西様似駅

かつて北海道様似郡様似町にあった北海道旅客鉄道の駅

西様似駅(にしさまにえき)は、北海道日高振興局様似郡様似町西町にあった、北海道旅客鉄道(JR北海道)日高本線廃駅)である。電報略号ニサ事務管理コードは▲132226[2]

西様似駅
駅舎(駅前通り側)
(2017年9月)
にしさまに
Nishi-Samani
鵜苫 (2.5 km)
(2.9 km) 様似
地図
所在地 北海道様似郡様似町西町
北緯42度8分17.87秒 東経142度54分30.73秒 / 北緯42.1382972度 東経142.9085361度 / 42.1382972; 142.9085361
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 日高本線
キロ程 143.6 km(苫小牧起点)
電報略号 ニサ
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
開業年月日 1937年昭和12年)8月10日[1]
廃止年月日 2021年令和3年)4月1日[JR北 1][運輸局 1]
備考 無人駅
路線廃止に伴う廃駅
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歴史 編集

 
1978年の西様似駅と周囲約500m範囲。右が様似方面。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

駅名の由来 編集

当駅の所在する地(様似町)の西方に位置することから[5]「西」を冠した。

駅構造 編集

島式ホーム(片面使用)1面1線を有する地上駅だった。ホームは線路の南側(様似方面に向かって右手側)に存在した。転轍機を持たない棒線駅となっていた[6]。かつては島式ホーム1面2線を有する列車交換可能な交換駅であった[7]。駅舎側が上り線、駅舎と反対側が下り線となっていた。そのほか下り線の様似方から駅舎側に分岐する行き止まりの側線を1線有していた[7]。使われなくなった駅舎側の1線は、交換設備運用廃止後は撤去された。ホーム前後の線路は転轍機の名残で湾曲していた[6]

静内駅が管理していた無人駅で、有人駅時代の駅舎は改築され、ヨ3500形車掌車を改造した貨車駅舎となっていた[8]。駅舎は構内の南西側に位置しホーム西側とを結ぶ通路で連絡していた[6]。尚、貨車駅舎の塗色は2003年(平成15年)に様似中学校美術部の生徒の手により[9]、正面側が虹とロケット[9]、線路側が舞い上がる風船[8]のイラストになっていた。ホームは苫小牧方にスロープを有していた。

利用状況 編集

乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去の各調査日における平均である。当駅についてはバス代行期間が存在するため、一部でバスと列車が別集計となっているほか、各年で集計期間が異なる。備考も参照。

年度 乗車人員 出典 備考
年間 1日平均 JR調査
列車 代行バス
1981年(昭和56年) (3.0) [7] 1日乗降人員:6
1992年(平成04年) (15.0) [6] 1日乗降人員:30
2014年(平成26年) 1 [JR北 7] 当年の列車は単年の値。
2017年(平成29年) 1 [JR北 8] 2015年度末から鵡川 - 様似間バス代行。当年のバスは単年の値。
2018年(平成30年) 1.0 [JR北 9] 代行バスの値は過去2年平均
2019年(令和元年) 1.0 [JR北 10] 代行バスの値は過去3年平均
2020年(令和02年) 0.8 [JR北 11] 代行バスの値は過去4年平均

1日乗降人員は以下のとおりである。

また、JR北海道によると、各調査日における乗車人員および乗降人員平均は以下のとおりである。

駅周辺 編集

三井軌道 編集

かつて浦河町上杵臼地区から当駅附近へ、森林鉄道である三井軌道が運行されていた[10]。キロ程約30km。トンネルが2箇所あった。動力は内燃ディーゼル機関車、ガソリン機関車各1輌)。1日6往復の運行。三井物産が落札した森林の資源を運搬するために敷設された。しかし太平洋戦争の終戦により伐採は中止となり運行も終了、放置の後撤去された。主となる木材はミズナラで、インチ材や鉄道の枕木となった。またセンカツラベニヤ板の材料となった[11]

歴史 編集

  • 1930年(昭和5年):工事着工[11]
  • 1931年(昭和6年):全線開通[11]
  • 1941年(昭和16年)春:生産量の減少に伴いディーゼル機関車が芦別森林鉄道に転出[11]
  • 1945年(昭和20年)8月頃:終戦のため生産中止、それいに伴い運行休止[11]
  • 時期不詳:廃止、撤去[11]

