諫早駅
諫早駅(いさはやえき)は、長崎県諫早市にある、九州旅客鉄道(JR九州)・島原鉄道の駅である。
諫早駅 | |
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![]() 西口(2023年1月) | |
いさはや Isahaya | |
![]() | |
所在地 | 長崎県諫早市 |
所属事業者 |
九州旅客鉄道(JR九州・駅詳細) 島原鉄道(駅詳細) |
概要編集
諫早市の中心駅で、長崎県内で長崎駅に次いで2番目、長崎本線の駅では3番目に利用者が多い。全列車が停車する。島原鉄道の駅には「雲仙・島原口」の副駅名が設定されている。
JR九州の長崎本線と大村線と西九州新幹線、島原鉄道の島原鉄道線の計4路線が乗り入れている。大村線は当駅が終点、島原鉄道線は当駅が起点である。JR九州における当駅の所属線は長崎本線である[1]。SUGOCAに対応するが、当駅がSUGOCA長崎エリアにおける長崎本線の東端駅であるため、長崎本線長崎方面(含む長与支線)と大村線の当駅から竹松までのみ利用可能であり、長崎本線鳥栖方面へは利用できない。西九州新幹線や島原鉄道でもSUGOCAは利用できない。
長崎本線の当駅と長崎駅の間は運転本数が多く設定されている。新線(市布経由)を通る列車は、普通列車が毎時上下各2本程度であり、ラッシュ時間帯以外で毎時上下各1本程度のピストン運転を行う。また、佐世保・大村線直通の快速列車も毎時上下各1本設定されており、当区間内の基本停車駅は喜々津駅・浦上駅のみだが、時間帯により諫早 - 長崎間は各駅に停車するものもある。旧線(長与経由)は普通列車のみの運転であるが、D&S列車「或る列車」と「ななつ星 in 九州」は長与経由のルートで運転する。
長崎本線上り湯江駅・江北駅方面は普通列車が毎時1本程度で、一部時間帯では3時間程度普通列車の運転間隔が空く。大村線に関しては前述の快速列車と普通列車がそれぞれ毎時各1本ずつの運転である。
当駅を通る列車は回送列車や試運転も含めて、ほぼ全列車が停車し、通過する列車はごくわずかに限られている。西九州新幹線も例外ではなく、定期営業列車は全て停車し回送列車などごく一部の列車のみが通過する。
JRにおいてワンマン運転の際は当駅で精算方法が変わり、当駅 - 長崎駅間は長与支線を含めて車内精算を行わない。当駅 - 長崎駅は新幹線と長崎本線が並行しており(西九州新幹線は新線ルートの線増扱い)、選択乗車が可能である。なお新大村駅 - 当駅も新幹線と大村線が並行する形になっているが、こちらは選択乗車ができず、運賃が異なる。
JR九州の駅名標には「のんのこ踊り」がデザインされている。
歴史編集
- 1898年(明治31年)11月27日:九州鉄道長崎線の駅として開業[2]。
- 1907年(明治40年)7月1日:九州鉄道が国有化される[3]。
- 1909年(明治42年)10月12日:線路名称制定により、長崎本線の駅となる。
- 1911年(明治44年)8月21日:島原鉄道の諫早 - 本諫早間が開業。長崎本線と島原鉄道の駅となる。
- 1934年(昭和9年)
- 1986年(昭和61年)11月1日:貨物および荷物の取り扱いを廃止[1]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、長崎本線・大村線は九州旅客鉄道に継承[1]。九州旅客鉄道と島原鉄道の駅となる。
- 2010年(平成22年)3月24日:自動改札機を設置。
- 2012年(平成24年)12月1日:同駅を含む長崎地区19駅にSUGOCAを導入[5]。
- 2016年(平成28年)6月18日:仮駅舎に移転。新駅舎・自由通路の建設工事着工[6]。
- 2018年(平成30年)8月4日:JR線の橋上駅舎、および東口と西口を結ぶ自由通路の供用開始[6]。
- 2019年(平成31年・令和元年)
- 2022年(令和4年)9月23日:西九州新幹線が開業[9][10]。
島原鉄道とJRの渡り線について編集
島原鉄道のりばから数100メートルJR線と並走した後、左右に分かれるが、その並走区間の途中には、国鉄時代に島原鉄道の列車が国鉄へ乗り入れていた名残としてJR線から島原鉄道に接続する渡り線がある。この渡り線を使用して急行列車が長崎駅・佐世保駅・小倉駅まで乗り入れていた。
駅構造編集
JR九州編集
JR 諫早駅 | |
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いさはや Isahaya | |
所在地 | 長崎県諫早市永昌町1番1号 |
所属事業者 | 九州旅客鉄道(JR九州) |
電報略号 | イハ |
駅構造 | 地上駅(橋上駅) |
ホーム |
2面2線(新幹線) 2面4線(在来線) |
乗車人員 -統計年度- |
4,062人/日(降車客含まず) -2021年- |
開業年月日 | 1898年(明治31年)11月27日 |
