防衛白書(ぼうえいはくしょ)は、日本防衛省(旧防衛庁)が毎年刊行している白書である。防衛政策の基本理念について日本国民の理解を求めるために作成されている。

概要編集

防衛省の防衛政策や、政府の近隣諸国への認識を把握できる一次資料である。

日本の防衛の根幹となる日米関係、近隣諸国(主に韓国北朝鮮中国ロシア)などの軍事動向、自衛隊海外派遣など自衛隊の国内外の活動や隊員の声を記載したコラム、防衛政策の提言などを主に行っている。

特に近年では北朝鮮の動向を注視しており、テポドン(弾道ミサイル)の発射などを強く非難している。また、中国に対しても軍事費などに関しての透明性を求めている。

なお、1970年(昭和45年)及び1976年(昭和51年)以降に刊行された白書は防衛省のウェブサイトでも公開されている。ただし、著作権上の理由から、通信社・新聞社提供の写真は、書籍のみの掲載となっている。

変遷編集

1970年(昭和45年)10月に中曽根康弘防衛庁長官時に初刊が発行された。初版の表題は「日本の防衛-防衛白書-」である。 1976年(昭和51年)に第2刊が「防衛白書」として発行となり以降毎年発行されている。 2000年(平成15年)からは「防衛白書」や「日本の防衛」をそれぞれ表題/副題として発行されている。

2019年(令和元年)度では、山本朋広防衛副大臣の発案により、同年度防衛白書の読書感想文コンクールが実施された[1]。当初は山本副大臣の非公式企画(表彰のみ)であったが、河野太郎防衛大臣の許可により、防衛省公式企画として実施された[1][2][3]。受賞者には富士総合火力演習自衛隊音楽まつりのチケットや、最優秀賞受賞者には防衛副大臣のチャレンジコイン等が進呈されるという。

2020年(令和2年)度では、「北朝鮮は、極めて速いスピードで弾道ミサイル開発を継続的に進めてきており、わが国を射程に収めるノドンやスカッドERといった弾道ミサイルに核兵器を搭載してわが国を攻撃する能力を既に保有しているとみられる」と記述した。白書は2019年までも、日本を奇襲的に弾道ミサイルで攻撃できる能力などに言及していたが、日本を核攻撃できるミサイル能力について指摘したのは初めてとなった[4]

2020年度版は、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、中国が引き続き海洋進出を活発させているほか、偽情報の流布を含む宣伝工作を行っているとの指摘があると警戒感を示した[5]

2021年度版は、若者への浸透を図るためそれまで装備品の写真だった表紙を西元祐貴による騎馬武者の墨絵とした[6]

他国編集

脚注編集

  1. ^ a b 山本ともひろ [@ty_polepole] (2019年11月4日). "〒162-8801 東京都新宿区市谷本村町5-1 防衛省副大臣室「防衛白書感想文係」 資格:防衛に関心のある者 枚数:400字詰め原稿用紙5枚程度・縦書・題名 別紙に住所・氏名・職業・年齢・℡番号 締切:令和原燃12月31日(消印有効)入選発表:令和2年2月下旬 表彰:名誉※非公式だよ!" (ツイート). Twitterより2020年2月5日閲覧
  2. ^ 山本ともひろ [@ty_polepole] (2019年11月8日). "防衛白書感想文企画ですが、好意的な反響が多々見られたので、河野大臣にご相談し、許可を頂いたので、非公式な企画から正式な企画へと昇格させることにしました。詳細は、近々公式に発表しますが、志をお持ちの方は、先ずは防衛白書の読了を目指して頑張って下さい。" (ツイート). Twitterより2020年2月5日閲覧
  3. ^ 令和元年版防衛白書感想文コンクール”. 防衛省. 2020年2月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年2月5日閲覧。
  4. ^ 「北朝鮮、弾道ミサイル防衛網突破の核ミサイル製造に躍起」米議会調査局が報告書”. 高橋浩祐. Yahoo!ニュース. 2020年7月18日閲覧。
  5. ^ 「防衛白書が指摘した、中国による宣伝工作の「偽情報の流布」とはいったい何か”. 高橋浩祐. Yahoo!ニュース. 2020年7月14日閲覧。
  6. ^ 日本放送協会. “防衛白書制作物語 きっかけは渋谷109のポケモン レックウザ” (日本語). NHK政治マガジン. 2021年8月21日閲覧。

関連項目編集

外部リンク編集