鈴木大介 (棋士)
日本の将棋棋士
鈴木 大介(すずき だいすけ、1974年7月11日 - )は、将棋棋士。棋士番号213。東京都町田市出身。大内延介門下。麻雀のアマ強豪としても知られており、2019年度には最強位を獲得している(後述)。
鈴木 大介 九段 | |
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名前 | 鈴木 大介 |
生年月日 | 1974年7月11日(46歳) |
プロ入り年月日 | 1994年10月1日(20歳) |
棋士番号 | 213 |
出身地 | 東京都町田市 |
師匠 | 大内延介 |
段位 | 九段 |
戦績 | |
一般棋戦優勝回数 | 2回 |
2013年9月3日現在 |
戦績編集
- 1994年、プロデビュー(四段)。竜王戦で初参加から5期連続昇級して、一気に1組入りをする。
- 1996年、早指し新鋭戦の決勝で、阿部隆を下して優勝。これが棋戦初優勝。
- 1999年度の第12期竜王戦で藤井猛竜王に挑戦(タイトル初挑戦)。挑戦を決めた時のインタビューで、「全振り飛車宣言」(=七番勝負の全局で飛車を振るという意味)をする。振り飛車党同士の対決となり、「相振り飛車のシリーズになる」という予想もあったが、藤井は全局で居飛車を採用した(藤井は振り飛車党相手には居飛車を採用することもある。)。対居飛車穴熊のスペシャリストの居飛車穴熊に鈴木は1勝4敗で屈し、タイトル獲得はならなかった。
- しかし、同年度のNHK杯戦においては、決勝で郷田真隆を破って優勝。これが、全棋士参加棋戦での初優勝となる。
- 第60期[1]、第61期[2](2001、2002年度)の順位戦で連続昇級し、A級八段となる(第61期は、鈴木と昇級を争っていた井上慶太が最終局で負けたため、逆転で昇級が決まった)。第65期(2006年度)にB級1組に降級[3]するも、第67期(2008年度)にA級復帰[4]。
- 2006年、第77期棋聖戦挑戦者決定戦で羽生善治を下し、佐藤康光へ挑戦したが、3連敗を喫してタイトル獲得ならず[5]。
- 2017年3月1日、第65期王座戦二次予選で佐々木勇気に勝利し、八段昇段後250勝となり九段に昇段。
- 2019年、第32期竜王戦では、3組ランキング戦決勝で八代弥を下し3組優勝。挑戦者を決める決勝トーナメント進出を決めるとともに、3期ぶりに2組に復帰した。決勝トーナメントでは、2組2位だった橋本崇載を下し、1組2位の永瀬拓矢に敗れる。また、第61期王位戦予選では、久保利明らを破って13期ぶりにリーグ入りを果たす。リーグ戦紅組では2勝3敗に終わった。
棋風編集
- 振り飛車党であり、藤井猛、久保利明と共に振り飛車御三家と呼ばれる[6]。
- 攻める振り飛車で、豪快な棋風と形容される。ゴキゲン中飛車戦法に力戦を織り交ぜた戦法を豪快中飛車と名づけ、結果的にゴキゲン中飛車をタイトル戦で使われるほどの本格戦法に育て上げたと言われている[誰によって?]。
- 好きな戦法は四間飛車だが、自らの個性を出すために藤井システムは指さない[6]。
- 早石田の序盤で従来は悪手とされていた手を見直し、実戦で指した。それは、初手から▲7六歩△3四歩▲7五歩△8四歩▲7八飛△8五歩▲7四歩という進行であり、7手目の▲7四歩が鈴木の研究手である(詳細は、新・石田流 を参照)。それが高く評価されて2004年度将棋大賞の升田幸三賞を受賞している。
- 相振り飛車での勝率が高い。
- 2010年頃からは一手損角換わりや横歩取りなど、居飛車の将棋も指すようになった。これについて鈴木は「ゴキゲン中飛車の研究が行き届きすぎてつまらなくなった」、「藤井九段が矢倉で実績を残したのも大きい」と語った[要出典]。
- 駒の並べ方は、大多数を占める「大橋流」ではなく、数少ない「伊藤流」の並べ方である。
人物編集
- 左利きである。
- 1986年、小学6年生として、第11回小学生将棋名人戦で優勝。このとき準決勝で久保利明と対戦している(奇しくも、二人とも左利き・振り飛車党という共通点があり、のちにプロ入りすることとなる)。
