貝塚市(かいづかし)は、大阪府泉南地域に位置する

かいづかし ウィキデータを編集
貝塚市
貝塚市旗 貝塚市章
貝塚市旗
1971年8月制定
貝塚市章
1943年8月29日制定
日本の旗 日本
地方 近畿地方
都道府県 大阪府
市町村コード 27208-6
法人番号 4000020272086 ウィキデータを編集
面積 43.93km2
総人口 80,630[編集]
推計人口、2024年11月1日)
人口密度 1,835人/km2
隣接自治体 岸和田市泉佐野市泉南郡熊取町
和歌山県紀の川市
市の木 カイヅカイブキ
市の花 コスモス
貝塚市役所
市長 酒井了
所在地 597-8585
大阪府貝塚市畠中一丁目17番1号
北緯34度26分15秒 東経135度21分31秒 / 北緯34.43761度 東経135.35853度 / 34.43761; 135.35853座標: 北緯34度26分15秒 東経135度21分31秒 / 北緯34.43761度 東経135.35853度 / 34.43761; 135.35853
地図
市庁舎位置
外部リンク 公式ウェブサイト

貝塚市位置図

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町・村

ウィキプロジェクト
貝塚市中心部周辺の空中写真。1985年撮影の3枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

願泉寺寺内町を中心に発展してきた。古代よりの生産が行われ、日本最古の櫛の産地ともいわれる[1]1960年代に「東洋の魔女」と称されたニチボー貝塚女子バレーボールチームの活躍[2]で知名度を上げた。

地理

隣接する自治体

人口

2020年(令和2年)10月1日実施の令和2年国勢調査の確定人口等によると、貝塚市の人口は84,443人(男:40,482人、女:43,961人)で、世帯数は33,284世帯であった[5]。前回調査の2015年(平成27年)実施の国勢調査と比較すると、人口は88,694人から4,251人の減少、世帯数は33,355世帯から71世帯の減少となった[5]

 
貝塚市と全国の年齢別人口分布(2005年) 貝塚市の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 貝塚市
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
貝塚市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 73,366人
1975年(昭和50年) 79,506人
1980年(昭和55年) 81,162人
1985年(昭和60年) 79,591人
1990年(平成2年) 79,234人
1995年(平成7年) 84,653人
2000年(平成12年) 88,523人
2005年(平成17年) 90,314人
2010年(平成22年) 90,492人
2015年(平成27年) 88,694人
2020年(令和2年) 84,443人
総務省統計局 国勢調査より


町丁・字

歴史

古代より日根郡澤村(現・貝塚市澤)を中心に木つげ櫛)の生産が盛んで、「和泉櫛」「近木櫛」の名で全国に知られた。現在もつげ櫛の生産量は日本一を誇り[6]、市のマスコットキャラクター「つげさん」のモチーフになっている。

願泉寺の場所には、元は行基が開基したとされる庵寺があり、和泉国紀伊国への布教途上にあった蓮如がこの庵寺に逗留している。近世初頭に多くの寺内町がその特権を失う中で、貝塚は近代初頭まで諸役免許の特権を有する寺内町として残った。

1943年(昭和18年)5月1日付で、大阪府下で10番目に市制を施行し貝塚市が発足した。その後は平成の大合併に伴い、一時期は隣接する岸和田市との合併を模索した時期もあったが[7]、合併協議会すら設立されずに立ち消えとなった。

ただし岸和田市と共同で一部事務組合「岸和田市貝塚市清掃施設組合」を組織し、清掃工場「岸和田市貝塚市クリーンセンター」を共同運営[8]するなど、各種行政サービス上での協力・提携関係はみられる。

地名の由来

「貝塚」という地名については、元は「海塚(かいづか。塚は点のある )」の文字が使われていたが、16世紀後半に一向宗自治都市である寺内町がつくられた時には、「貝塚」(同) の字が使われていたことが、市に残る古文書からもうかがえる。寺内町を除く旧村は、現在は「海塚(うみづか)」と呼ばれている。

なお「貝塚」といえば一般的には「貝殻の塚」である貝塚として縄文時代遺跡を指すことから、貝塚遺跡に関連して地名が付けられたとの説もあるが、貝塚市域では貝塚を伴う遺跡が発見されていないことからその関連性は証明できず、「貝塚」の地名の由来に関する確証ある説は定まっていない。

沿革

中近世

明治以降

 
旧貝塚市役所本庁舎(2019年5月撮影)

