酢豚(すぶた)とは、下味をつけた角切り豚肉を用い、衣をつけて油で揚げ、甘酢あんをからませた[1]中華料理である。広東料理店が多い欧米でも人気が高い料理である。長崎では排骨(スーパイコ)とも呼ばれる(九州他県の一部の中華料理店でもスーパイコと表記されていることもある)。

酢豚
Sweet-and-sour pork.jpg
酢豚
フルコース メインディッシュ
発祥地 中国
地域 広東
提供時温度 熱料理
主な材料 豚肉
片栗粉
パイナップル
ピーマン
玉ねぎなど
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酢豚
繁体字
簡体字
別名
中国語

日本の中華料理店では「酢豚」は一般的なメニューとなっている事が多く、一般家庭で作る事もあり、レトルトパックや調味料パックの他に弁当屋のメニューとなっている事も多い。欧米では、酢よりトマトケチャップの方が好まれるため、トマトケチャップあんで提供されることが多い。

名称編集

酢豚は日本で付けられた名称。中国語では、古老肉(咕咾肉)、糖醋肉などと呼ばれる[2]

調理法編集

調理法は、豚肉唐揚げ素揚げした野菜を、片栗粉をスープで溶いたものに砂糖醤油を入れて加熱して作った甘酢あんの中に入れて絡める。野菜は、玉ねぎピーマンニンジンが中心で、シイタケじゃがいもきくらげなどを入れることもある。

甘味酸味をもたらす具としてパイナップルサンザシリンゴサクランボなどの果実も加えられることがある。パイナップルはの時代に、まだ高級な食材だったことを踏まえ欧米人の居留地にあるレストランなどで使用され始めたものである。豚肉とパイナップルの組み合わせはポークソテーのつけ合わせなどにもみられ、甘酸っぱい食味の効果もあるが、果実に含まれるタンパク質分解酵素ブロメラインが肉を軟らかくするという目的があるとされる[3]。ただし、加熱しすぎると分解酵素の働きが弱くなってしまうため、じっくり炒めてしまうと効果は期待できない[3]。また、缶詰のパイナップルも加熱処理されているため生のパイナップルのような効果はない[3]

現在では、古老肉は具に野菜や果物を含めた彩りよくフルーティーな味(ケチャップを使用する場合が多い)のもの[要出典]、糖醋肉は、豚肉のみ、もしくは他の具は少なめで砂糖醤油を使う比較的シンプルなものを指す場合が多い[要出典]。そのため、咕老肉は脂身の多い肉を使うのに対し、糖醋肉は赤身の肉を使う場合が多い[要出典]

黒酢豚編集

 
糖醋排骨

近年は香醋(黒酢)を使用した酢豚が日本にも紹介され、提供する店が増えている。 これは「北京風」と呼ばれることが多いが、北京発祥の料理というわけではなく、また北京では必ずしも酢豚に香醋が使われるというわけでもない。 黒酢を用いるレシピは、野菜と共に炒め合わせる咕咾肉ではなく、豚肉のみを具材とする糖醋肉塊や糖醋排骨の形を取るのが一般的である。

酢鶏編集

豚肉の唐揚げの代わりにの唐揚げを用いた「酢鶏(すどり)」という料理も、日本各地の食堂などで作られている。

スウィート・アンド・サワー・ポーク編集

 
Sweet and Sour Pork

英語圏では、酢豚をスウィート・アンド・サワー・ポーク(Sweet and Sour Pork)と呼ぶ。肉以外の具を使わず、着色料で赤くしたものを指す場合も多い。アメリカ合衆国カナダなどでは、既製品のスウィート・アンド・サワー・ソース(Sweet and Sour Sauce)が市販されており、単に素揚げした豚肉にこれをかけて供するというスタイルもよく見られる。

タンスユク編集

大韓民国(韓国)では、タンスユク탕수육・糖醋肉)と呼ぶ。チャジャンミョンチャンポンと並び、韓国の中華料理の主要メニューで、甘めの味付けで、かつ甘酢餡は別添えとなっている。日本でも韓国系中華料理店で提供されている。韓国ドラマ韓国映画では単に酢豚と訳されることが多い。


脚注編集

  1. ^ 広辞苑 第六版【酢豚】
  2. ^ Weblio辞書
  3. ^ a b c パイナップル”. 丸果石川中央青果. 2019年10月19日閲覧。

関連項目編集