邦字新聞(ほうじしんぶん)、もしくは邦字紙(ほうじし)は、広義では日本語新聞を意味するが、通常は "日本以外の世界各国で発刊されている日本語新聞" を指す言葉である。

日系人高齢化に伴う日本語人口の先細りなどにより、海外で発行されている邦字紙は減少傾向にある[1]

概要 編集

海外初の邦字新聞は、1886年サンフランシスコの「しののめ」とされる[2]1887年には、同じくサンフランシスコで「新日本」が刊行された[3]。同紙の日本での発売は、1888年の出版条例(17条)により禁止された[4]

組合としては海外日系新聞協会があり、世界の邦字紙26社が加盟し、海外日系新聞協会賞及を運営している。海外日系新聞等(日本国以外の諸国にある日本語等による新聞その他の刊行物、放送、通信等をいう)の事業を行うものの健全な発展を通じて、国際理解の促進を図り、あわせて会員相互の親睦と共通の利益を守るのが目的。

アジア 編集

オセアニア 編集

北米 編集

アメリカ 編集

カナダ 編集

  • 大陸日報1907年創刊、1941年頃休刊。
  • ニューカナディアン1938年創刊、2001年廃刊。バンクーバーのちトロント
  • バンクーバー新報1978年創刊、2020年4月30日付で廃刊。現在はWEBサイトにて情報提供をしている。バンクーバー
  • 日加タイムス:1979年10月創刊、2008年12月で廃刊。後にオンラインの「e-Nikka」として運営されるも終了。トロント
  • カナダジャーナル1981年創刊、2005年12月で廃刊。現在は旅行・留学手続代行会社となる。バンクーバー
  • アドバルーン:1985年創刊、2003年廃刊。毎月1、15日発行であった。バンクーバー
  • Oops! Japanese Magazine1998年8月創刊。月刊。2020年5月から7月号までは新型コロナウイルスの影響のため休刊。バンクーバー。カナダで現存する唯一の邦字紙。前述のバンクーバー新報廃刊後は、同紙を継承した形で日系文化センターなどの日系人関連団体や、日本総領事館からのお知らせを掲載するようになった。
  • Bits:2002年創刊、2018年6月で廃刊。トロント。本紙の廃刊で同地から邦字紙が消滅する。

中南米 編集

ブラジル 編集

  • ブラジル日報:ブラジルの非営利団体「ブラジル日報協会」が発刊する邦字紙。2022年1月創刊。火~土曜日週5日刊行。姉妹紙にポルトガル語新聞「Jornal Nippon Já」がある。
  • ニッポ・ブラジル新聞1992年創刊、サンパウロ市ビラマリアーナ区、ブラジルの歴史、ブラジル日本移民史など ※同紙はポルトガル語新聞。ただし、一部紙面が日本語面となっている。
    • Journal International Press(International Press Co.(IPC))と提携、IPCTV(テレビ)を開設。
休刊・廃刊

パラグアイ 編集

アルゼンチン 編集

ペルー 編集

  • ペルー新報 - リマ1950年創刊、日刊(週6回発行)、大判、通常8ページ(2ページ、日本語)[2]

ヨーロッパ 編集

フランス 編集

脚注 編集

  1. ^ 米ハワイで唯一の邦字紙廃刊へ 12月7日、コロナ禍打撃”. 産経新聞 (2023年11月7日). 2024年3月12日閲覧。
  2. ^ 桑港の邦字新聞『新聞集成明治編年史. 第六卷』 (林泉社, 1940)
  3. ^ 桑港邦字新聞「新日本」『新聞集成明治編年史. 第六卷』 (林泉社, 1940)
  4. ^ 桑港の「新日本」『新聞集成明治編年史. 第七卷』 (林泉社, 1940)
  5. ^ 「まにら新聞」印刷廃止 フィリピン邦字紙、部数減で”. 時事通信 (2021年12月21日). 2021年12月22日閲覧。
  6. ^ “■社告■=本紙年内廃刊のお知らせ=ニッケイ新聞社長 高木ラウル”. ニッケイ新聞. (2021年11月18日). https://www.nikkeyshimbun.jp/2021/211118-21colonia.html 2021年12月26日閲覧。 
  7. ^ “■記者の目■さようなら、ニッケイ新聞!=日本語文化圏があるところに邦字紙”. ニッケイ新聞. (2021年12月18日). https://www.nikkeyshimbun.jp/2021/211218-22colonia.html 2021年12月26日閲覧。 

関連項目 編集

外部リンク 編集