間接選挙(かんせつせんきょ、: Indirect election)とは、有権者が直接候補者を選んで投票するのではなく、中間選挙人などを通して候補者を選び間接的に意思表示を行う選挙制度のことである。直接選挙に対比される。

概要編集

直接選挙に比べ、中間に選挙人などの(1回または複数回の)クッションが入ることで、急進的な意見を排除し、一時の感情や勢いではない理性的な選択がなされることが期待されている。交通・通信が不便な時代においては、有権者が候補者の見極めを行なうことは困難であり、それを選挙人に託すことができる利点があった。反面、死票が多くなる可能性が高いほか、有権者の意向と選挙人の実際の投票先が一致しないケースもあり得る。また歴史的には選挙人に一定の資格を設ける制限選挙との併用で、見かけ上は普通選挙の形態をとりながらも、特定の社会階層の意見を排除することにも利用された。

事例編集

首長編集

アメリカ合衆国憲法制定当初は交通・通信が不便なこともあり、合衆国大統領選挙では各州で選出される選挙人が各大統領候補を見定めて投票するよう間接選挙が導入された。しかし早々に選挙は党派によって争われるものとなり、投票する大統領・副大統領候補者をあらかじめ誓約する選挙人候補団に対して一般市民が投票する選挙となった。さらには大統領・副大統領候補の名前と政党名のみが記された投票用紙を用いて選挙人団を選出するようになり、間接選挙制が形骸化されている。ただし、大半の州における選挙人団は州ごとの勝者総取り方式で選ばれる上、選挙人は各州に人口比例数に加えて2人が割り当てられるため、必ずしも一般市民の直接投票を最も集めた大統領候補が当選するわけではない。

連邦制の議院内閣制共和国のうち、インドドイツでは大統領を連邦の議会と各州議会が選出する。インドの大統領の選挙は、各議員の投票について、連邦と州の議会の総票数がそれぞれ半々になるよう重みづけをして集計される。ドイツの大統領は、下院である連邦議会の議員、および各州議会から選出された同数の議員からなる連邦会議が選出する。

連邦制ではない議院内閣制共和国のうち、イタリアの大統領は両院議員(定数945名以上)と地域代表(58名)により選出される。イスラエルの大統領は一院制議会のクネセトが選出する。

議員編集

フランスの上院の議員は、下院と地方議会の議員約15万人による選挙で選出される。

中華人民共和国全国人民代表大会(全人代)の各代表は、多層にわたる人民代表選挙により選出される。

関連項目編集