- 父親はアニメーターの鈴木康彦で、NHK『みんなのうた』や、テレビアニメ『無敵超人ザンボット3』の作画などをした人物。将棋雑誌の挿絵もたびたび手がけている。康彦が将棋好きで、大内延介の道場に足繁く通っていた事が、大介が棋士になるきっかけとなった。「大介」という名前は、大内延介ファンの父親が大内の大、延介の介をもらってつけたものである。なお、康彦は2007年7月11日に心不全で死去(享年66)している。
- 父親がそうした業界にいた関係からか、マンガ『ハチワンダイバー』(柴田ヨクサル)の将棋監修をしている。作中の主人公の師匠「鈴木八段」は、鈴木本人がモデルである。
麻雀編集
弟子・交友関係編集
昇段履歴編集
主な成績編集
タイトル編集
- 最強位(麻雀) 1回(2019年)
タイトル挑戦編集
一般棋戦優勝編集
- 合計2回
在籍クラス編集
竜王戦と順位戦のクラスは、将棋棋士の在籍クラス を参照。
将棋大賞編集
- 第24回(1996年度) 勝率第一位賞・連勝賞・新人賞
- 第27回(1999年度) 敢闘賞
- 第32回(2004年度) 升田幸三賞
主な著書編集
- 鈴木大介の振り飛車自由自在(2005年2月、日本放送出版協会、ISBN 4-14-016130-2)
- 最強力戦振り飛車マニュアル(2004年2月、日本将棋連盟、ISBN 4-8197-0373-0)
- 相振り飛車の定跡 相手の戦法別に勝ち方を指南!(2002年9月、創元社、ISBN 4-422-75082-8)
- 中飛車の基本 ゴキゲン中飛車編 (最強将棋21)(2013年1月、浅川書房、ISBN 978-4-8613-7038-0)
- 将棋の教科書 現代振り飛車(2013年3月、マイナビ出版、ISBN 978-4-8399-4638-8)
- ひと目の仕掛け 振り飛車編(2014年1月、マイナビ出版、ISBN 978-4-8399-5049-1)
- 将棋戦型別名局集2 四間飛車名局集(2016年1月、マイナビ出版、ISBN 4-839-95798-3)
- 鈴木大介の将棋 四間飛車・三間飛車編 プレミアムブックス版(2016年7月、マイナビ出版、ISBN 978-4-8399-5943-2)
- 鈴木大介の将棋 相振り飛車・力戦相振り編 プレミアムブックス版(2016年9月、マイナビ出版、ISBN 978-4-8399-5944-9)
- 勝てる将棋の考え方 新・イメージと読みの将棋観(渡辺明、郷田真隆、森内俊之、加藤一二三、三浦弘行、豊島将之、中村太地、永瀬拓矢共著、2016年9月、マイナビ出版、ISBN 978-4839961107)
出演編集
ウェブテレビ編集
- 新春オールスター麻雀大会2020(2020年1月2日 - 3日、AbemaTV)※テレビ朝日でも一部放送
脚注編集
- ^ 第60期名人戦・順位戦 B級2組(日本将棋連盟)
- ^ 第61期名人戦・順位戦 B級1組(日本将棋連盟)
- ^ 第64期名人戦・順位戦 七番勝負/A級(日本将棋連盟)
- ^ 第66期名人戦・順位戦 B級1組(日本将棋連盟)
- ^ 第77期棋聖戦挑戦者決定トーナメント/五番勝負(日本将棋連盟)
- ^ a b 君島, 俊介 (2020年2月21日). “振り飛車党の鈴木大介九段が「藤井システムだけは使うまい」と決めていた理由 | 観る将棋、読む将棋”. 文春オンライン. 2021年3月14日閲覧。
- ^ “将棋・鈴木大介九段、初タイトルはなんと麻雀最強位 トッププロ相手に堂々初優勝 解説者も「完勝です」 【ABEMA 麻雀TIMES】” (日本語). ABEMA TIMES (2019年12月14日). 2021年3月14日閲覧。
- ^ “麻雀最強位の将棋棋士・鈴木大介九段、新年早々も快進撃!24人中個人トップ/新春オールスター麻雀” (日本語). AbemaTIMES. 2020年1月5日閲覧。
- ^ 日本将棋連盟web「中原誠十六世名人も参加、将棋連盟囲碁部の活動に潜入」(2016年10月07日)
- ^ 羽生善治三冠とサイバーエージェント藤田社長、二人の考える将棋のいいところとは? - 日本将棋連盟・2017年8月4日