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陸戦型ザクII(りくせんがたザク・ツー、GROUND TYPE ZAKU II)は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器モビルスーツ」 (MS)の一つ。初出は、1979年放送のテレビアニメ機動戦士ガンダム』。

作中の敵側勢力である「ジオン公国軍」の主力量産型MS「ザクII」の改修機で、宇宙用の装備を取り除いた陸戦仕様機。「地上用」とも呼ばれるほか、型式番号の「MS-06J」から「J型」とも呼ばれる。なお『機動戦士ガンダム』放送当時は通常のザクIIとの区別はなく、「陸戦型」という設定は後年発行された書籍によるものである。

メカニックデザイン大河原邦男

当記事では、地上で運用されたMS-06系バリエーション機の解説も併記する。

目次

概要編集

『機動戦士ガンダム』の放送当時(1979-1980年)、「ザク」はシャア・アズナブル専用機以外には区別がなかった[注 1]。放送終了後に発行されたムック『ガンダムセンチュリー』(1981年)で初めて「ザクII」の名称が設定されるとともに、地球で登場した機体が宇宙用の装備を除去した陸戦用の「MS-06J」として区別された[1]。この設定は、メカニックデザイン企画『モビルスーツバリエーション (MSV)』(1983-1984年)にも引き継がれ、「MS-06J 陸戦型ザクII」「Jタイプ」[2]、「Jタイプ」「JザクII」等と記述された[3]。また、書籍『ENTERTAINMENT BIBLE』シリーズ(1989年-)では「MS-06J 陸戦用ザク」との記述が見られる[4]。そして、OVA『MS IGLOO -1年戦争秘録-』第3話「軌道上に幻影は疾(はし)る」(2004年)では、映像作品において「地上仕様のJ型」と呼称されるに至った。

外観上は一般的なザクII (MS-06F) と変わらないとされていたが、プラモデル『マスターグレード MS-06F/J ザクII』(1995年)では組み立ての際にF型とJ型が選べるようになっており、ランドセルの形状およびメイン・スラスターの外径、脛部の姿勢制御用スラスターや足裏ノズルの有無といった、外観に大きく影響しない部分での差別化が図られた。『マスターグレード ザク Ver.2.0』では最初にJ型が発売され(2007年)、その後にF型が発売されており(2008年)、同様に細かな差別化がなされていた。

機体解説編集

諸元
陸戦型ザクII
GROUND TYPE ZAKU II
型式番号 MS-06J
所属 ジオン公国軍
製造 ジオニック
生産形態 量産機
全高 18.0m[4]
頭頂高 17.5m[4]
本体重量 49.9t[4] / 56.2t[5][注 2]
全備重量 70.3t[4] / 74.5t[5][注 2]
装甲材質 超硬張力鋼[5][注 2]
出力 976kW[4]
推力 45,400kg[4] / 48,500kg[5][注 2]
最高速度 85km/h[4]
武装 ザク・マシンガン
ザク・バズーカ
ヒート・ホーク
クラッカー
3連装ミサイルポッド
マゼラトップ砲 ほか
搭乗者 トーマス・クルツ
キリー・ギャレット
エルマー・スネル
フェデリコ・ツァリアーノ(連邦軍)
ジオン公国軍一般兵

地上降下作戦に際して導入されたザクIIのバリエーションで、宇宙用の装備を取り払い、軽量・低価格化を図った仕様。地上での戦闘力は他の仕様を上回る[1]。U.C.0079年3月1日に実施された地球侵攻作戦においてはザクII F型が主力を務めたが、同機は配備数が多くなかったことから戦闘車両や航空機によって不足分を補っていた[6]。その後、第二次降下部隊からはグラナダで製造されたJ型が配備された。J型は宇宙空間用の装備を取り除いたことによって地球の重力下でのパワーロスが軽減されており、反作用を気にせず機体各所にオプションを取り付け可能な汎用性を持っている。第四次降下部隊では既に地上侵攻の主力となっていたものの、F型と比較し生産数は多くない。キャリフォルニアベースでも製造された[7]

