象棋六種之図式(しょうぎろくしゅのずしき)は、江戸時代に発行された古将棋の解説書。元禄年間に発行された諸象戯図式より時代は下る[1]が、正確な発行時期は不明。

現在では「雑藝叢書」に収録されているものからその内容を知ることができるが、「雑藝叢書」自体が絶版となっている。『雑藝叢書』の記載によれば、「写本に云ふ、嘉吉三年卯月十五日写す、一校を加ふと云々」[2]とあり、嘉吉三年は1443年に当たることから、15世紀半ばにはこれらの将棋が知られていたことになる。

について解説されている。「泰将棋」は、これまで「大将棋(たいしょうぎ)」「無上大将棋」などと表記されていたものが、大将棋(だいしょうぎ)と紛らわしいため、象棋六種之図式で「泰」の字が当てられた。

解説は初期配置図と駒の動きが主であるが、摩訶大大将棋の駒の配置をうたった頌[3]が、『象棋六種之図式』に記載されている。

脚注

編集
  1. ^ 「泰将棋」の記述を採用したことから推測。
  2. ^ 『雑藝叢書』上巻・189ページ。
  3. ^ 増川宏一『将棋』に、同じ内容のものがある(114ページ)。

参考文献

編集