野球チェコ共和国代表(やきゅうチェコきょうわこくだいひょう)は、チェコ共和国における野球のナショナルチームである。WBSCヨーロッパに加盟しているチェコ野球協会によって運営されている。WBSC世界ランキングは15位(2022年12月31日発表時点)。

野球チェコ代表
国または地域  チェコ
協会 チェコ野球協会
監督 Pavel Chadim
WBSCランキング 15位 (2022年12月31日)
オリンピック
出場回数 0回
ワールド・ベースボール・クラシック (WBC)
出場回数 1回 (初出場は2023年)
WBSCプレミア12
出場回数 0回
欧州野球選手権
出場回数 12回 (初出場は1997年)
最高成績 4位 (2014年)
  

歴史編集

チェコに野球が伝えられたのは1920年のことである。伝道師となったのはプラハ在住のアメリカ人ジョー・ファーストで、彼はプルゼニの街で地元に人々に野球・バスケットボールアーチェリーなどの入門コースを提供した。同年には、プラハとプルゼニのYMCA支部によってエキシビションゲームが開催された。1930年代になると、硬式野球ではなくソフトボールと野球の合体したような本格的ではない競技が行われるようになり、一定の人気を保っていた。しかし、第二次世界大戦が始まるとすっかり姿を消してしまった[1]

1947年にはジョーの息子であるヤロスラフ・ファーストが野球のルールをチェコ語に翻訳し、翌年にはYMCAのキャンプで野球が再開された[2]1963年にチェコスロバキア野球・ソフトボール連盟が設立され、1964年にプラハの学生チーム「Vojenske stavby」がソフトボールから野球に転向したことで、硬式野球は本格的に復活を果たした。2年後には代表チームがベルギーオランダイタリアポーランドへ遠征を開始したが、プラハに留学中のキューバ人大学生からルールを習っただけで本格的な指導を受けた経験がなかったため、他の欧州諸国との実力差は歴然としていた[1]

チェコで野球の本格的な指導が行われるようになったのは、ベルギー・オランダ・スウェーデンで指導経験のあったウィリアム・アルセ英語版をコーチとして招聘した1969年夏のことであった。当時のプラハには5つの野球チームがあり約180人の選手がいたものの、球場は古く用具は不足していた[1]。アルセが持ち込んだ32本のバット、6つの打撃用ヘルメット、2.5ダースのボールによって、プラハでの練習環境は従来よりも大きく発展することになった。

1968年ワルシャワ条約機構による侵攻英語版以降、アメリカ発祥のスポーツが国内でプレーされることを好まない政治的な圧力によって野球は困難な状況を迎えるが、代表チームの活動は続けられた。1979年にはオランダで8試合を実施し、翌1980年にはオランダの3チームがプラハに招かれた。1987年にはジョージアトビリシソビエト連邦代表チームと4試合を戦い、3試合で勝利を収めた[1]

1989年にはチェコスロバキア野球ソフトボール連盟が欧州野球連盟(CEBA)の正会員となり、1992年には当時の国際野球連盟(IBAF)が野球新興国の代表チームに国際的なレベルでの試合の機会を与えるために設けたメリットカップに出場した。結果は、参加した7か国中ニュージーランドのみを上回る6位であった。1993年にチェコとスロバキア分離すると、チェコ側の統括組織はチェコ野球協会となった。その時点でチェコスロバキア代表チームは1人を除いてチェコ側の選手で構成されていたため、スロバキアとの分離後も代表チームの戦力は概ね維持された[1]

1996年、チェコ代表は欧州選手権の予選に出場して2位となり、翌年の本大会への初出場を果たした(結果は7位)。その後、代表チームは着実に力をつけ、2004年アテネオリンピックへの出場を賭けた欧州予選ではオランダイタリアの上位2か国が出場権を獲得したが、チェコ代表は3位に入り、あと一歩で出場権を獲得するところまで辿り着いた。2005年には直前に出場を辞退したギリシャの代替で第36回IBAFワールドカップに出場し、予選リーグB組で8戦全敗だったものの、同組2位のニカラグアとは0-1の接戦を演じ、アメリカにも3-7と食らいつくなど、エース級の投手が登板する試合では予想以上の健闘を見せた[3]。以後も国際大会へ積極的に参加を続け、2007年8月には中国北京で行われた北京オリンピック・プレ大会で日本と対戦。チェコで生まれ育った選手として初めてメジャーリーグの球団と契約しカンザスシティ・ロイヤルズ傘下でのプレー経験のあるパベル・ブドスキー大場翔太から先制2ランを放つなど互角の戦いを見せたが、2-3で惜敗した。

