鎌倉山(かまくらやま)は、宮城県仙台市青葉区作並にある山である。標高520.0メートル。奥羽山脈の東の山地帯にある。角度によってはゴリラの横顔に見えるため、通称でゴリラ山と呼ばれる[1]

鎌倉山
国道48号から望む(2005年10月)
標高 520.0 m
所在地 日本の旗 日本 宮城県仙台市青葉区作並
位置 北緯38度19分6.9秒 東経140度38分37.8秒 / 北緯38.318583度 東経140.643833度 / 38.318583; 140.643833座標: 北緯38度19分6.9秒 東経140度38分37.8秒 / 北緯38.318583度 東経140.643833度 / 38.318583; 140.643833
山系 奥羽山脈
鎌倉山 (仙台市)の位置(日本内)
鎌倉山 (仙台市)
鎌倉山の位置
プロジェクト 山
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鎌倉山は孤立して盛り上がり、山頂は丸いが山腹の傾斜がきつく、特に南面は安山岩からなる約百メートルの絶壁になっている。山の麓には、鎌倉山と広瀬川にはさまれて、国道48号JR仙山線が東西に走る。

国道48号は昔の関山街道、作並街道で、古くからこの道を往来する人にとって目立つ山であった。江戸時代には作並村の名所として「安永風土記書出」に記された[2]。また、『奥州里諺集』に中段までは雑木林で頂上は岩石山と記され、今と変わらない姿だったことが知れる[3]

18世紀に編まれた『封内風土記』や「風土記書出」では由来は知らないが古くからの名であるというにとどまるが[4]、鎌倉山には二つの地名説話がある。一つは後三年の役のとき、源義家に従った鎌倉景正がこの山に陣を敷いて戦ったというもの[5]。もう一つは、源頼朝(鎌倉殿)が奥州藤原氏を征討するときに通ったというもので、作並温泉の開湯伝説とも関連付けられる。いずれも史実とは思われず、この鎌倉は神奈川県の鎌倉とは別個に命名されたと考えられる。

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ 作並を楽しむ/自然”. 作並振興協会. 2020年1月12日閲覧。
  2. ^ 『宮城町誌』史料編(改定版)144頁。
  3. ^ 『奥州里諺集』、巻之二、ぼうめきの瀧。『仙台領の地誌』158頁。
  4. ^ 『封内風土記』巻之三(『複刻版仙台叢書封内風土記』第1巻103頁)。
  5. ^ 『宮城町誌』本編942頁。

参考文献 編集

  • 『奥州里諺集』、『仙台領の地誌』、今野印刷、2001年、ISBN 4-906607-17-9 に収録。
  • 田辺希文『封内風土記』巻之三、明和9年(1772年)。平重道・監修『複刻版仙台叢書封内風土記』第1巻、宝文堂、1975年。
  • 宮城町誌編纂委員会『宮城町誌』本編、宮城町役場、1969年。
  • 仙台市「宮城町誌」改定版編纂委員会『宮城町誌』史料編(改定版)、仙台市役所、1989年。初版は宮城町誌編纂委員会の編集、宮城県宮城町役場の発行により、1967年刊行。