F型とは反応炉の動力の取り回しや冷却構造が異なる[8]。また、頭部のシーリングやメンテナンスハッチのロック機構、モノアイのソフト更新や赤外線センサーの向上、関節部には軟質素材のコーティングが行われている[9]。脚部はF型と基本構造を共有しつつも、F型においてサブスラスターが内蔵されていたスペースに対地センサーとハードポイントを備えている。尚、胸部の主動力はF型のF56-MYFG-M3ESから、J21-MYFG-M3ESJへと変更された。機体冷却機構は大気を利用した方式となっている[10]。 また、南極条約以降に開発された機体であるため、対核用の他重装甲は廃されている[11]

武装編集

基本的にF型と共通だが、火器類が新開発されている。F型との共通武装については、ザクII#武装を参照のこと。

クラッカー
型式番号、MIP-B6[12]。J型の装備の一つ[7]。MSサイズの多弾頭手榴弾[12]。投擲後に6つの弾頭が分離する。『第08MS小隊』第2話ではJC型が閃光弾タイプのクラッカーを使用し、陸戦型ガンダムのセンサーを一時的に麻痺させる。
脚部ロケット弾ポッド[7] / Zi-Me Triple Missile Pod Mk.IV[12]
J型の武装の一つで、脚部へ装備するオプション[7]。ミサイルポッドとも記述される[12]
マゼラトップ砲
175mmタンクガンとも呼称される[13]マゼラアタックの175mm砲をモビルスーツが携帯、射撃できるように改修した。不時着したマゼラ・トップから取り外して、改造したともされる[14]ムック本ガンダムセンチュリー』などでは無反動砲とされているが、劇中にそれを表す描写はない。また、『第08MS小隊』第9話のマゼラアタック乗員の台詞から、使用弾種がHEATおよびAPFSDS弾(セリフではペネトレーター弾)であることが確認できる。これは近距離ならガンダムのシールドを一撃で粉砕したり、陸戦型ガンダムの脚部に損傷を負わせる程度の破壊力を持つ。
マルチランチャー(対人兵器)[15] / Sマイン[16]
機体各部に装着される対人兵器で、発射され空中で爆発、小型の金属片を放散させ地上の敵に人的被害をもたらす[15]。対人榴弾のほか、スモークディスチャージャーを発射可能[17]。『第08MS小隊』においてJC型の装備として設定されるが、同作第8話にてはザクIが使用した[15]
MS IGLOO2重力戦線』においてはJ型にSマインという呼称の対歩兵用装備として登場[16]。第1話にてJ型が使用した。

劇中での活躍編集

テレビ版および劇場版『機動戦士ガンダム』において、地上に登場したザクIIがすべてJ型であるとする根拠はなく、外観からの判別も難しい。ランバ・ラル隊が運用したザクIIは地上用の武装とされるクラッカーやミサイル・ポッドを装備しており、J型であるとされる[18]。一方で、J型の生産数はさほど多くはなく、ほとんどはF型のままか、地上用のパーツを換装して運用されていたともいわれ[18]ジャブロー降下作戦では14機のF型が参加したとする資料もある[19]

OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO』第2話では、J型6機が連邦軍特殊部隊セモベンテ隊によって捕獲使用されていた。連邦軍MSパイロット達は敵軍のMSであるJ型を完全に乗りこなし、統制のとれた戦闘を展開した。だがジオン軍の試作戦車ヒルドルブと遭遇し、支援の61式戦車5型2輌と共に全滅している。鹵獲ザクを装備した特殊部隊は他にも多数存在したことが示唆されているが、記録に残っているのはヒルドルブと交戦したセモベンテ隊のみである[20]。第3話では、宇宙への撤退時に自衛のため宇宙空間に出てきて溺れてしまい、ボールに一方的に屠られるという描写もある。劇中に登場するJ型は皆デザートカラーである。

OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO 2 重力戦線』では敵役として登場。特に第2話ではエルマー・スネル大尉が搭乗する白いJ型が部下のJ型2機を率いて61式戦車5型2個小隊9輌と交戦し、激戦の末に相打ちとなって全滅する。第3話が舞台とするオデッサ作戦でも多数のJ型が登場するが、陸戦型ジムに苦戦し、陸戦強襲型ガンタンクには機動力でも火力でも圧倒され、多数撃破される。