行政

市長

氏名 就任 退任 備考
1 佐々木仙太郎 1943年(昭和18年)5月1日 1946年(昭和21年)1月29日
2-5 北野彌一郎 1946年(昭和21年)3月12日 1958年(昭和33年)3月1日
6-8 岡本義雄 1958年(昭和33年)4月13日 1970年(昭和45年)1月15日
9-18 吉道勇 1970年(昭和45年)2月11日 2010年(平成22年)2月10日 1970年の初当選以来、10期40年を務め上げ勇退。
19-21 藤原龍男 2010年(平成22年)2月11日 2022年(令和4年)2月10日
22 酒井了 2022年(令和4年)2月11日 現職 1期目

市章・標語

  • 市章は、貝塚市の「貝」の字を象徴文字にして中央に配し、大阪湾の波頭5つで囲み、さらに外側を当地にあった名「姫松」の松葉で結んだ星形(五芒星)で囲んでいる。1931年の新生「貝塚町」発足時、旧郡界(南郡日根郡)を跨ぐ合併となったため、5町村の固い契りを願ってこのデザインを採用した。
  • 市の標語は「『魅力かがやき 未来へつなぐまち 貝塚」である。

市民サービスコーナー

  • 浜手地区市民サービスコーナー - 二色2-7-2(浜手地区公民館内)
  • 山手地区市民サービスコーナー - 東山7-10-1(山手地区公民館内)

立法

貝塚市議会

2022年5月19日現在[10]

  • 定数:18名(欠員1名)
  • 任期:2019年(令和元年)5月1日 - 2023年(令和5年)4月30日
  • 議長:藪内留治(無所属、5期)
  • 副議長:南野敬介(無所属、4期)
会派名 議席数 議員名(◎は代表)
公明党議員団 4 ◎谷口美保子、前園隆博、中山敏数、北尾修
新政クラブ 2 ◎阪口芳弘、真利一朗
市民ネット貝塚 3 ◎川岸貞利、阪口勇、平岩征樹
自由市民 2 ◎飯野雅由、田畑庄司
大阪維新の会 2 ◎中川剛、樽谷庄道
無会派(無所属) 2 出原秀昭、明石輝久

大阪府議会(貝塚市選挙区)

2024年1月1日現在[11]

  • 定数:1名
  • 任期:2023年(令和5年)4月29日〜2027年(令和9年)4月8日
氏名 会派名 当選回数
牛尾治朗 大阪維新の会大阪府議会議員団 1

衆議院

  • 任期:2025年(令和7年)10月30日
選挙区 議員名 党派名 当選回数 備考
大阪府第19区(貝塚市、泉佐野市泉南市阪南市泉南郡 伊東信久 日本維新の会 3 選挙区
谷川とむ 自由民主党 3 比例復活

経済

産業活性化への取り組みとして、市では関西国際空港に近いというメリットを活かし、近木川河口右岸の二色の浜パークタウンのさらに沖合を埋立造成して工業団地「二色の浜産業団地」を建設し、企業誘致に積極的に取り組み、三洋電機(現:パナソニック)や明治乳業株式会社の工場誘致に成功した[12]

主な産業

貝塚市に拠点を置く主な企業

ユニチカ貝塚工場跡
  • 貝塚市半田150に所在した。操業期間は1935年(昭和10年)1月 - 1997年(平成9年)3月。「東洋の魔女」と称されたニチボー貝塚女子バレーボールチーム(のちのユニチカ・フェニックス。後身は東レアローズ)を輩出したことで知られた。
  • 跡地は商業施設、戸建分譲住宅地、貝塚市歴史展示館および市民庭園、認定こども園、日本生命体育館(日本生命女子卓球部練習場)、日本生命グラウンド(日本生命野球部練習場)などに充てられている。
  • 商業施設のうち、2002年(平成14年)4月から自社で運営していたユニチカオークタウン貝塚2018年(平成30年)4月に閉店した。
  • 旧工場事務所と中庭は貝塚市へ寄贈され、2005年(平成17年)10月1日から貝塚市歴史展示館および市民庭園として公開されている[2]
  • 貝塚市歴史展示館には2004年(平成16年)に取り壊された旧体育館[24]の床の一部や優勝カップ等が展示されている。
  • 1990年(平成2年)に建てられた新体育館(ユニチカ体育館)は2003年(平成15年)から2013年(平成25年)までJVA貝塚ナショナルトレーニングセンターとして運用されていたが、2016年(平成28年)から日本生命体育館となった[24]
かつて存在した事業所

金融機関

日本郵政グループ

 
貝塚郵便局

貝塚市内の郵便番号は「597-00xx」「597-01xx」(いずれも貝塚郵便局の集配担当)となっている。ただし、三ツ松2576番地(590-0461)は熊取郵便局(泉南郡熊取町紺屋)の集配担当となっている。

