金属フラーレン

金属原子を内包したフラーレン

金属フラーレン(Metallofullerene)は、フラーレンとその籠の中に閉じ込められた金属原子からなる分子である。

単純な金属フラーレンは、C80等のフラーレンの籠と、その中に捉えられた1つか2つの金属原子からなる。現在では、Sc3N@C80Y3N@C80Sc3C2@C80等の小さな原子の塊を内包させることもできる。ここで、@は原子が結合しているのではなく、籠の中に内包されていることを示す。

様々な大きさのフラーレンがこのようにして金属原子を取り込んでいる。

医療への応用 編集

核にガドリニウムを取り込んだ、ある金属フラーレンは、核磁気共鳴画像法において、造影剤としての性能が40倍も高い。また、金属フラーレンは、癌組織に対する放射線治療の放射線源としても用いられる[1][2]

出典 編集

  1. ^ Support for top-down theory of how ‘buckyballs’ form”. KurzweilAI. 2013年9月28日閲覧。
  2. ^ Zhang, J.; Bowles, F. L.; Bearden, D. W.; Ray, W. K.; Fuhrer, T.; Ye, Y.; Dixon, C.; Harich, K. et al. (2013). “A missing link in the transformation from asymmetric to symmetric metallofullerene cages implies a top-down fullerene formation mechanism”. Nature Chemistry 5 (10): 880–885. doi:10.1038/nchem.1748. PMID 24056346. 

関連項目 編集