重合禁止剤(じゅうごうきんしざい、: polymerization inhibitor)は、の影響によって重合反応を起こしやすい物質に添加して、それを阻害する試薬である[1]。単に禁止剤とも呼ばれる。市販されているモノマーには重合禁止剤が添加してあるので、重合反応を行うときは蒸留、洗浄などして取り除く必要がある。

よく使われる重合禁止剤の一つにヒドロキノン誘導体がある。ヒドロキノンはモノマーに発生したラジカルによってフェノール性水素を引き抜かれて安定ラジカルを形成し、ベンゾキノンを生成する。また、生成したベンゾキノンも禁止剤として作用する[1]。ただし各禁止材の重合阻害の活性は、対象のモノマーによって大きく異なる[1]

主な重合禁止剤 編集

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ a b c 大津隆行「重合防止剤の機能について」『有機合成化学協会誌』第33巻第8号、有機合成化学協会、1975年、634-640頁、doi:10.5059/yukigoseikyokaishi.33.634 
  2. ^ 重合禁止剤東京化成工業