許家元

台湾の囲碁棋士

許 家元(きょ かげん / Hsu Chia Yuan、1997年12月24日 - )は、日本棋院東京本院所属の囲碁棋士高林拓二六段門下。台湾出身。

 許 家元 八段
Iyama Yuta and Hsu Chia Yuan20190811.jpg
阪急納涼囲碁まつりにて、右は井山裕太(2019年8月)
名前 許 家元
生年月日 (1997-12-24) 1997年12月24日(22歳)
出身地 台湾の旗 台北市[1]
所属 日本棋院東京本院
師匠 高林拓二
段位 八段
概要
タイトル獲得合計 2
七大タイトル
碁聖 1期(2018)
世界タイトル
グロービス杯 準優勝 (2014,2016)
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主な実績に第43期碁聖位(史上最年少碁聖)、第40期新人王戦優勝、第22期阿含・桐山杯全日本早碁オープン戦準優勝など。

令和三羽烏」の一人[2][3][4]

来歴編集

1997年4月24日、台湾に生まれる。4歳の頃に兄とともに囲碁教室に通い、囲碁を覚える[5]。小学3年生の頃から本格的に囲碁に取り組むようになり、4年生で台湾棋院のプロ試験を受けるも1勝差の3位で次点に終わり、合格を逃す[5]。5年生時も合格には至らず、6年生の時に王立誠九段に日本でプロを目指す道を示され、来日を決意する[5]。2012年11月、日本棋院の平成25年度冬季棋士採用試験本戦で初戦から12連勝で合格を確定させ(最終成績は14勝1敗)[6]、2013年4月、15歳で入段。

2013年7月14日、本因坊秀策杯(非公式戦)で優勝(15歳の優勝は大会史上最年少記録)。10月27日、非公式棋戦の第10回中野杯U20選手権で優勝。12月、日韓交流戦で4勝1敗(申旻埈、偰玹准、崔精、崔暎讚に勝ち、黄宰淵に負け)。

2014年4月、中国国内棋戦である丙級リーグ戦に参加し、7戦全勝。5月、第1回グロービス杯世界囲碁U-20では李欽誠初段(中国)・夏晨琨三段(中国)に勝利し準優勝。第23期竜星戦では、前年8月から2014年2月にかけて本戦で7連勝し、決勝トーナメントに出場。7月17日の2回戦では、山下敬吾竜星に勝利した。2014年は45勝12敗(勝率 .7895 )という成績を残し、棋道賞勝率第1位賞を受賞。

2015年4月10日、LG杯世界棋王戦の20周年記念大会「LG挑戦者杯」で準決勝に進む。5月4日、第63期王座戦において、予選初出場で本戦入り。6月、竜星戦決勝トーナメントで準決勝に進む。8月20日、棋聖戦挑戦者決定トーナメントに進出。

同年8月31日、第22期阿含・桐山杯全日本早碁オープン戦村川大介王座首藤瞬七段・余正麒七段に勝利し準優勝[7]。9月13日、第2回ゆうちょ杯(非公式戦)で優勝。更に、9月16日の第40期新人王戦で優勝し、自身初タイトルを獲得[8]。17歳8ヶ月での新人王戦優勝は史上3番目の若さ、入段から2年5ヶ月は最短記録[9]。10月15日、第41期碁聖戦で本戦入り。10月22日、第42期天元戦で本戦入り。2015年の年間成績は41勝10敗で、同じ勝数だった井山裕太と共に棋道賞最多勝利賞を受賞。賞金ランキング初のトップ10入り(7位)。

2016年3月19日、第3回棋戦優勝者選手権戦結城聡竜星・井山裕太六冠を破り準優勝。4月24日、第3回グロービス杯世界囲碁U-20李東勲五段(韓国)・楊鼎新三段(中国)に勝利し準優勝[10]。6月、中国国内棋戦である丙級リーグ戦に参加し、7戦全勝。7月28日、第42期天元戦本戦ベスト4。8月、第41期棋聖戦Bリーグで2位になりにAリーグ昇格[11]

2017年6月5日、第43期天元戦本戦ベスト4。8月10日、第56期十段戦予選決勝で高尾紳路名人に勝って本戦入り。9月7日、第42期棋聖戦Aリーグで2位になりSリーグ入り昇格[12]、規定により七段に昇段[13]。2017年の年間成績は41勝10敗(勝率 .8036 )で、自身2回目となる棋道賞勝率第1位賞を受賞した。

