資金調達(しきんちょうたつ、: financing)とは、事業に必要な資金を調達することをいう。

資金調達という用語は、政府組織、民間企業、個人事業主の事業などについて幅広く用いられている。 「資金調達」という用語は、広義には、自己がすでに有している資本(勘定科目上で自己資本にあたるもの)を用いる方法を指すこともある。 「資金調達」は、狭義には、外部から新たに資金を調達する方法を指している。

なお、自己資本を用いる資金調達も、立派に資金調達の一種であり、特に言わなくても、昔も今も、当たり前のように、組織において内部的に頻繁に行われている行為である(この方法に重点を置いて、集中的に解説している書籍もある)。なお、かつて(たとえば昭和時代に)、誰かがわざわざ外部の人に「資金調達の必要がある」などと強調して言う時は、会計学用語で言うと他人資本を借りること、いわゆる借金をする方法(デットファイナンス)で、勘定科目としては「負債」にあたるものを作ったり増やしたりする方法、を指していることが多かった。ただし、最近では「資金調達」と言っても、方法が多様化してきており、負債に当たるものを作るとは限らず、クラウドファンディングの様々なタイプを使い分けたり、あるいは私募債、メザニンファイナンス、資産流動化 等々等々 さまざまな方法が利用できるようになっており、「資金調達」という用語が持ち出される場合、しばしば(単純なデットファイナンスよりもむしろ、それ以外の)様々な方法を指すようになってきている(後述)。

民間企業や個人事業(や個人)の場合編集

民間企業や個人事業の場合は、上記を細分化してみると 前者の自己資本に当たるものを用いる方法は「アセット・ファイナンス」(「資産による資金調達」)と呼ばれ、すでに保有している資産(の一部)を売却し現金化することで資金を得る方法(あるいは、すでに保有している現金の一部を当該目的のために割り当てる方法)である。

それに対して「デット・ファイナンス」は、「借金による調達」のことであり、会計的(簿記の勘定科目)としては「負債による調達」のことである。様々あるが、たとえば伝統的には金融機関からの借入れ、コマーシャルペーパー(CP)や社債の発行による資金の調達などがある。

さらに「エクイティ・ファイナンス」は、「株式を新たに発行することによる資金調達」(=株式を新たに発行し、投資家らにその株式を購入してもらい、それを資金とする方法)を指している。

(ただし、米国などでは、事業の将来性を事業計画などに基づいて純粋に判断し出資・投資する、ということがおおむね行われており、デット・ファイナンスが有効に機能しているが、日本の金融機関は、事業の将来性で判断するのではなく、いざという時に自己資本で借金を返済でき、「金融機関の担当者が責任を問われる事態に追い込まれないか?金融機関担当者個人が身をまもれるか?上長から責められないか?」という観点で判断しがちで、日本の会社や個人のうち自己資本で資金調達できないもの、つまり本当に他人資本による資金調達の必要性がある人や組織には金を貸さない、という傾向が強いので、(米国はともかくとして)『日本では「デット・ファイナンス」がほとんど機能していない』ということは教科書などでも解説されている。『日本の金融機関は金融機関の役割を果たしていない』と厳しい指摘がされることもある。)

クラウドファンディング

従来は(古い教科書などに書かれているものは)、上述のものばかりで、古い教科書などにはそれらしか書かれていないが、近年ではクラウドファンディングによる資金調達が非常に活発化しており、金融機関などに一切頼らない方法が伸びてきている。外部から資金調達する側がいれば当然、外部に資金提供をする側もいるわけであり、「資金提供」にあたる英語が「funding(ファンディング)」であり、資金調達する側から見れば、たとえひとりひとりやひとつの組織が提供してくれる金額は小額でも、それが多人数(多数)集まれば相当な金額になりうる、ということを活用したものである。クラウドファンディングには「寄付型クラウドファンディング」「購入型クラウドファンディング」「融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)」「ファンド投資型クラウドファンディング」などがあり、どのタイプかによって、会計的には位置づけが異なる。例えば「寄付型クラウドファンディング」は、あくまで寄付であって借金ではなく、返済の必要も無いが、たとえば製品や作品が完成した後に寄付してくれた人に完成品をひとつ(一台、一個)渡す、としていたり「完成時に視聴券を渡す」などととしていると、一種の「販売」と見なされ「売上(金)」として処理される。だが寄付型クラウドファンディングの中でも、特に純粋に寄付をするもの(事業の目的や「こころざし」に共感する人々が、その事業を純粋に応援するために、一切の見返りなしで、ただ純粋にお金を提供するもの)については、純粋に贈与であり、資金調達する側にとっては有難く、非常に助かる資金調達方法である。なお税法上の扱いは、国ごとに異なるが、日本の税法上は「個人が法人から」受ける場合は「一時所得」扱いとなり、「法人が法人から」「法人が個人から」「個人が個人から」寄付される場合は、いずれも「贈与」とみなされる。

上述のように(米国はともかくとして)日本ではデット・ファイナンスが半ば機能不全に陥ってしまっていて、良いアイディアを持つ人の事業案(製品案)や、良い志(こころざし)を持つ人の事業案が日の目を見ることもなく(金融機関担当者によって)葬り去られてしまう傾向があったので、それだけに、クラウドファンディングの効能は高く評価されている。

また『資金調達 完璧マニュアル』では、中小企業でも活用できる新しい調達手法としては以下の方法もある、としている[1]

対比概念

ところで資金調達と対比される概念として、資金運用(投資: investment)がある。キャッシュ・フロー上は、資金調達(: cashflow from financing activities)がキャッシュ・インフローであるのに対し、投資はキャッシュ・アウトフローに分類され、対比される概念、逆方向の概念である。

脚注編集

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  1. ^ a b c d e f g h i 丸山武志、山田英司 著『資金調達 完璧マニュアル』すばる舎リンケージ 2008

関連項目編集