長谷寺 (倉吉市)
鳥取県倉吉市にある寺院
長谷寺(ちょうこくじ)は鳥取県倉吉市にある天台宗の寺。寺号は「はせでら」とも読む。中国三十三観音霊場第三十番札所。
長谷寺 | |
---|---|
本堂の舞台 | |
所在地 | 〒682-0824 鳥取県倉吉市仲ノ町2960 |
位置 | 北緯35度25分36.2秒 東経133度49分6.2秒 / 北緯35.426722度 東経133.818389度座標: 北緯35度25分36.2秒 東経133度49分6.2秒 / 北緯35.426722度 東経133.818389度 |
山号 | 打吹山 |
宗派 | 天台宗 |
本尊 | 十一面観音 |
創建年 | 伝・721年 |
開基 | 伝・法道 |
札所等 | 中国三十三観音霊場第30番 |
文化財 | 厨子(国の重要文化財)ほか |
法人番号 | 3270005004165 |
概要
編集『伯耆民談記』等に伝える寺伝によれば、奈良時代の養老5年(721年)、法道を開山として創建されたという。当初は長谷(ながたに)村(現・倉吉市長谷、長谷寺の西方)にあり、後に現在地に移されたという。草創の詳しい事情や中世までの沿革は判然としないが、中世には禅宗寺院であった。鳥取市河原町片山の国英神社(くにふさじんじゃ)蔵の正安3年(1301年)銘の梵鐘には「伯州久米郷長谷寺鐘」とあり、この時点での寺の存在が確認できる。
豊臣秀吉の時代に寺領を失い衰退するが、米子城主中村一忠によって再興。この頃天台宗に転じた。
境内は打吹山山中、打吹城越中丸跡近くの斜面地にあり、室町時代再築の本堂は急斜面に対応した懸造の建築である。
本堂には重要文化財に指定の厨子内に秘仏の本尊木造十一面観音菩薩坐像を安置する。 また本堂内壁面に室町時代から江戸時代に奉納された秀逸な絵馬が多数掛けられていたことから(現在は庫裏に展示)、「絵馬の寺」として広く知られる。
伽藍
編集- 本堂
- 仁王門
- 鐘楼
- 庫裏
文化財
編集重要文化財(国指定)
編集鳥取県指定保護文化財
編集- 本堂 - 桃山時代(16世紀末頃)の建立、五間堂、数度の改変を経て江戸時代後期に現在の形に定まる。寄棟造、懸造。
- 仁王門 - 江戸時代は延宝8年(1680年)建立、間口三間、奥行二間、八脚門、入母屋造(屋根材に変更が加えられている)、仁王像安置。
- 梵鐘 - 1393年の銘、(1956年5月30日指定)。
- 絵馬 - 室町時代~江戸時代、(1957年2月6日指定、1970年9月11日追加指定)。
倉吉市指定文化財
編集- 木造十一面観音菩薩坐像 - 秘仏、室町時代初期(14世紀)作、檜寄木造り、像高101cm。
その他の文化財
編集- 仁王像 - 阿吽2体、延宝4年(1676年)の作
年中行事・祭事
編集- 2月下旬 - 長谷の牛玉授け[2]
- 2月下旬 - 長谷の観音市
交通アクセス
編集隣の札所
編集周辺
編集脚注
編集参考文献
編集- 『日本歴史地名大系 鳥取県の地名』平凡社
- 「新指定の文化財」『月刊文化財』304号、第一法規、1989(本堂内厨子の解説あり)