ドイチェ・ベースボール・リーガDeutsche Baseball Liga; DBL)は、ドイツ国内で最上位の野球リーグである。ドイツ野球・ソフトボール協会(Deutschen Baseball und Softball Verbands; DBV)によって運営されている。2024年までは野球ブンデスリーガ1部1. Baseball-Bundesliga)という名称であった。2部リーグは引き続き野球ブンデスリーガ2部2. Baseball-Bundesliga)と呼ばれており、1部と2部との間では昇降格制度が設けられている。また、リーグシステムの下部には地域リーグ・州リーグ等も存在する。

ドイチェ・ベースボール・リーガ
競技プロ野球
開始年1984年
参加チーム12
ドイツの旗 ドイツ
前回優勝ボン・キャピタルズ (2024年; 3回目)
最多優勝マンハイム・トルネードス (10回)
公式サイトwww.baseball.de

概要

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1984年に設立された。開幕時は2地区制だったが、1985年から1地区制に移行。1990年からは再び2地区制へ戻っている。

2021年には、旧ブンデスリーガに所属していた12クラブとDBVの間で、リーグの新たな構成に関する基本方針が検討された。2023年にはメジャーリーグベースボールとの戦略的パートナーシップの締結に合意し、新リーグ実施に向けたマスタープランが策定された。2025年シーズンを前に、ソーシャルメディアなどを活用してデジタル空間での存在感を高め認知度を向上させることを目的に、リーグの名称変更やロゴ、ウェブサイトの大幅なリニューアルを発表した[1]

2020年以降は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響で一部のチームが活動を休止したため参加枠に欠員が出る状態が続いており、2025年シーズンは11チームで実施される。各地区の上位2チームがプレーオフに進出し、5試合制(3戦先取)の準決勝および決勝(ドイツ選手権)を経て優勝チームが決定される[2]。野球ブンデスリーガ2部は6地区に分かれており、上位8チームによるプレーオフを勝ち抜いた1チームがDBLへの昇格権を得る[3]。DBLに欠員が出ていることから、2025年は2部への降格プレーオフは実施されず、長期的にはDBLのチーム数を16まで拡大することが予定されている[4]

欧州では有数のレベルを誇るリーグであり、欧州のクラブチームによるカップ戦の最上位カテゴリである欧州チャンピオンズカップにおいては、2025年現在、DBLから2チームが出場資格を得ている[5]

日本の独立リーグ経験者を中心に日本人選手が所属する例も見られる。2023年には、日本野球機構でプレー経験のある日本人選手として初めて、久保康友がハンブルク・スティーラーズに移籍。同年の北地区年間最優秀投手賞を受賞し[6]、翌2024年6月にはケルン・カージナルス戦で完全試合を達成するなどの活躍を見せた[7]

参加チーム

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2025年シーズン[8]

地区 チーム 創設年 本拠地
北地区 ボン・キャピタルズ
Bonn Capitals
1989   ボン
ベースボールスタディオン・ラインアウエ
ケルン・カージナルス
Cologne Cardinals
1983   ケルン
サークルウッド・スタジアム
ハンブルク・スティーラーズ
Hamburg Stealers
1985   ハンブルク
ボールパーク・ランゲンホルスト
パーダーボルン・アンタッチャブルス
Paderborn Untouchables
1990   パーダーボルン
アーホルン・ボールパーク
ヒュンシュテッテン・ストーム
Hünstetten Storm
2011   ヒュンシュテッテン
ディックマン・フィールド
南地区 グッゲンベルガー・レギオネーレ
Guggenberger Legionäre
1987   レーゲンスブルク
アーミン・ウルフ・アリーナ
ハイデンハイム・ハイデケッフェ
Heidenheim Heideköpfe
1992   ハイデンハイム・アン・デア・ブレンツ
ヘレンシュタインエナジー・ボールパーク
マインツ・アスレチックス
Mainz Athletics
1988   マインツ
ボールパーク・アム・ハルトミューレンヴェーク
ミュンヘン=ハール・ディサイプルズ
München-Haar Disciples
1990   ハール
ボールパーク・ハール
シュツットガルト・レッズ
Sttutgart Reds
1986   シュツットガルト
TVCボールパーク
ガウティング・インディアンズ
Gauting Indians
1991   ガウティング
ヴュルムタール・ベースボールパーク