欧州選手権でも、表彰台の常連であるオランダ・イタリア・スペインの後塵を拝してはいるものの、2012年は5位、2014年は4位、2016年2019年2021年は3大会連続で5位となっている。代表チームの監督を務めた経験のあるリチャード・カニアは、キュラソー出身選手が参加するオランダ代表、イタリア系アメリカ人選手が参加するイタリア代表、中南米からの移民選手が参加するスペイン代表などとは異なりチェコ代表は二重国籍を有する選手が少ないため、欧州での上位進出には不利な面があることを指摘している[1]

ワールド・ベースボール・クラシックへの出場を目指し、2013年大会から導入された予選に参加している。ドイツレーゲンスブルクで開催された2013年大会の予選2組ではイギリスドイツに連敗し本戦出場を逃した。2017年大会の予選ではメキシコメヒカリで開催された2組に振り分けられ、1回戦でメキシコに敗れた後、敗者復活1回戦ではドイツに勝利したものの敗者復活2回戦でニカラグアに敗れ、またも出場は叶わなかった。2022年9月にドイツ・レーゲンスブルクで開催された2023年大会の予選A組では初戦のスペイン戦で7-21と大敗したものの、敗者復活戦でフランス・ドイツに連勝し、勝てば本戦出場が決定する敗者復活決勝戦で再戦したスペインを3-1で破って念願の本戦初出場を決めた。同年10月18日、予選通過国の組分けが発表され、日本韓国オーストラリア中国と同組となるB組(東京ラウンド)への参加が決定した。

また、2021年12月31日に発表されたWBSC世界ランキングでは、欧州ではオランダ(8位)に次ぎイタリア(17位)を上回る過去最高タイの14位につけた[4]。チェコ野球協会のペトル・ディトリッチ会長はWBSCの取材に対し、世界ランキング12位以内のチームが参加資格を得るWBSCプレミア12への出場が最終的な目標であると語っている[2]

主な成績編集

トップチーム編集

ワールド・ベースボール・クラシック編集

開催地 順位
1 2006     不参加
2 2009       不参加
3 2013      予選敗退
4 2017      予選敗退
5 2023     参加予定

オリンピック編集

開催地 順位
26 1992   バルセロナ 予選敗退
27 1996   アトランタ 予選敗退
28 2000   シドニー 予選敗退
29 2004   アテネ 予選敗退
30 2008   北京 予選敗退
33 2021   東京 予選敗退

WBSCプレミア12編集

開催地 順位
1 2015    不参加(世界ランキング20位のため)
2 2019      不参加(世界ランキング18位のため)

欧州選手権編集

イタリアンベースボールウィーク編集

世代別代表編集

U-23ワールドカップ編集

開催地 順位
1 2016   モンテレイ 10位
2 2018   バランキージャモンテリア 12位
3 2021   エルモシージョシウダードオブレゴン 12位
4 2022   台北 不参加

U-23欧州選手権編集

開催地 順位
1 2017   ブルノ 2位
2 2019   プラハ 1位
3 2021   ヴェローナ 5位

U-18欧州選手権編集

  • 2018年 - 3位
  • 2021年 - 6位

U-15欧州選手権編集

  • 2019年 - 4位
  • 2021年 - 1位

U-12ワールドカップ編集

  • 2019年 - 8位

U-12欧州選手権編集

  • 2018年 - 2位
  • 2021年 - 2位

世界ランキング編集

WBSCが発表している男子野球世界ランキングにおいて、チェコの順位は以下の通りである[4]

発表日 順位 変動 ポイント
1 2012年12月31日 25   48.2
2 2014年12月31日 20  5 68.9
3 2016年12月31日 14  6 1362
4 2018年9月25日 18  4 865
5 2018年12月17日 18   925
6 2019年12月31日 16  2 1268
7 2020年3月18日 16   1268
8 2021年6月28日 16   812
9 2021年8月11日 16   776
10 2021年12月31日 14  2 1091
11 2022年12月31日 15  1 1309

代表選手編集

脚注編集

  1. ^ a b c d e f Chetwynd, Josh (2019). Baseball in Europe: A country by country history. McFarland 
  2. ^ a b Federation Focus: World no. 14 Czechia has one of the top baseball programs in Europe” (英語). World Baseball Softball Confederation. 2022年12月26日閲覧。
  3. ^ NPBエンタープライズ. “"世界の野球"「アンダー世代を中心に世界で頭角を現すチェコ」” (日本語). 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト. 2022年12月26日閲覧。
  4. ^ a b WBSC Rankings”. rankings.wbsc.org. 2022年12月26日閲覧。

関連項目編集

外部リンク編集