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鉄道空白地帯を解消する政策が盛んに行われている名古屋市名古屋臨海高速鉄道西名古屋港線

鉄道空白地帯(てつどうくうはくちたい)とは、人の生活圏でありながら鉄道が整備されていない地帯。とりわけ鉄道の発達した国や都市の中にありながら鉄道の利便性を享受できない一部地域という意味合いが強く、交通政策上の課題として扱われる概念である。

概要編集

最寄りの鉄道駅からどれぐらい離れていれば鉄道空白地帯になるのかについては、都市化の度合いや人口密度にも影響され、これらの地域を補完する路線バスなど他の交通機関の事情も絡むため、用いる者によって一定しない。

世界的には、モータリゼーションの進展によりかつてほどの重要性は薄れているものの、中長距離の輸送(貨物輸送を含む)に関しては鉄道の存在感は大きく、鉄道空白地帯の解消も各地で行われている。アラスカ州やシベリアの大部分などの高緯度地域やサハラ砂漠に近い地域など、鉄道空白地帯は世界全体的に見ても少ないわけではない。

日本編集

日本の大都市部では、慢性的な交通渋滞や駐車場不足等により、鉄道は通勤・通学の手段として不可欠な存在となっている。このため、最寄りの鉄道駅までのアクセスは徒歩もしくは自転車が望ましいとされ、これらによるアクセスが比較的容易でない地域が鉄道空白地帯と見なされることが多い。また、鉄道空白地帯が存在することは政治問題に発展する場合もある。たとえば、名古屋臨海高速鉄道西名古屋港線は「鉄道空白地帯の解消」を名分として建設されている。また、2002年2月の埼玉県議会では、新座市一帯について「鉄道空白地帯」としてその解消を求める趣旨の質問がなされている(古寺五一県議)[1]

沖縄島第二次世界大戦後長く鉄道空白地帯であったが、沖縄都市モノレール線の開業によって那覇市については解消している。一方、北海道では、廃線によって鉄道空白地帯となった地域が多い。

中国編集

中国ではチベットの地域が鉄道空白地帯となっていたが、1980年代に青蔵鉄道が竣工した[2]

ラオス編集

ラオスビエンチャン郊外のタイとの国境地帯にラオス史上初の鉄道が開通し、鉄道空白国解消となった(タイとの国際鉄道でもある。2009年3月6日読売新聞)。

朝鮮半島編集

ソウル、平壌を中心として南端部やロシア、中国方面に路線が伸びるが、空白地帯や鉄道が機能しない区間が存在し、解消が行われている。

南半部では、光州釜山を直接結ぶ幹線鉄道であるはずだが、不十分な整備管理、度重なる改良計画の遅延などによって幹線鉄道としての機能は多く失われた。

釜山から順天までの東部区間は、路線改良事業が2021年まで[3][4]予定通りに終わるとこのような状態は大分解消される見込みである。

全羅南道内の西部区間は、改良事業が遅々として進まない状態が長年続いていたが、韓国国会で通過した2019年度の予算案によりようやく光州 - 順天間の整備事業を開始する事ができた[5]

北半部では東海の離島を結ぶ庫岩 - 畓村鉄道が2018年に開通している。

脚注編集

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  1. ^ 新座市域は北東に東武東上線志木駅・北西に武蔵野線新座駅があり、南西に駅はないものの西武池袋線が通っている(南部は東京都西東京市ひばりヶ丘駅に、南西部は清瀬市清瀬駅が至近している)が、中央部 - 東部に鉄道路線はなく、これらの地域から最寄りの鉄道駅までは最大5km弱である。
  2. ^ 『新中国年鑑1981年版』大修館書店、133頁。
  3. ^ (朝鮮語)鉄道公団、慶全線の光陽 - 晋州区間の電化を推進聯合ニュース 2017.10.11
  4. ^ (朝鮮語)昌原~金海~釜山をつなぐ「広域電鉄」(複線)、2020年まで開通 慶南新聞 2016.11.1
  5. ^ (朝鮮語)慶全線の「光州~順天」、88年ぶりに電鉄化「始動」 Newsis 2018.12.8

関連項目編集