釣藤散(ちょうとうさん)は漢方方剤のひとつ。出典は『本事方』[1]

効果・効能 編集

体力中等度、またはやや低下した中年以降で慢性頭痛肩こりめまいなどがあり、高血圧傾向のある人に用いる[2]

適応症 編集

慢性頭痛、神経症、めまい、老人性認知症耳鳴り

組成 編集

石膏(せっこう)5.0、釣藤鈎(ちょうとうこう)3.0、陳皮(ちんぴ)3.0、半夏(はんげ)3.0、麦門冬(ばくもんどう)3.0、茯苓(ぶくりょう)3.0、人参(にんじん)2.0、菊花(きっか)2.0、防風(ぼうふう)2.0、甘草(かんぞう)1.0、生姜(しょうきょう)1.0

相互作用 編集

併用注意 編集

次の薬剤との併用により、偽アルドステロン症ミオパシーが出現しやすくなる[3]

  1. 甘草含有製剤
  2. グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤

副作用 編集

次の副作用がある[3]

重大な副作用 編集

偽アルドステロン症、ミオパシー

その他 編集

発疹蕁麻疹、食欲不振、胃部不快感、軟便下痢便秘

注意事項 編集

高齢者は生理機能が低下し、妊産婦、小児は安全性が未確立であり、注意が必要である[3]

脚注 編集

  1. ^ "許叔微著・百々俊道校正 普済本事方 2巻 " 京都大学富士川文庫に含まれる。
  2. ^ 監修高久史麿、矢崎義雄『治療薬マニュアル2001』(医学書院、2001)、p.1644
  3. ^ a b c ツムラ製品情報『ツムラ釣藤散』