遠賀川駅
遠賀川駅(おんががわえき)は、福岡県遠賀郡遠賀町遠賀川一丁目にある、九州旅客鉄道(JR九州)鹿児島本線の駅である。駅番号はJA17。
遠賀川駅 | |
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新駅舎(2021年7月) | |
おんががわ Ongagawa | |
◄JA18 水巻 (2.1 km) (5.1 km) 海老津 JA16► | |
所在地 | 福岡県遠賀郡遠賀町遠賀川一丁目1-1 |
駅番号 | JA 17 |
所属事業者 | 九州旅客鉄道(JR九州) |
所属路線 | 鹿児島本線 |
キロ程 | 34.3 km(門司港起点) |
電報略号 | オン |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面3線 |
乗車人員 -統計年度- |
2,020人/日(降車客含まず) -2021年- |
開業年月日 | 1890年(明治23年)11月15日[1] |
備考 |
直営駅 みどりの窓口 有 |
遠賀川駅 | |
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おんががわ Ongagawa | |
所属事業者 | 日本国有鉄道(国鉄) |
乗入路線 | |
所属路線 | 室木線 |
キロ程 | 0.0 km(遠賀川起点) |
(3.8 km) 古月► | |
所属路線 | 芦屋線 |
キロ程 | 0.0 km(遠賀川起点) |
(6.2 km) 筑前芦屋► | |
備考 |
室木線は1985年(昭和60年)4月1日[2]、 芦屋線は1961年(昭和36年)6月1日廃止[3] |
遠賀町唯一の駅であるだけでなく、鉄道路線の無い隣の芦屋町のうち町役場を含む遠賀川西岸地域の最寄駅でもある。また、遠賀町と南部で隣接する鞍手町北部の住民の利用客も見られる。
歴史
編集年表
編集- 1890年(明治23年)11月15日:遠賀郡島門村大字広渡一二二四番地に九州鉄道が開設[4][1]。
- 1907年(明治40年)7月1日:九州鉄道が国有化され帝国鉄道庁所管[1]。
- 1908年(明治41年)7月1日:遠賀川河川改修により現地点に駅移転し[1]、室木線遠賀川 - 室木駅間開通[2]。
- 1929年(昭和4年)4月1日:駅所在地の島門村が浅木村と合併し遠賀村となる。
- 1947年(昭和22年)
- 1961年(昭和36年)6月1日:芦屋線全線廃止[3]。
- 1974年(昭和49年)7月10日:貨物取扱廃止[1]。
- 1984年(昭和59年)3月14日:荷物扱い廃止[1]。
- 1985年(昭和60年)4月1日:室木線全線廃止[2]。
- 1987年(昭和62年)
- 2000年(平成12年)7月13日:自動改札機を設置し、供用開始[8]。
- 2009年(平成21年)3月1日:ICカード「SUGOCA」の利用を開始[9]。
- 時期不明 - 遠賀川レール技術センター廃止[10]。
- 時期不明 - 遠賀川施設実習センター開設[10]。
- 2015年(平成27年)4月1日:南北自由通路が開通。同時に駅南側の駅前広場と、南側駅前広場から県道に至る道路供用開始。
- 2017年(平成29年)
- 2021年(令和3年)7月31日:新駅舎の供用開始[15][16]。
- 2023年(令和5年)10月1日:駅体制の見直しに伴い、これまでJR九州サービスサポートによる駅業務受託となっていた業務委託駅から[17]、九州旅客鉄道本体による直営駅へと変更される[18]。
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臨時駅舎時代の遠賀川駅の券売機
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臨時駅舎時代の構内の様子
駅名の由来
編集開業時は遠賀郡島門村と浅木村の境目に駅が設けられ、それぞれが遠賀川の流域に築かれた村であったことから「遠賀川駅」と命名された。
「遠賀川」の「遠賀」は「岡」を示し、「日本書紀」や「万葉集」では「遠賀・岡(おか)の水門(芦屋湾に注がれる川)」としての記述があり、この「遠賀(おか)」が「おんが」と読まれ、今日の「遠賀川(おんががわ)」になったという。
しかし、この「遠賀川」は古い文献では「直方川」や「嘉麻川」と読まれていて「遠賀川」の記載は一切無いため、いつから「遠賀川」と読まれるようになったかは一切不明で、その名が定着したのは明治時代に遠賀郡が発足してからといわれる。
駅構造
編集単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線に、ホームのない待避線2線を合わせた計2面5線の設備を有する橋上駅舎を有する地上駅。のりばは単式ホームの1番、島式ホームの2番、3番からなる。2番線は下り貨物列車待避用、5番線は下り着発線・レールセンターの出入り用で、5番線とその外側には廃止されたレールセンターのヤードが広がる。互いのホームは跨線橋で連絡している。また、駅の外側には実物大のトンネルや駅ホームを備えた実習線が設置されている。なお2021年7月31日に新駅舎が開業する迄は、北側の単式ホームに面した駅舎を使用していた。