マイナーバージョン編集

JC型編集

諸元
ザクII JC型
ZAKU II Type JC
型式番号 MS-06JC
所属 ジオン公国軍
生産形態 量産機
全高 17.5m[21]
頭頂高 17.5m[22]
本体重量 56.2t[22]
全備重量 74.5t[22]
出力 976kW[22]
推力 48,500kg[22]
センサー
有効半径
3,200m[21]
武装 ザク・マシンガン
ザク・バズーカ
ヒートホーク
搭乗者 ノリス・パッカード
デル
アス

OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場。OVA発売当初の資料[21]やプラモデル[22]などでは単に「MS-06J」とされていたが、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊 ミラーズ・リポート』のパンフレットにおいて「MS-06JCザク局地戦仕様」と記載され、以降は「JC型」として区別されている(『第08MS小隊』公式サイトでも、劇中の本機を「JC型」としている[23])。

J型のコクピット周辺の機構を改修した機体とされる[24]。また、戦場の長期化に伴い、ザクの局地的な適応能力が不十分であることから開発されたとする資料も見られる[25]。一方で、J型とは異なり当初から地上戦用に再設計された機体であり、宇宙型に改装可能なように設計されていたとする資料も見られる[17]。ザクのJC型については、「C型からの改修機であることを示す型式番号ではないか」とする説[26]や、「脚部の構造から宇宙用に改装することが可能である」とした資料が存在する[27]。肩部シールドにスパイクを装備したデザインと、非装備のデザインが存在する[17]

備考

先に発売されていたプラモデル『マスターグレード MS-06F/J ザクII』用のデザインをもとにしているため、『機動戦士ガンダム』に登場したザクIIとは細部が異なる。さらにコックピット周りも変更され(機体の中央にコックピットが配置されており、胸部パネルが跳ね上がることによってウィンチ式の乗降用ワイヤーを垂らすことが可能)。

劇中での活躍
『第08MS小隊』では、陸戦型ジム相手にはおおむね互角に戦うが、陸戦型ガンダムに対しては分が悪く、一方的に撃破される。ノリス・パッカード大佐も第3話でJC型に搭乗するが、シロー・アマダが搭乗する陸戦型ガンダムと交戦して中破し、撤退する。漫画『機動戦士ガンダム第08MS小隊 U.C.0079+α』では、ノリスは青く塗装された専用機に搭乗する。また、MSとの交戦以外で撃破されたケースもあり、第3話ではゲリラのトラップにひっかかって転倒し、頭部を爆破されて戦闘不能となる。第8話では腰部動力パイプが切れ、スパイク・アーマーと左腰部装甲が破損・欠落したデル機、右肩アーマーとシールド、左膝アーマーが欠落したアス機(ジム用のシールドを奪って替わりに使用)が登場する。両機ともデザート・カラーに塗装されている。

Je型編集

プラモデル『U.C.ハードグラフ 1/35 ジオン公国軍 ランバ・ラル独立遊撃セット』で設定され、後期生産型と位置づけられている[28]。モデルが頭部のみで、全身の仕様詳細については判明していないが、地上での天候に対応すべく、モノアイシールドにワイパーを装備している。

湿地戦用編集

書籍『劇場版 機動戦士ガンダム アニメグラフブック』が初出。全身に迷彩塗装が施されているのが特徴で、湿地帯での戦闘を目的として全身が防湿処理されており、水中戦も可能とされている[29]。書籍によっては、本機の湿地戦対応については触れず、陸戦型 (MS-06J) の迷彩塗装の一例として掲載しているものもある[2][30][31]

ザク・ストーカー編集

雑誌企画『MOBILE SUIT in ACTION ジオンの星』に登場(型式番号:MS-06)。

森林掃討および夜間戦闘用とされ、右肩に夜間戦闘用の赤外線ライトを装備。ほかにもランドセルの形状や、リア・スカートが長いなど、通常型とは一部形状が異なる。突撃機動大隊第13中隊所属のデグナー・ロメオが搭乗し、ヨーロッパ戦線に投入されている[32]