隣の駅 編集

北海道旅客鉄道(JR北海道)
日高本線
鵜苫駅 - 西様似駅 - 様似駅

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 1983年(昭和58年)4月時点では交換設備を有していた(書籍『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』(小学館1983年7月発行)105ページより)。
  2. ^ 1990年(平成2年)7月1日時点では既に完全無人化されている(小冊子『HANDBOOK 1990』「駅は旅の出発点」(発行:北海道旅客鉄道、1990年発行)より)。

出典 編集

  1. ^ a b c d 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』JTB、1998年、865頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、229頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362022年12月10日閲覧 
  3. ^ “日本国有鉄道公示第182号”. 官報. (1977年1月31日) 
  4. ^ “「通報」●日高本線浜厚真駅ほか17駅の駅員無配置について(旅客局)”. 鉄道公報 (日本国有鉄道総裁室文書課): p. 2. (1977年1月31日) 
  5. ^ 書籍『北海道の駅878ものがたり 駅名のルーツ探究』(監修:太田幸夫、富士コンテム、(2004年2月発行))103ページより。
  6. ^ a b c d e 書籍『JR・私鉄全線各駅停車1 北海道630駅』(小学館1993年6月発行)105ページより。
  7. ^ a b c d 書籍『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』(小学館1983年7月発行)105ページより。
  8. ^ a b 書籍『ダルマ駅へ行こう!』(著:笹田昌宏、小学館文庫2007年5月発行)115ページより。
  9. ^ a b 書籍『北海道鉄道駅大図鑑』(著:本久公洋、北海道新聞社2008年8月発行)359ページより。
  10. ^ 書籍『写真で見る北海道の鉄道(下)』(編:北海道新聞社、北海道新聞社2002年12月発行)263ページより。
  11. ^ a b c d e f ホームページ「浦河百話 第七八話 三井軌道物語 -森林鉄道が走った頃」より(外部リンク参照)。

JR北海道 編集

  1. ^ a b 日高線(鵡川・様似間)の廃止日繰上げの届出について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2021年1月5日。 オリジナルの2021年1月5日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20210105050338/https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20210105_KO_hidakahaishi0401.pdf2021年1月5日閲覧 
  2. ^ 日高線 厚賀〜大狩部間 67k506m 付近における盛土流出について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2015年1月13日。 オリジナルの2015年1月15日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20150115032522/http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/150113-3.pdf2020年10月30日閲覧 
  3. ^ 日高線 静内〜様似間折り返し運転の実施について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2015年1月20日。 オリジナルの2015年3月30日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20150330110841/http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/150120-1-2.pdf2020年10月30日閲覧 
  4. ^ 日高線 静内〜様似間におけるバス代行の実施について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2015年2月27日。 オリジナルの2015年3月30日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20150330131236/http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/150227-1.pdf2020年10月30日閲覧 
  5. ^ 日高線運休に伴う列車代行バスの乗降場所変更について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2015年4月17日。 オリジナルの2019年7月20日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20190719155515/http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/150417-1.pdf2019年7月20日閲覧 
  6. ^ 日高線列車代行バスの増便及び時刻見直しについて』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2016年3月1日。 オリジナルの2019年7月20日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20190719161832/http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/160301-1.pdf2019年7月20日閲覧 
  7. ^ 日高線(鵡川・様似間)” (PDF). 線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2018年8月1日). 2018年8月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年8月17日閲覧。
  8. ^ 日高線(苫小牧・鵡川間)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために)』、北海道旅客鉄道、3頁、2018年7月2日。 オリジナルの2018年8月17日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20180817123514/http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/region/pdf/senku/12.pdf2018年8月17日閲覧 
  9. ^ 日高線(鵡川・様似間)” (PDF). 線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2019年10月18日). 2019年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月18日閲覧。
  10. ^ 日高線(鵡川・様似間)” (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 輸送密度200人未満の線区(「赤色」「茶色」5線区). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2020年10月30日). 2020年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月4日閲覧。
  11. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月14日閲覧。

北海道運輸局 編集

  1. ^ a b 鉄道事業の一部廃止の日を繰上げる届出について』(PDF)(プレスリリース)国土交通省北海道運輸局、2021年1月5日。 オリジナルの2021年1月5日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20210105055746/https://wwwtb.mlit.go.jp/hokkaido/press/presspdf/202101/20210105.pdf2021年1月5日閲覧 

関連項目 編集

外部リンク 編集