乗入路線 3 路線 | |
所属路線 | ■西九州新幹線 |
キロ程 | 44.7 km(武雄温泉起点) |
◄新大村 (12.5 km) (24.9 km) 長崎► | |
所属路線 | ■長崎本線 |
キロ程 | 100.4 km(鳥栖起点) |
◄東諫早 (2.6 km) (2.8 km) 西諫早► | |
所属路線 | ■大村線 |
キロ程 | 47.6 km(早岐起点) |
◄岩松 (7.6 km) | |
備考 |
直営駅[11] みどりの窓口 有[12] |
JR新幹線は2面2線、JR在来線は2面4線(1 - 4番線)を有する[13][14]。新幹線には待避線がないため可動式安全柵が設置されている。新幹線もホームがほぼ地平に設置されており、全国的にも数少ない。
のりば編集
のりば | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
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1 | ■長崎本線 | 下り | 長崎行き | |
2 | ||||
■大村線 | - | ハウステンボス・早岐・佐世保方面 | ||
3 | ■長崎本線 | 下り | 長崎行き | |
上り | 湯江・肥前浜・江北方面 | 一部の列車 | ||
■大村線 | - | ハウステンボス・早岐・佐世保方面 | ||
4 | ■長崎本線 | 上り | 湯江・肥前浜・江北方面 | |
■大村線 | - | ハウステンボス・早岐・佐世保方面 | ||
11 | ■西九州新幹線 | 上り | 武雄温泉・新鳥栖・博多方面 | かもめ号は武雄温泉駅で 博多行き特急と接続。 |
12 | 下り | 長崎行き |
(出典:JR九州駅情報一覧)
島原鉄道編集
島原鉄道 諫早駅 | |
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いさはや ISAHAYA (雲仙・島原口 - Unzen・Shimabara Gate) | |
(1.5 km) 本諫早► | |
所在地 | 長崎県諫早市永昌東町1-1 |
所属事業者 | 島原鉄道 |
所属路線 | ■島原鉄道線 |
キロ程 | 0.0 km(諫早起点) |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 1面1線 |
乗車人員 -統計年度- |
867人/日(降車客含まず) -2017年- |
乗降人員 -統計年度- |
1,646人/日 -2017年- |
開業年月日 | 1911年(明治44年)6月20日 |
備考 | 社員配置駅 |
この節の加筆が望まれています。 |
島原鉄道の駅は単式ホーム1面1線を有する[13]。JR線と島原鉄道線との乗り継ぎには、改札口を出て自由通路を経由する必要がある[15]。
駅舎編集
JR線の駅舎3代目は、2018年8月より東口(永昌東町)と西口(永昌町)を結ぶ自由通路と接続した橋上駅舎となっている[6]。駅舎にはJR線専用の改札口や待合室、みどりの窓口、自動券売機が設置され[12]、JR線の各ホームとは階段とエレベーターとで接続されている[14]。東口側は諌早市が駅周辺再開発整備の一環で整備した「再開発ビル1棟」と接続しており、島原鉄道線の駅舎(改札口・乗り場)の出入口が設けられている[6][14]。島原鉄道は改札の分離に併せて駅員が配置されるようになり、自動券売機も1台設置されている。
先代の2代目駅舎は有明線が開通した[2]1934年(昭和9年)竣工の木造2階建て(一部)で、外観は2か所の出入り口部のみ上った上屋軒先に、駅舎内も構成的な意匠が施された柱や梁、折り上げ天井の待合室など、洋館風のモダンなものであった[4]。1990年代末期に外観の塗色が従来の緑色から茶色に塗り替えられたがそのほかの大きな変化はなかった。駅舎は駅の東側に位置しており、西側とは地下道で結ばれていたが、自由通路の供用開始により閉鎖された[6]。
駅弁編集
2022年9月17日からファミリーマート銘品蔵諫早駅店で販売される。ただし、JTB時刻表 2023年3月号には諫早駅の駅弁の掲載は無い。
販売される駅弁は下記の通り[16]。
- 新幹線かもめ弁当
- 鉄道開業150周年記念九州巡り旅弁当
- ミッキーマウス GO!GO!ランチ BOX
利用状況編集
- JR九州 - 2019年度の1日平均乗車人員は5,134人である[17]。長崎県内の駅では長崎駅に次いで、長崎本線では佐賀駅、長崎駅に次いで3番目に利用者が多い駅である。
- 島原鉄道 - 2017年度の1日平均乗車人員は867人である。
年度 | JR九州 | 島原鉄道 |
---|---|---|
1日平均 乗車人員 |
1日平均 乗車人員 | |
2000年 | 5,828 | 683 |
2001年 | 5,791 | 743 |