直営駅であるが、上述の通り、2023年9月まではJR九州サービスサポートが管理する業務委託駅であった。自動改札機およびみどりの窓口が設置されている。駅舎内(改札外)にキヨスクが設置されていたが、2009年に廃止、撤去された。
前述の火災により、1964年に建設された約400平方メートルの駅舎は焼失した[14]。以降、駅舎西側(博多駅)側に設置された仮駅舎・仮改札口(自動改札機はないがSUGOCA等については無人駅仕様のものを設置し対応)での営業をしていたが[19]、2017年12月9日から軽量鉄骨造(プレハブ)の約66平方メートルの臨時駅舎が開設され、新駅舎開業前の2021年7月30日まで使用されていた[注釈 1]。
かつては駅舎と反対側の駅南側から駅に出入りすることは不可能であったが、旧駅舎焼失前の2015年4月1日に駅北側と南側を結ぶ自由通路を開設し、駅南側の自由通路前にロータリーや道路を設け、駅南側からの出入りも可能になった。その後、現行の橋上駅舎建設に伴い、新駅舎と自由通路が接続され、自由通路から直接入場できるようになった。
のりば
編集のりば | 路線 | 方向 | 行先 |
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1 | 鹿児島本線 | 上り | 小倉・下関方面 |
2・3 | 下り | 赤間・博多方面 |
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2015年4月1日に新設された南口
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駅構内(現駅舎完成前に2番のりばより1番のりば博多方面)
遠賀川レール技術センター(廃止)
編集5番線の外側には、JR九州の子会社である「九鉄工業」が運営していた「九鉄工業・遠賀川レール技術センター」があり[20]、黒崎駅から送られてきたレールをロングレールに改造する工事などを実施していた。当センターには「遠賀川駅常備」表記のチキ5500形16両(小倉総合車両センター所属)が留置されていた[21]ほか、レール吊り上げのクレーンも設置されていた。
その後、レールセンターは廃止され、その跡地を利用してJR九州と九鉄工業の合同研修施設「遠賀川施設実習センター」を設置した[10]。ここでは中堅社員やグループ企業の土木・施設関係職員の検査・作業技術の向上を目的に、実物大のトンネルや駅ホームを備えている。また、センター建物では、施設関係の事故などの展示を行っているという[10]。
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遠賀川レール技術センターに停車中のチキ5500形
利用状況
編集2020年(令和2年)度の1日平均乗車人員は1,896人である[22]。
JR九州によると、近年の1日平均乗車人員の推移は下記の通り。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
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2016年(平成28年) | 2,647 |
2017年(平成29年) | 2,588 |
2018年(平成30年) | 2,557 |
2019年(令和元年) | 2,522 |
2020年(令和 | 2年)1,896 |
駅周辺
編集- ファミリーマートJR遠賀川駅店(北口1階)
- おんがみらいテラス
- 福岡県折尾警察署遠賀川交番
- 屋内駐輪場
- 駅東駐輪場
- 駅西駐輪場
- 駅南駐輪場
- 町営遠賀川駅東駐車場
- 遠賀町営駅南第2駐車場
- JQパークス遠賀川駅前(駐車場)
- 遠賀町起業支援施設PIPIT
- 遠賀信用金庫 遠賀支店
- 福岡県道27号直方芦屋線
- 福岡県道55号宮田遠賀線(旧室木線廃線跡をバイパスに転用)
- 福岡県道285号浜口遠賀線
- 福岡県道286号黒山広渡線
- 福岡県道299号岡垣遠賀線(旧国道3号)
- 遠賀川駅前商店街
- やすらぎ遠賀駅前斎場
- 遠賀川郵便局
- 西川
- 遠賀町役場
- JA北九 遠賀支店
- JA北九 やさい畑 遠賀支店(農産物直販所)
- おんが自動車学校(遠賀町コミュニティバス運行事業者)
- 国道3号(駅前交差点から高架橋が見えるが、実際にアクセス可能な最寄交差点までは車で約3分)
- 遠賀郡消防本部
- 遠賀川、遠賀川漕艇場
- 遠賀町立図書館
- 福岡ひびき信用金庫おんが支店
- ゆめタウン遠賀
- 遠賀町立広渡小学校
- 遠賀総合運動公園[20]
- 遠賀町立遠賀中学校
- 島津・丸山歴史自然公園(丸山古墳)
- 芦屋競艇場
