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概要編集

 
山頂の三等三角点と北側の展望

九頭竜川水系石徹白川の源流部に位置し、山域は白山国立公園内にある[4]。郡上市の最高峰であり[5]、旧白鳥町の北西端に位置する[6][7]。約500万-80万年前に活動していた「九頭竜火山列」(烏帽子岳鷲ヶ岳大日ヶ岳、銚子ヶ峰、願教寺山経ヶ岳取立山大日山などの火山の東西配列)を構成する一つであり、安山岩質の溶岩からなる[8]。山頂の3.1 km南には、国の特別天然記念物に指定されている樹齢約1,800年の石徹白大杉がある。832年天長9年)に美濃から白山へ登拝するための美濃禅定道が開設され、その登路上にある。三つの禅定道のうち太平洋側の登拝者が美濃禅定道を利用し、古文書で「登り千人下り千人」との記載があり白山信仰が盛んだった当時賑わっていた[9][10]。山頂の南南東0.5 kmには泰澄の母ゆかりの「母御石(ははごいし)」があり、現在神鳩ノ宮避難小屋がある位置には登拝者のための「神鳩の宿」と呼ばれる宿泊施設があった[11]。山頂部はクマザサに覆われていて[12]ナナカマドなどが点在し、山腹にはブナミズナラなどの落葉広葉樹林が多い[13]。山頂には点名「銚子峰」の三等三角点と展望図の石柱が設置され、周辺の両白山地、北アルプス御嶽山などを望むことができる。

登山編集

古くから美濃禅定道が白山の登拝者に利用されていた。美濃馬場の長滝白山神社を起点とし、白山中居神社と石徹白大杉を経由していた[14]。石徹白大杉から銚子ヶ峰へ至るルートは、現在の登山道と一致している。

登山ルート編集

石徹白大杉の下の登山口からの白山に至る美濃禅定道のルートにある。その登山口は郡上市により、休憩所・駐車場・トイレが整備されている[15]。石徹白大杉と神鳩ノ宮避難小屋の間には女人禁制の白山に登ろうとした泰澄の母を神様がしかったと伝えられる「おたけり坂」があり、その坂の上部に泰澄が差した杖が根付いたと伝えられる「カムロ杉」と泰澄の母が雨宿りしたと伝えられる岩屋がある[10]。石徹白大杉付近には「熊清水」と呼ばれる湧水がある[9]。その登山道の経路は以下である。残雪期に野伏ヶ岳や大日ヶ岳から稜線を経て山スキーを利用して登られることもある[16]

  • 美濃禅定道(白山南縦走路)登山口 - 石徹白大杉 - おたけり坂 - 神鳩ノ宮避難小屋 - 母御石 - 銚子ヶ峰 - 一ノ峰 - ニノ峰 - 三ノ峰避難小屋 - 三ノ峰 - 別山 - 南竜山荘 - 室堂 - 白山

登山道の植物編集

登山道の下部はタムシバ、ブナ、ミズナラなど落葉広葉樹林である[10]。登山道ではアカモノオオバキスミレゴゼンタチバナコバイケイソウショウジョウバカマサンカヨウツバメオモトニッコウキスゲハクサンチドリなどの花が見られる。上部の稜線ではクサザサの笹原にナナカマドなどが点在する。石徹白大杉のすぐ北側の登山道には、外来植物侵入防止のための除去マットが敷かれている。2011年夏には、ボランティアの人々により神鳩の宮避難小屋周辺に侵入し生育していたオオバコなどの除去作業が行われた[17]

         
オオバキスミレ サンカヨウ ニッコウキスゲ ブナの紅葉 ナナカマドの実

周辺の山小屋編集

付近には有人の山小屋及びキャンプ指定地はなく、指定地以外での野営は禁じられている[18]。要所には以下の避難小屋が設置されていて、無人解放されている[19]。最寄りの山小屋は三光工務店により新しく建替えられたログハウス風の神鳩ノ宮避難小屋である[20]。小屋の近くに神鳩ノ宮のがあり、東に70 m程下ると水場がある[7][10]豪雪地帯のため厳冬期には雪に埋もれて利用できない場合がある。

画像 名称 所在地 標高
(m)
銚子ヶ峰からの
方角と距離 (km)
収容
人数[21]
備考
  三ノ峰避難小屋 三ノ峰と越前三ノ峰との鞍部 2,080  北北西 2.9 25 水場なし
  神鳩ノ宮避難小屋 神鳩ノ宮(神鳩社の跡) 1,560  南東 1.3 15

地理編集

周辺の山編集

 
野伏ヶ岳から望む銚子ヶ峰から一ノ峰・ニノ峰・三ノ峰別山へと延びる両白山地の主稜線
 
銚子ヶ峰から野伏ヶ岳へと延びる稜線、山域はブナなどの広葉樹林とクマザサなどが分布する。遠景は伊吹山能郷白山荒島岳など。

両白山地の主稜線の一ノ峰の南に位置し、山頂のすぐ北側が野伏ヶ岳及び大日ヶ岳へ延びる尾根の分岐点となっている[2]