入れ替え制度

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年度 1部→2部 2部→1部
北地区 南地区 北地区 南地区
1999年 ラーティンゲン・グーズネックス
ブレーメン・ドッカーズ
ラーデンブルク・ロマンズ ホルツヴィッケーデ・ジョーボクサーズ
エルムスホルン・アリゲイターズ
ハイデンハイム・ハイデケッフェ
2000年 ホルツヴィッケーデ・ジョーボクサーズ フリートベルク・ブレーブス
グリューンヴァルト・ジェスターズ
プルハイム・ゴーファーズ ザールルイ・ホーネッツ
マンハイム・アミーゴス
2001年 ロークシュテット・スティーラーズ マンハイム・アミーゴス ケルン・カージナルス ヘレンベルク・ワンダラーズ
2002年 ヴォルフスブルク・ヤフーズ
シュトラウスベルク・サンウォーリアーズ
プルハイム・ゴーファーズ
ヘレンベルク・ワンダラーズ
バルトハム・ボアーズ
ロークシュテット・スティーラーズ
ゾーリンゲン・アリゲーターズ
フュルト・パイレーツ
ラーデンブルク・ロマンズ
2003年 エルムスホルン・アリゲイターズ テュービンゲン・ホークス
ラーデンブルク・ロマンズ
プルハイム・ゴーファーズ
ベニクセン・ビーバーズ
ガウティング・インディアンズ
ヘレンベルク・ワンダラーズ
2004年 プルハイム・ゴーファーズ ヘレンベルク・ワンダラーズ ホルツヴィッケーデ・ジョーボクサーズ バルトハム・ボアーズ
2005年 ベニクセン・ビーバーズ
ホルツヴィッケーデ・ジョーボクサーズ
バルトハム・ボアーズ ヴッパータール・スティングレイ テュービンゲン・ホークス
2006年 ヴッパータール・スティングレイ フュルト・パイレーツ ハノーファー・リージェンツ ハール・ディサイプルズ
2007年 - テュービンゲン・ホークス ドルトムント・ワンダレアーズ ノイエンブルク・アトミックス
2008年 ノインキルヒェン・ナイトメアズ
ハノーファー・リージェンツ
ノイエンブルク・アトミックス プルハイム・ゴーファーズ -
2009年 デーレン・ワイルドファーマーズ - - ノイエンブルク・アトミックス
2010年 ケルン・カージナルス ザールルイ・ホーネッツ
ノイエンブルク・アトミックス
ベルリン・スラッガーズ -
2011年 プルハイム・ゴーファーズ ガウティング・インディアンズ ケルン・カージナルス シュツットガルト・レッズ
2012年 - - - テュービンゲン・ホークス
2013年 ベルリン・スラッガーズ - - -
2014年 デーレン・ワイルドファーマーズ - ハノーファー・リージェンツ -
2015年 入れ替えなし