- 遠賀川温泉
- 福岡県立遠賀高等学校
- 航空自衛隊芦屋基地
- 芦屋町役場
- 芦屋海水浴場、海浜公園、レジャープールアクアシアン
バス路線
編集駅前のバス停(遠賀川駅前バス停)に鞍手町・直方市へ向かう西鉄バス(西鉄バス筑豊)、芦屋町へ向かう芦屋タウンバス、町内各地へ向かうおんがコミュニティバスが発着する。このほか、芦屋競艇場サンライズレース開催日に、競艇場発着の無料バス(折尾駅発着の経由便)および無料タクシーが運行されている[23]。
隣の駅
編集かつて存在した路線
編集- 日本国有鉄道
- 室木線
- 遠賀川駅 - 古月駅
- 芦屋線
- 遠賀川駅 - 筑前芦屋駅
脚注
編集注釈
編集- ^ 本稿では混乱防止のため、非公式ながら2017年の駅舎火災の直後に応急的に設置された駅舎を「仮駅舎」、同年12月9日から2021年7月31日まで使用された駅舎を「臨時駅舎」、現行の橋上駅舎を「新駅舎」と呼称する。
出典
編集- ^ a b c d e f g 停車場変遷大事典、676頁
- ^ a b c 停車場変遷大事典、693頁
- ^ a b c 停車場変遷大事典、694頁
- ^ “遠賀町誌 第六編 開けゆく郷土 第五章 新しい町”. 遠賀町 (2024年4月15日). 2024年6月25日閲覧。
- ^ “町のあゆみ”. 遠賀町. 2015年6月9日閲覧。
- ^ 「門司鉄道局渉外情報短信抜粋」(中村光司『知られざる連合軍専用客車の全貌』JTBパブリッシング、2015年4月、234-236頁所収)昭和22年12月16日付け記事。
- ^ 『鉄道ジャーナル』第21巻第7号、鉄道ジャーナル社、1987年6月、105頁。
- ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '01年版』ジェー・アール・アール、2001年7月1日、190頁。ISBN 4-88283-122-8。
- ^ 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (2009年3月3日)
- ^ a b c d "実習設備の活用(安全報告書2017 P13 4-1『安全を支える人材の育成』)" (PDF). 九州旅客鉄道. 2017. 2018年6月15日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2021年9月26日閲覧。
- ^ 遠賀川駅で火災、1時間運転見合わせ 毎日新聞、2017年8月30日[リンク切れ]
- ^ 「JR遠賀川駅で朝火事 約1時間ストップ 2.5万人に影響」『毎日新聞』毎日新聞社、2017年8月30日、西部夕刊、7面。
- ^ a b “JR遠賀川駅の駅舎が全焼”. 福岡 NEWS WEB. NHK (2017年8月30日). 2017年9月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月19日閲覧。
- ^ a b “新遠賀川駅舎9日供用へ「どう見ても仮設」の声も”. 西日本新聞 (西日本新聞社). (2017年12月4日). オリジナルの2017年12月3日時点におけるアーカイブ。 2017年12月4日閲覧。
- ^ “火災で焼失のJR遠賀川駅 建て替えの新駅舎が完成”. 北九州 NEWS WEB. NHK (2021年7月26日). 2021年7月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月26日閲覧。
- ^ “駅北周辺整備事業『駅前が変わる、町が進化する』”. 遠賀町. 2021年1月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月1日閲覧。
- ^ “北九州事業所”. JR九州サービスサポート. 2021年12月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月25日閲覧。
- ^ “鉄道駅業務”. JR九州サービスサポート. 2023年10月2日閲覧。
- ^ お知らせ - 九州旅客鉄道(2017年8月30日) (PDF)
- ^ a b 『週刊 JR全駅・全車両基地』 08号 博多駅・伊万里駅・西戸崎駅ほか81駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2012年9月30日、19頁。
- ^ 交友社『鉄道ファン』2017年7月号 「JR旅客会社の車両配置表」
- ^ “駅別乗車人員上位300駅(2020年度)” (PDF). 九州旅客鉄道. 2021年9月2日閲覧。
- ^ “アクセス”. ボートレース芦屋. 2022年6月19日閲覧。
参考文献
編集- 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日。ISBN 978-4-533-02980-6。
関連項目
編集外部リンク
編集- 遠賀川駅(駅情報) - 九州旅客鉄道