山容 山名 標高[1]
(m)
三角点等級
基準点名[1]
銚子ヶ峰からの
方角と距離 (km)
備考
  三ノ峰 2,128  北北西 3.2 三ノ峰避難小屋
  二ノ峰 1,962.3  三等
「二ノ峰」
 北北西 2.1
  一ノ峰 1,839  北 1.5
  銚子ヶ峰 1,810.40  三等
「銚子峰」
  0 続ぎふ百山
  願教寺山 1,609.88  三等
「願教寺山」
 西南西 2.4
  野伏ヶ岳 1,674.28  三等
「野伏」
 南南西 6.2 日本三百名山
  大日ヶ岳 1,708.87  一等
「大日ケ岳」
 南東 9.4 日本二百名山

源流の河川編集

 
石徹白川源流部にある大滝

以下の源流となる河川日本海へ流れる[2][22]

  • 石徹白川 (九頭竜川の支流) - 山頂の南南西2.5 kmには、大滝がある[23]。山頂の南南東4.3 kmの支流である初河谷(はっこたに)には、八反滝(はったんだき・落差30 m)があり遊歩道が整備されている[24]。山頂の約600 m西の笠羽谷の源流部に湿原があり、ミズバショウなどの小群落がある。
  • 別山谷の支流 (庄川水系の尾上郷川)

交通・アクセス編集

石徹白大杉下の登山口付近には公共交通機関はない[9]

銚子ヶ峰の風景と展望編集

山頂は見晴らしが良く、360度の展望が得られる[9]

       
麓の石徹白から望む
銚子ヶ峰、遠景は別山
ニノ峰から望む
一ノ峰と銚子ヶ峰
銚子ヶ峰から望む
別山と南白山の紅葉
銚子ヶ峰から望む
丸山から大日ヶ岳への稜線

脚注編集

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  1. ^ a b c 基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2011年10月21日閲覧。
  2. ^ a b c 地図閲覧サービス(銚子ヶ峰)”. 国土地理院. 2011年10月21日閲覧。
  3. ^ 岐阜県山岳連盟『ぎふ百山(続)』岐阜新聞社、1993年2月。ISBN 4905958059
  4. ^ 白山山岳国立公園区域の概要”. 環境省. 2011年10月21日閲覧。
  5. ^ 郡上市の地勢”. 郡上市. 2011年10月22日閲覧。
  6. ^ 郡上市の景観 (PDF)”. 郡上市. 2011年10月21日閲覧。
  7. ^ a b 銚子ヶ峰”. 郡上観光どっど混む. 2011年10月21日閲覧。
  8. ^ 堀江太一郎 (2001年3月26日). “両白山地・鮮新世以降の火山岩類についての岩石学的・地球科学的研究 (PDF)”. 2011年10月22日閲覧。
  9. ^ a b c d 『改訂新版 名古屋周辺の山』山と溪谷社、2010年7月、250-251頁。ISBN 9784635180177
  10. ^ a b c d 『白山と北陸の山』山と溪谷社〈ヤマケイアルペンガイド〉、2000年9月、75-79,175。ISBN 4635013219
  11. ^ 『新日本山岳誌』日本山岳会ナカニシヤ出版、2005年11月、1195頁。ISBN 4779500001
  12. ^ 吉川幸一『こんなに楽しい岐阜の山旅100コース 美濃〈下〉』風媒社、2003年1月、87-89頁。ISBN 4833100975
  13. ^ 島田靖、堀井啓介、木下喜代男『岐阜県の山』山と溪谷社〈分県登山ガイド〉、1997年12月、40-41,75-79。ISBN 4635021807
  14. ^ 白山の禅定道 (PDF)”. 石川県. pp. 16-21. 2011年10月21日閲覧。
  15. ^ 飛騨の山(2010)、212-213頁
  16. ^ 飛騨の山(2010)、298-301頁
  17. ^ 環白山事業”. 環白山保護利用管理協会. 2011年10月22日閲覧。
  18. ^ 白山の登山施設案内”. 石川県 (2011年6月14日). 2011年10月22日閲覧。
  19. ^ 『山と溪谷2011年1月号付録(山の便利手帳2011)』山と溪谷社、2010年12月、175頁、ASIN B004DPEH6G。
  20. ^ 施工実績(神鳩ノ宮避難小屋)”. 三光工務店. 2011年10月22日閲覧。
  21. ^ 白山山岳国立公園内の登山施設案内”. 白山観光協会. 2011年10月22日閲覧。
  22. ^ 『白山 荒島岳』昭文社山と高原地図2011年版〉、2011年3月。ISBN 9784398757838
  23. ^ 地図閲覧サービス・大滝 (岐阜県郡上市)”. 国土地理院. 2011年10月22日閲覧。
  24. ^ 石徹白フリーウォーキングエリア (PDF)”. 郡上活性化協議会. 2011年10月22日閲覧。

参考文献編集

関連項目編集

外部リンク編集