寒冷地仕様編集

ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオン独立戦争記』に登場。J型に駆動部の防寒処理、足裏のスパイクや左側頭部にセンサーを追加した仕様。この機体は元々ゲーム『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』に登場した、地球連邦軍に鹵獲されたJ型をモチーフにしたもので、こちらは白い雪原迷彩塗装を施しただけの通常のJ型であったが、後年には「防寒処理が施された」とする設定に変更されている[33]

陸戦高機動型ザク編集

諸元
陸戦高機動型ザク
ZAKU II [High Mobility Ground Type][34]
ZAKU II High Mobility Land Battle Type[35]
型式番号 MS-06G
所属 ジオン公国軍
頭頂高 17.5m[36]
本体重量 58.1t[36]
全備重量 75.3t[36]
装甲材質 超硬スチール合金[36]
出力 1,015kW[36]
推力 48,500kg(バックパック+足裏)[36]
3,500kg×2(脚側面サブ・スラスター)[36]
総推力55,500kg[36]
武装 MMP-78ザク・マシンガン中期型
ザク・バズーカ
ジャイアント・バズ
搭乗者 ギュンター・バル
ディーン・ウェスト
ヴィンセント・グライスナー
ヴァルター・フェルモ

メカニックデザイン企画『MSV-R』に登場。

J型の性能向上型。グフのポテンシャルを移入した結果、碗部形状や肩部装甲のスパイク形状がグフに酷似している。脚部にバーニアが増設され、機動性においてベース機を上回っているが、ホバー走行はできない。総生産数は50機前後といわれ、グフの生産が開始されると同時に生産中止となった。生産数の少なさから現存する交戦記録などは乏しいが、北米戦線とアフリカ戦線での戦闘参加が確認されている。北米戦線の機体はグリーンを基調とする標準塗装が施されているが[37]、同戦線で11月に濃淡グレーを基調とする、頭部にブレード・アンテナを装備する機体も確認されており[36]、スコードロン・カラーであるとされる[37]

MS-06G自体は小冊子『MSVハンドブック』から設定上存在し、『MSVザク編』にてJ型をベースに機動性を向上させた機体と定義されたが、画稿や詳細設定は起こされていなかった。後年SDガンダムにてSD体型だが画稿と詳細な設定が起され、後述するMS-06G 陸戦用ザク改修型という名称でガシャポン戦士にて商品化されている。

パーソナルカスタム機
ギュンター・バル専用機
『MSV-R』に登場。頭部にブレード・アンテナを装備する。ダーク・グレーとブラウンの2色迷彩が施されているが、アフリカ戦線の同じ部隊に配備された計4機とも同様の塗装である[37]ギュンター・バル中尉は本機とド・ダイGAとの連携で多数の航空機を撃墜し、「ホガールの鷹」の異名をもつ。
ディーン・ウェスト専用機
小説『機動戦士ガンダム MSV-R ザ・トラブルメーカーズ』に登場。一年戦争終結直後に元ジオン軍の傭兵ディーン・ウェストが搭乗、レッドとアイボリーを基調に塗装され、頭部にブレード・アンテナを装備する。損傷部の交換や用途に応じて、機体各部をグフやザクIIのバリエーション・タイプの部品に換装することを繰り返している。
ヴィンセント・グライスナー専用機
ゲーム『機動戦士ガンダム サイドストーリーズ』のシナリオ「ミッシングリンク」に登場。マルコシアス隊ヴィンセント・グライスナーが搭乗する機体で、頭部にブレード・アンテナを装備し、パーソナル・カラーである青を基調に塗装され、胸部にはマルコシアス隊の部隊章が描かれている。
このほか、漫画版『機動戦士ガンダム Twilight AXIS』では、一年戦争終結後のオーガスタ研究所で、「ガンダムは敵」との刷り込みをされたヴァルター・フェルモが本機に搭乗し、兄クァンタンの搭乗するガンダムAN-01“トリスタン”と交戦するが、行動不能にされる。モノクロのため塗装は不明(ブレード・アンテナは未装備)。