2018年、第43期碁聖戦本戦では張栩九段・山下敬吾九段・高尾紳路九段を破り決勝進出[14]。5月16日、第43期碁聖戦本戦決勝で本木克弥八段に中押し勝ちし自身初の七大タイトル挑戦手合進出を果たした[14]。20歳5ヶ月での碁聖戦挑戦は史上最年少記録[15][注 1]。8月3日、第43期碁聖戦五番勝負では、井山裕太七冠に対し3勝0敗のストレートで勝利し自身初の七大タイトルを獲得。許は入段から5年4ヶ月での七大タイトル獲得となり、2015年4月に入段から6年0ヶ月で十段位を獲得した伊田篤史八段の最短記録を更新した。20歳7ヶ月での七大タイトル獲得は史上3番目の年少記録(当時)[16]。また、挑戦手合で井山にストレート勝ちで勝利した初の棋士となった[17]。碁聖位獲得により、8月4日付で八段に昇段[18]。2018年はその他の棋戦においても第66期王座戦で本戦準決勝進出[19]、第44期天元戦で挑戦者決定戦進出[20]、第43期棋聖戦Sリーグで3勝2敗の4位で残留[21] など、タイトル獲得や挑戦手合進出には至らないものの、結果を残した。碁聖位獲得を始めとする活躍が評価され、棋道賞優秀棋士賞を受賞。

2019年、第44期碁聖戦では羽根直樹九段の挑戦を受ける。2連敗のあと2連勝としたものの、8月23日の最終第5局で敗退、防衛はならなかった[22]。羽根は2011年の第36期碁聖位以来、8年ぶりの七大タイトル獲得。一方で、第75期本因坊戦では9月12日に最終予選を制し許自身初の本因坊戦リーグ入りを決めると、10月31日には第45期名人戦でも最終予選を制しリーグ入りを決めた[23][24]。4月から9月にかけて行われた第44期棋聖戦Sリーグでも3勝2敗の3位で残留しており、三大リーグ全てでリーグ入りを果たした[25]。第67期王座戦では挑戦者決定戦まで進出したものの、9月20日、既に10代での名人戦挑戦を決めていた芝野虎丸八段と対戦し、敗退[26]。また、第45期天元戦では、本戦で孫喆七段・羽根直樹九段・坂井秀至八段・余正麒八段・佐田篤史四段に勝利し、井山裕太四冠との挑戦手合に進出。五番勝負の最終局までもつれたものの、12月18日の第5局で敗れ天元位獲得はならなかった[27]

棋戦決勝進出結果編集

棋戦
三大タイトル
他七大タイトル
国際タイトル
他棋戦
棋戦 期・回 対局日 相手
準優勝 グロービス杯U-20 1回 2014年5月 一力遼七段 0-1
優勝 1 新人王戦 40期 2015年9月 平田智也四段 2-0
準優勝 阿含・桐山杯 22期 2015年10月 井山裕太桐山杯 0-1
準優勝 グロービス杯U-20 3回 2016年4月 李欽誠初段 0-1
奪取 2 碁聖戦 43期 2018年 井山裕太碁聖 3-0
失冠 碁聖戦 44期 2018年 羽根直樹九段 2-3
挑戦 天元戦 45期 2018年 井山裕太天元 2-3

棋歴編集

獲得タイトル編集

良績等編集

受賞歴編集

  • 棋道賞勝率第1位賞 2回(2014年、2017年)
  • 棋道賞最多勝利賞 1回(2015年)
  • 棋道賞新人賞(2015年)
  • 棋道賞優秀棋士賞 1回(2018年)

記録等編集

  • 最年少での碁聖戦挑戦手合出場(20歳5ヶ月)[15]
  • 最年少碁聖位(20歳7ヶ月)
  • 史上3番目の若さでの七大タイトル獲得(20歳7ヶ月、当時)
  • 入段から七大タイトル獲得までの最短記録(5年4ヶ月、当時[注 2]

昇段履歴編集

  • 2013年4月1日 入段
  • 2014年3月28日 二段(勝星規定)[28]
  • 2015年3月24日 三段(勝星規定)[29]
  • 2016年7月8日 四段(勝星規定)[30]
  • 2017年9月8日 七段(棋聖戦Sリーグ昇格)[13]
  • 2018年8月4日 八段(第43期碁聖位獲得)[18]

