭トラブルの遠因となった。

1995年平成7年)の統一地方選挙では、転勤先の新潟県白根市(現在の新潟市南区)の市議会議員選挙に上位当選し、「大五郎議員」として一躍時の人となったが、女性問題や金銭トラブルから、次の1999年(平成11年)の統一地方選挙には出馬せず政界を引退した。

1997年(平成9年)には萬屋錦之介の葬儀に参列し、「大人になった大五郎」としてスポーツ新聞などに取り上げられている。

その後、雀荘の経営に乗り出していたが、1999年11月30日、店の資金のトラブルから、金融業者である上越市内在住の知人男性(56歳)を殺害、部下の男に指示して男性の遺体を新潟県岩船郡朝日村(現在の村上市)の山林に遺棄、現金約500万円を奪い工事費やローンの返済に充てた[2][3]。同年12月下旬に、死体遺棄容疑で国際刑事警察機構 (ICPO) を通じて国際手配された[2]香港へ出国した後にタイに逃亡したが、同国で身柄を拘束され、同年12月25日未明に日本へ向かう航空機内で、新潟県警察捜査本部上越警察署)から派遣された捜査員によって逮捕された[2][3]強盗殺人・死体遺棄などの罪に問われ[4]2000年(平成12年)10月3日[5]新潟地方裁判所(榊五十雄裁判長)で無期懲役判決を言い渡された[4]確定[6]

出演作品 編集

テレビドラマ 編集

テレビアニメ 編集

バラエティ番組 編集

CM 編集

  • 興和 ウナコーワ虫よけ おんぶ篇(1978年)[8]

出典 編集

  1. ^ 子連れ狼1(主演:萬屋錦之介)(時代劇専門チャンネル)
  2. ^ a b c 貸金業殺し“大五郎”西川容疑者逮捕」『ZAKZAK産業経済新聞社、1999年12月25日。2020年9月27日閲覧。オリジナルの2000年4月18日時点におけるアーカイブ。
  3. ^ a b “大五郎”西川容疑者が殺害認める供述」『ZAKZAK』、1999年12月27日。2020年9月27日閲覧。オリジナルの2000年4月18日時点におけるアーカイブ。
  4. ^ a b 松田美智子 2009, p. 162.
  5. ^ 松田美智子 2009, p. 160.
  6. ^ 拳銃密輸犯は元「大五郎」だった」『日刊スポーツ』日刊スポーツ新聞社、2004年9月8日。2020年9月27日閲覧。オリジナルの2004年9月8日時点におけるアーカイブ。
  7. ^ まんが 花の係長”. トムス・エンタテインメント (1976年). 2022年5月30日閲覧。
  8. ^ 『ACC CM年鑑'79』(全日本CM協議会編集、誠文堂新光社、1979年 50頁)

参考文献 編集

  • 松田美智子『新潟少女監禁事件 密室の3364日』ま 28-1、朝日新聞出版朝日文庫〉、2009年2月6日。ISBN 978-4022616081NCID BA89093082国立国会図書館書誌ID:000010040739  - 原著:松田美智子『カプセル 新潟少女監禁事件 密室の3364日』(主婦と生活社国立国会図書館書誌ID:000003632159)は2002年4月3日に1刷発行。新潟地裁(榊五十雄裁判長)は西川に無期懲役判決を宣告した2000年10月3日当時、新潟少女監禁事件の審理を行っていた(同日は第4回公判期日)。

外部リンク 編集