2012年12月現在。
貝塚蕎原簡易郵便局を除く各郵便局にゆうちょ銀行のATMが設置されており、貝塚・貝塚半田の各郵便局ではホリデーサービスを実施。
  • 貝塚郵便局(海塚(うみづか)) - 集配局
  • 貝塚南町郵便局(南町)
  • 貝塚半田郵便局(半田)
  • 貝塚加神(かしん)郵便局(加神)
  • 貝塚二色パークタウン郵便局(二色)
  • 貝塚麻生中(あそなか)郵便局(麻生中)
  • 貝塚久保郵便局(久保)
  • 堀 郵便局(堀)
  • 貝塚三ツ松郵便局(三ツ松)
  • 貝塚沢郵便局(澤)
  • 貝塚小瀬(こせ)郵便局(小瀬)
  • 貝塚森郵便局(森)
  • 貝塚橋本郵便局(堤)
  • 水間郵便局(水間) - 元集配局。
  • 貝塚蕎原(そぶら)簡易郵便局(蕎原)

対外関係

姉妹都市・提携都市

公共施設

市の施設

図書館・文化施設等

 
貝塚市歴史展示館
貝塚市半田138-1
 
貝塚市民図書館
貝塚市畠中1-12-1
 
市民福祉センター
貝塚市畠中1-10-1
  • コスモスシアター(貝塚市民文化会館)[27] - 畠中1-18-1(財団法人貝塚市文化振興事業団が運営)
    • 中央公民館 - 畠中1-18-1(コスモスシアター2階)
  • 浜手地区公民館 - 二色2-7-2
  • 山手地区公民館 - 東山7-10-1
  • 貝塚市民図書館[28] - 畠中1-12-1
  • 総合体育館 - 畠中1-13-1
  • 市民福祉センター - 畠中1-10-1
  • 貝塚商工会議所 - 二色南町4-7
  • 貝塚市歴史展示館[29](愛称「ふるさと 知っとこ!館」) - 半田138-1
    • ユニチカ貝塚工場事務所。ニチボー貝塚女子バレーボールチームの優勝トロフィーをはじめとする資料および旧体育館の床板の一部が展示されている。
  • 善兵衛ランド(天文施設、岩橋善兵衛にちなむ) - 三ツ松216
  • そぶら貝塚ほの字の里[30] - 蕎原2114
    • 天然温泉 森の浴場「ゆの館」
    • ほの字の館(宿泊)
    • レストラン「彩」
    • ガーデンテラス(朝食は朝がゆが人気、昼・夕食はバーベキュー)
    • げんきの館(スポーツ施設)
    • 木工室
    • 炭焼き小屋
    • そば打ち体験など
  • 自然遊学館[31] - 二色3-26-1
  • ハート交流館[32] - 福田91
  • 市民の森公園
    • シェルシアター[33] - 二色3-26(市民の森内)
    • 関空交流館[34] - 貝塚市二色3-25-5(市民の森公園内)
  • 貝塚市営第1プール - 第5プール

防災

医療機関

府・国の施設

 
社会保険庁 貝塚社会保険事務所
貝塚市海塚305-1

教育関係

大学

高等学校

公立

私立

中学校

小学校

交通

鉄道

 
南海本線 貝塚駅
貝塚市海塚137

中心となる駅:貝塚駅

バス

 
市内を走る水間鉄道(水鉄バス)
自社路線「コスモスライナー」
 
コミュニティバス「は〜もに〜ばす
水間鉄道へ運行委託)

なお、貝塚市外と市内にまたがって運行する一般路線バス高速バス路線はない。

道路

港湾

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

名所・旧跡・観光スポット

 
孝恩寺観音堂(国宝
 
和泉葛城山 展望台
貝塚市蕎原/岸和田市塔原町
和歌山県紀の川市切畑
和泉葛城山の山頂にあるこの展望台から関西国際空港など大阪府南部が一望できる。

祭事

貝塚市出身の著名人

政治家

経済人

  • 宇野藤吉雑貨商、貝塚紡織相談役、泉醤油取締役)
  • 宇野茂兵衛(宇野製粉所代表社員)
  • 種子島源兵衞(泉醤油社長) - 種子島家は貝塚町土着の商家で、代々「近江屋」と称し、醤油の醸造で知られた[37]
  • 種子島源三(泉醤油社長、日本絹靴下代表取締役)[37]
  • 廣海惣太郎(肥料商、阪南銀行頭取、岸和田煉瓦綿業社長) - 廣海家は貝塚町において「貝塚三家衆」と呼ばれる豪家であり、代々回漕業並びに肥料商を営んだ[38]
  • 廣海昌蔵(肥料商、日本絹靴下、東洋研磨各取締役)[38]