棋聖戦挑戦者決定リーグ戦編集

※新制度より(第40期から)

  • Sリーグは緑色
  • Aリーグは紫色
  • Bリーグは黄色
  • Cリーグは水色
  • FTはファーストトーナメント
新・棋聖戦リーグ
開催年 所属リーグ 結果
1 40 2015 Cリーグ 1位 昇格
2 41 2016 Bリーグ 2位 昇格
3 42 2017 Aリーグ 2位 昇格
4 43 2018 Sリーグ 4位
5 44 2019 Sリーグ 3位
6 45 2020 Sリーグ

脚注編集

注釈編集

  1. ^ それまでの記録は第25期山下敬吾七段(当時)の21歳10ヶ月。
  2. ^ 2019年に芝野虎丸が入段から4年11ヶ月で名人位を獲得し、記録を更新している。

出典編集

  1. ^ 林翠儀 台灣棋士許家元就位「碁聖」 霸氣宣告要奪7冠王 (中国語) 自由時報 2018.8.12付記事、2019.12.28 8:50 (UTC) 閲覧
  2. ^ (月刊囲碁)待ってろ芝野、白星発進 「令和三羽烏」の一力遼、許家元 第45期名人戦リーグ開幕 朝日新聞”. 2020年5月5日閲覧。
  3. ^ 第75期本因坊戦挑戦者決定リーグ 芝野虎丸名人-許家元八段 第15局の2 毎日新聞”. 2020年5月5日閲覧。
  4. ^ 将来は名門新聞社社長も兼務する!?囲碁トッププロ・一力遼八段は何者? Number Web”. 2020年5月5日閲覧。
  5. ^ a b c 『碁ワールド 2014年6月号』日本棋院、44-45頁。
  6. ^ 平成25年度冬季棋士採用試験 本戦”. 日本棋院のアーカイブ. 2019年4月26日閲覧。
  7. ^ 第22期 阿含・桐山杯 全日本早碁オープン戦
  8. ^ 第40期 新人王戦
  9. ^ 2016囲碁年鑑
  10. ^ 第3回 グロービス杯世界囲碁U-20
  11. ^ 第41期 棋聖戦 日本棋院
  12. ^ 第42期 棋聖戦
  13. ^ a b 【昇段】許 家元七段に、伊藤健良二段に昇段”. 日本棋院 (2017年9月8日). 2020年1月26日閲覧。
  14. ^ a b 第43期 碁聖戦
  15. ^ a b 許家元七段が初の挑戦権獲得!【第43期碁聖戦挑戦者決定戦】
  16. ^ 井山6冠に後退 碁聖戦、許家元が奪取 毎日新聞
  17. ^ 井山裕太七冠陥落 碁聖戦、許家元七段が最速タイトル
  18. ^ a b 【昇段】許 家元八段に昇段”. 日本棋院 (2018年8月7日). 2020年1月26日閲覧。
  19. ^ 第66期 王座戦”. 日本棋院. 2020年1月26日閲覧。
  20. ^ 第44期 天元戦”. 日本棋院. 2020年1月26日閲覧。
  21. ^ 第43期 棋聖戦”. 日本棋院. 2020年1月26日閲覧。
  22. ^ 第44期 碁聖戦”. 日本棋院. 2020年1月26日閲覧。
  23. ^ 第75期 本因坊戦”. 日本棋院. 2020年1月26日閲覧。
  24. ^ 第45期 名人戦”. 日本棋院. 2020年1月26日閲覧。
  25. ^ 第44期 棋聖戦”. 日本棋院. 2020年1月26日閲覧。
  26. ^ 第67期 王座戦”. 日本棋院. 2020年1月26日閲覧。
  27. ^ 第45期 天元戦”. 日本棋院. 2020年1月26日閲覧。
  28. ^ 【昇段】許 家元二段に昇段”. 日本棋院 (2014年3月28日). 2020年1月26日閲覧。
  29. ^ 【昇段】許 家元三段に昇段”. 日本棋院 (2015年3月24日). 2020年1月26日閲覧。
  30. ^ 【昇段】許 家元四段に昇段”. 日本棋院 (2016年7月8日). 2020年1月26日閲覧。

外部リンク編集