優勝チーム

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リーグ 南地区 北地区
1984 マンハイム・トルネードス マンハイム・トルネードス ケルン・ドジャース
1985 1リーグ制のため地区優勝なし
1986
1987
1988
1989
1990 ケルン・カージナルス マンハイム・トルネードス ベルリン・チャレンジャーズ
1991 マンハイム・トルネードス
1992 マンハイム・アミーゴス ケルン・カージナルス
1993 マンハイム・トルネードス マンハイム・アミーゴス ロークシュテット・スティーラーズ
1994
1995 トリーア・カージナルス トリーア・カージナルス
1996
1997 マンハイム・トルネードス マンハイム・トルネードス ボン・キャピタルズ
1998 ケルン・ドジャース ケルン・ドジャース
1999 パーダーボルン・アンタッチャブルス マインツ・アスレチックス パーダーボルン・アンタッチャブルス
2000 ロークシュテット・スティーラーズ ケルン・ドジャース
2001 パーダーボルン・アンタッチャブルス マンハイム・トルネードス
2002 レーゲンスブルク・レギオネーレ パーダーボルン・アンタッチャブルス
2003 マンハイム・トルネードス
2004 マインツ・アスレチックス
2005 レーゲンスブルク・レギオネーレ
2006 ゾーリンゲン・アリゲーターズ ゾーリンゲン・アリゲーターズ
2007 マインツ・アスレチックス
2008 レーゲンスブルク・レギオネーレ ハイデンハイム・ハイデケッフェ
2009 ハイデンハイム・ハイデケッフェ ブッフビンダー・レギオネーレ
2010 ブッフビンダー・レギオネーレ
2011 パーダーボルン・アンタッチャブルス
2012
2013 ゾーリンゲン・アリゲーターズ
2014 ゾーリンゲン・アリゲーターズ ハイデンハイム・ハイデケッフェ
2015 ハイデンハイム・ハイデケッフェ ブッフビンダー・レギオネーレ ボン・キャピタルズ
2016 マインツ・アスレチックス マインツ・アスレチックス ボン・キャピタルズ
2017 ハイデンハイム・ハイデケッフェ ハイデンハイム・ハイデケッフェ ボン・キャピタルズ
2018 ボン・キャピタルズ ハイデンハイム・ハイデケッフェ ボン・キャピタルズ
2019 ハイデンハイム・ハイデケッフェ マインツ・アスレチックス ゾーリンゲン・アリゲーターズ
2020 ハイデンハイム・ハイデケッフェ ブッフビンダー・レギオネーレ ボン・キャピタルズ
2021 ハイデンハイム・ハイデケッフェ ハイデンハイム・ハイデケッフェ ボン・キャピタルズ
2022 ボン・キャピタルズ ブッフビンダー・レギオネーレ ボン・キャピタルズ
2023 ハイデンハイム・ハイデケッフェ ハイデンハイム・ハイデケッフェ ボン・キャピタルズ
2024 ボン・キャピタルズ グッゲンベルガー・レギオネーレ ボン・キャピタルズ
北地区 南地区
2010年 ヴィンス・デコイト (デーレン・ワイルドファーマーズ) マット・ヴァンス (ブッフビンダー・レギオネーレ)
2011年 ギャレット・ロジャース (デーレン・ワイルドファーマーズ) エヴァン・ルブラン (ブッフビンダー・レギオネーレ)
2012年 ダニエル・ヒンズ (パーダーボルン・アンタッチャブルス) ルートヴィク・グレイサー (ブッフビンダー・レギオネーレ)
2013年 ブレント・ブッファ (ハンブルク・スティーラーズ) ルーク・ソマー (ハイデンハイム・ハイデケッフェ)
2014年 タナー・レイトン (ゾーリンゲン・アリゲーターズ)
2015年 ウィルソン・リー (ボン・キャピタルズ) サイモン・グーリング (ハイデンハイム・ハイデケッフェ)

脚注

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  1. ^ DBL | DBL”. www.baseball.de. 2025年4月13日閲覧。
  2. ^ Deutsche Baseball Liga” (ドイツ語). Deutscher Baseball- und Softballverband e.V.. 2025年4月12日閲覧。
  3. ^ 2. Baseball-Bundesliga” (ドイツ語). Deutscher Baseball- und Softballverband e.V.. 2025年4月12日閲覧。
  4. ^ Die Saison | DBL”. www.baseball.de. 2025年4月13日閲覧。
  5. ^ Teams & Rosters” (英語). WBSC Europe. 2025年4月12日閲覧。
  6. ^ 斎藤直樹. “阪神などで活躍の久保康友がドイツで北部最優秀投手 11勝4敗、防御率1・62 - プロ野球 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2025年4月13日閲覧。
  7. ^ 水次祥子. “久保康友がドイツリーグで完全試合達成 かつてロッテ、阪神、DeNAなどでプレー - MLB : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2025年4月12日閲覧。
  8. ^ Deutsche Baseball Liga (DBL) | Offizielle Seite”. www.baseball.de. 2025年4月12日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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