学術

芸能人・文化人

スポーツ選手

その他

ゆかりの人物

不祥事

脚注

  1. ^ 4ページ/貝塚市 令和元年度テンプス70号 地域で守り続けられる櫛の神様 八品神社、貝塚市、2020年2月5日更新、2023年12月10日閲覧。
  2. ^ a b 8ページ 貝塚市の風景~ユニチカ株式会社貝塚工場跡 貝塚の文化財、貝塚市、2020年5月28日更新、2023年8月31日閲覧。
  3. ^ 貝塚蕎原簡易郵便局
  4. ^ ハイランドパーク粉河
  5. ^ a b 令和2年国勢調査結果(確定値)が公表されました”. 貝塚市. 2024年10月14日閲覧。
  6. ^ a b 第31号 和泉櫛/貝塚市 わがまち再発見(平成16年掲載分)第31号 和泉櫛、貝塚市、2010年03月02日更新、2023年12月10日閲覧。
  7. ^ [1] 貝塚市[リンク切れ]
  8. ^ 組合の概要 - 岸和田市貝塚市清掃施設組合について 岸和田市貝塚市クリーンセンター、2023年8月31日閲覧。
  9. ^ 新庁舎News! 令和4年広報かいづか5月号2ページ”. 貝塚市. 2024年8月22日閲覧。
  10. ^ [2] 貝塚市[リンク切れ]
  11. ^ 府内の選挙日程及び議員・首長の任期満了日”. 大阪府. 2024年1月10日閲覧。
  12. ^ 企業誘致 貝塚市[リンク切れ]
  13. ^ 受け継がれる伝統 売れ続ける泉州銘菓「村雨」 人気の秘密は 泉州ブランド、株式会社泉州ドットコム、2023年8月31日閲覧。
  14. ^ 大阪産(もん)名品(最中・饅頭等)【大阪土産・贈り物としておすすめします】 大阪府、2023年5月24日更新、2023年8月31日閲覧。
  15. ^ 大阪府貝塚市の返礼品一覧 - 泉州銘菓「たこぼうずもなか」 ふるなび、2023年5月24日更新、2023年8月31日閲覧。
  16. ^ 会社概要 別寅かまぼこ株式会社、2023年8月31日閲覧。
  17. ^ ユニチカガーメンテック株式会社
  18. ^ テラボウ株式会社
  19. ^ a b グローバル事業所/拠点 パナソニックエナジー株式会社、2023年8月31日閲覧。
  20. ^ 事業所紹介 - 工場 株式会社明治、2023年8月31日閲覧。
  21. ^ 事業所一覧 丸大食品株式会社、2023年8月31日閲覧。[出典無効]
  22. ^ 宮崎機械システム株式会社
  23. ^ 大豊運輸倉庫株式会社
  24. ^ a b "「東洋の魔女」育んだ女子バレーの聖地売却…名門・日生野球部、卓球部が歴史を継承". 産経ニュース. 産経新聞社. 2 July 2015. 2024年5月17日閲覧
  25. ^ シャープ、完全子会社3社間の吸収合併に伴う子会社の異動及び存続子会社の商号変更を発表 日本経済新聞電子版、2017年7月28日、2023年8月31日閲覧。
  26. ^ 会社概要 シャープマーケティングジャパン株式会社、2023年8月31日閲覧。
  27. ^ コスモスシアター(貝塚市民文化会館)
  28. ^ 貝塚市民図書館
  29. ^ 貝塚市歴史展示館
  30. ^ そぶら貝塚ほの字の里
  31. ^ 自然遊学館
  32. ^ 青少年人権教育交流館(ハート交流館)
  33. ^ シェルシアター
  34. ^ 関空交流館
  35. ^ 貝塚市消防署
  36. ^ 大阪府立少年自然の家
  37. ^ a b 『人事興信録 第12版 下』タ276頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2022年9月2日閲覧。
  38. ^ a b 『人事興信録 第13版 下』ヒ65頁(国立国会図書館デジタルコレクション)。2022年9月1日閲覧。
  39. ^ アーティスト詳細 久川綾”. タワーレコード. 2020年11月3日閲覧。
  40. ^ 耐震補強:体育館工事で談合容疑 業者を逮捕…大阪 毎日新聞、2012年2月19日付

関連文献

  • 『貝塚町史:要綱』貝塚町、1941年。NDLJP:1042181 
  • 人事興信所編『人事興信録 第12版 下』人事興信所、1940年。
  • 人事興信所編『人事興信録 第13版 下』人事興信所、1941年。

関連項目

外部リンク