2002年 | 5,562 | 771 |
2003年 | 5,629 | 797 |
2004年 | 5,579 | 771 |
2005年 | 5,604 | 795 |
2006年 | 5,533 | 790 |
2007年 | 5,561 | 844 |
2008年 | 5,582 | 863 |
2009年 | 5,495 | 858 |
2010年 | 5,433 | 892 |
2011年 | 5,365 | 921 |
2012年 | 5,389 | 951 |
2013年 | 5,510 | 1,019 |
2014年 | 5,396 | 977 |
2015年 | 5,403 | 956 |
2016年 | 5,228 | 911 |
2017年 | 5,188 | 867 |
2018年 | 5,203 | |
2019年 | 5,134 |
駅周辺編集
駅前にはバスターミナル・ビジネスホテルがあり、マンションも多い。諫早市役所など、市の中心部へは隣の島原鉄道本諫早駅の方が近い。
- 長崎県営バス・島鉄バス諫早ターミナル
- ミスタードーナツJR諫早ショップ
- ジョイフル諫早駅前店(閉店)
- 長崎県立諫早商業高等学校
- 鎮西学院大学
- 鎮西学院高等学校
- 長崎県立総合運動公園陸上競技場(トランスコスモススタジアム長崎)
- JCHO諫早総合病院(諫早病院)
- まるたか生鮮市場諫早駅前店
バス路線編集
隣の駅編集
- 九州旅客鉄道(JR九州)
- ■西九州新幹線
- ■長崎本線
- ■大村線
- 島原鉄道
- ■島原鉄道線
- 諫早駅 - 本諫早駅
脚注編集
注釈編集
出典編集
- ^ a b c 石野 1998, p. 716.
- ^ a b 九州鉄道の記憶III, p. 151.
- ^ 石野 1998, p. 715.
- ^ a b 長崎県98, p. 126.
- ^ 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (2012年12月4日)
- ^ a b c d e “諫早駅の東西結ぶ「自由通路」きょう供用開始 「まちづくりの核へ大きな一歩」”. 長崎新聞. (2018年8月4日). オリジナルの2020年12月13日時点におけるアーカイブ。 2020年12月13日閲覧。
- ^ (PDF)『九州新幹線(西九州)諫早駅新築工事の安全祈願について』(プレスリリース)独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構、2019年1月28日。 オリジナルの2020年1月15日時点におけるアーカイブ 。2020年12月13日閲覧。
- ^ 『10月以降の鉄道・バスの各種変更について』(プレスリリース)島原鉄道、2019年9月30日。 オリジナルの2020年12月13日時点におけるアーカイブ 。2020年12月13日閲覧。
- ^ (PDF)『西九州新幹線の開業日について』(プレスリリース)九州旅客鉄道、2022年2月22日。 オリジナルの2022年2月22日時点におけるアーカイブ 。2022年2月22日閲覧。
- ^ “西九州新幹線が開業、「かもめ」が出発…博多―長崎間は最速1時間20分に”. 読売新聞 (読売新聞社). (2022年9月23日). オリジナルの2022年9月23日時点におけるアーカイブ。 2022年9月23日閲覧。
- ^ 『学研の大図鑑 JR全駅・全駅舎西日本編(JR東海・JR西日本・JR四国・JR九州)』学習研究社、2004年4月30日、235頁。
- ^ a b 駅情報 - JR九州.2021年12月6日閲覧
- ^ a b 長崎新聞20180804-13.
- ^ a b c “諫早駅構内図” (PDF). 九州旅客鉄道 (2018年8月3日). 2018年8月12日閲覧。
- ^ “「島原鉄道 諫早駅」 新駅舎のご案内”. 島原鉄道 (2018年8月10日). 2018年8月12日閲覧。
- ^ (PDF)『\もうすぐ西九州新幹線開業!/長崎の駅弁、増えています!!』(プレスリリース)九州旅客鉄道、2022年9月9日。 オリジナルの2022年9月17日時点におけるアーカイブ 。2022年9月17日閲覧。
- ^ 駅別乗車人員(2019年度)
- ^ a b 長崎県交通局「諫早バスターミナルが新しくなります。」(2022年4月19日付長崎県交通局新着情報。2022年5月16日閲覧)
参考文献編集
- 諫早市史編纂室『諫早市史 第1巻』諫早市役所、1955年。
- 長崎県教育委員会編『長崎県の近代化遺産』長崎県教育委員会、1998年。
- 宇都宮照信『九州鉄道の記憶III』西日本新聞社、2004年。
- 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日。ISBN 978-4-533-02980-6。