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酸化亜鉛(さんかあえん、Zinc oxide)は化学式 ZnO で表される亜鉛酸化物である。亜鉛華とも呼ばれる。

酸化亜鉛
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識別情報
CAS登録番号 1314-13-2 チェック
EC番号 215-222-5
KEGG D01170
RTECS番号 ZH4810000
特性
化学式 ZnO
モル質量 81.41 g/mol
外観 白色固体
密度 5.606 g/cm3
融点

1975 ℃ (分解)

への溶解度 1.6 mg/L (28 ℃)
構造
結晶構造 ウルツ鉱型構造
空間群 C6v4-P63mc
格子定数 (a, b, c) a = 3.25 Å, c = 5.2 Å
配位構造 四面体
熱化学
標準生成熱 ΔfHo -348.0 kJ/mol
標準モルエントロピー So 43.9 J K-1 mol-1
危険性
安全データシート(外部リンク) ICSC 0208
EU分類 環境への危険性 (N)
EU Index 030-013-00-7
Rフレーズ R50/53
Sフレーズ S60, S61
関連する物質
その他の陰イオン 硫化亜鉛
セレン化亜鉛
テルル化亜鉛
その他の陽イオン 酸化カドミウム
酸化水銀(II)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

目次

概要編集

軽い白色の粉末で、高純度のものは透明。水に不溶。約 300 ℃に熱すると黄色になるが冷やすと元へ戻る。粒子が細かく、鉛白より被覆力は劣るが毒性がなく、硫化水素で黒変しないことから白色顔料として重要である。その他亜鉛華軟膏・亜鉛華澱粉などの医薬品あるいは化粧品などの原料となる。

収れん作用を持つ酸化亜鉛は、止血鎮痛防腐などの効果があり、化粧品医薬品として用いられる。

また、透明で導電性を持つことから液晶ディスプレイなどに使われる透明電極の材料や、半導体酸化物半導体)でもあるため2004年に東北大学金属材料研究所のグループによって青色発光ダイオードの開発が発表されて以降[1]、発光デバイスなどへの応用も期待されていたが、耐酸性が極めて弱くリソグラフィーなどでの取り扱いが難しい。ZnOのバンドギャップは窒化ガリウム(GaN)と同じ程度の約 3.37 eVで励起子の束縛エネルギーが他の半導体(GaN 28meV, ZnSe 19meV)と比べて、非常に大きい(60meV)ことが特徴で薄膜は圧電性を示す[2]。半導体素子にはP型ZnOが必要不可欠だが、ZnOは酸素空孔や格子間位置亜鉛などの欠陥が電子を生成し易くN型半導体になりやすいため、従来はP型半導体を製造することが困難だったが、P型半導体の製造技術が開発され、発光ダイオードや紫外光半導体レーザーなどの用途への期待が高まりつつある[3][4][5][6]

天然には紅亜鉛鉱英語版として産出するが、アメリカ合衆国の2つの鉱山からしか産出しない希少鉱物である。また、ポーランドの亜鉛工場の煙突に析出した結晶が販売されている[7]

製造編集

工業的には金属亜鉛を熱して気化させ、空気で燃焼させるか、硫酸亜鉛または硝酸亜鉛熱分解で作る。

酸化亜鉛の2016年度日本国内生産量は 56,729 t である[8]

結晶編集

2014年6月5日、大阪大学の芦田昌明らのチームが、酸化亜鉛を用いて世界最小の1,000分の1ミリの球形結晶の製造に成功したと発表した[9]

用途編集

脚注編集

参考文献編集

  • A. Tsukazaki, A. Ohtomo, T. Onuma, M. Ohtani, T. Makino, M. Sumiya, K. Ohtani, S. F. Chichibu, S. Fuke, Y. Segawa, H. Ohno, H. Koinuma, and M. Kawasaki, Nature Materials "Repeated temperature modulation epitaxy for p-type doping and light-emitting diode based on ZnO." Nature materials 4.1 (2005): 42-46.
  • 塚崎敦, 大友明, 川崎雅司. "新技術・新材料 酸化亜鉛発光ダイオード--結晶品質の向上がもたらした古い材料の新たな応用." セラミックス 40.9 (2005): 749-751.
  • TSUKAZAKI, Atsushi, et al. "ZnO をベースとした青色発光ダイオード." Jpn J Appl Phys Part 2 44.20-23 (2005): 643-645.
  • 塚崎敦, 大友明, 川崎雅司. "ZnO 青色発光ダイオード." 應用物理 74.10 (2005): 1359-1364.
  • 大友明, 塚崎敦, 川崎雅司. "21 世紀を照らす光--酸化亜鉛発光ダイオード (2005 年のニュース総まとめ 特集: 物理科学, この 1 年)--(凝縮系の物理)." パリティ 21.1 (2006): 24-26.
  • K. Nakahara, S. Akasaka, H. Yuji, K. Tamura, T. Fujii, Y. Nishimoto, D. Takamizu, A. Sasaki, T. Tanabe, H. Takasu, H. Amaike, T. Onuma, S. F. Chichibu, A. Tsukazaki, A. Ohtomo, and M. Kawasaki, "Nitrogen doped Mg x Zn 1− x O/ZnO single heterostructure ultraviolet light-emitting diodes on ZnO substrates." Applied Physics Letters 97.1 (2010): 013501.

関連項目編集

外部リンク編集