陸戦用ザク改修型編集

諸元
陸戦用ザク改修型
ZAKU-R Land Battle Type
型式番号 MS-06G
分類 陸戦用MS
所属 ジオン公国軍
生産形態 試作機
装甲材質 超硬スチール合金
武装 ザクマシンガン
搭乗者 ジオン公国軍兵士

プラモデル企画『MSV』から設定上存在し、『SDガンダム』により設定されたMS。 陸戦型MSの機動力向上のため、グフ試作実験機と平行して開発された試作機。脚部に増設されたバーニアでホバー走行が可能となり、開発データはドムを始めとした以降の陸戦MS開発に反映された。 上記、陸戦高機動型ザクは、陸戦用ザク改修型のデザインを踏襲したものだが、脚部デザインは大きく異なり、脚部バーニアは高機動型ザクIIに近いデザインであった。

陸戦用高機動型ザク改編集

諸元
陸戦用高機動型ザク改
型式番号 MS-06GR
分類 陸戦用MS
所属 ジオン公国軍
頭頂高 17.5m
装甲材質 超硬スチール合金
出力 1015kW
武装 ザク・マシンガン
ヒート・ホーク
ヒート金剛棒
ヒート・ナックル
搭乗者 ナランソロンゴ・ボルドバヤル
クルト・ブラット

漫画『機動戦士ガンダム 極東MS戦線記』『機動戦士ガンダムMS BOYS -ボクたちのジオン独立戦争-』に登場するMS。

G型をベースにした現地改造機。ヒート金剛棒や内蔵式のヒート・ナックルなど、ゲリラ戦や対MS戦を重視した武装を持ち、ザクタイプを凌駕する性能と戦果を示したことから、現地でMS-06GRと型式番号を分類された。

本機は「モンゴルの銀狼」の異名を持つナランソロンゴ・ボルドバヤル大尉専用機として知られ、全身は黒で左肩のスパイクアーマーは銀色という専用カラーでメッキ加工された。一年戦争時は、主に旧・北京の長城戦線や北米戦線で活躍したが、北米ミサイル基地防衛戦にて遭遇したブルーディスティニー1号機と戦った結果、大破した。わずかに残った上半身部は、ボルドバヤル隊に所属する「MS BOYS」と呼称されたザクタンクのパーツとして再利用される。なお、ボルドバヤル機は幾度か改造されたらしく、運用時期によって形状や武装面で若干の差異が見られる。

実のところ、かなりクセのある機体でボルドバヤルが乗り換えたグフカスタムより以前の機体が良いと希望したことに対して、運搬を担当したブラウアー隊の面々は「物好き」と評している。だが、連邦軍情報部の手配した部隊に襲撃されてボルドバヤルは生死不明となり、辛うじてブラウアー隊と合流できた「MS BOYS」の1人クルト・ブラットの乗機となる。前述の通りかなりクセの強い機体であり、乗りこなしたクルトのパイロットとしてのセンスもあるが、クルト自身は「機体が動かし方を教えてくれているようだ」と評している。

なお、覇王マガジンにて連載された漫画『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』にて脚部デザインが同一でホバー走行するザクIIが登場する。

ザク・デザートタイプ編集

諸元
ザク・デザートタイプ
ZAKU Desert Type
型式番号 MS-06D
所属 ジオン公国軍
製造 ジオニック社
全高 18.2m[4]/18.5m[38]
頭頂高 17.5m[4]
本体重量 61.3t[4]/48.8t[38]
全備重量 79.4t[4]
装甲材質 超硬スチール合金
出力 976kW[4]
推力 42,900kg[4]
最高速度 80km/h[4]
武装 120mmマシンガン
3連装ミサイルポッド
2連装ミサイルポッド
クラッカーポッド
G92組立式砲座
搭乗者 ロイ・グリンウッド
カーミック・ロム
クイント

プラモデル企画『MSV』に登場するジオン公国軍の局地戦用MS。

一年戦争時、地球に侵攻したジオン軍はザクIIをベースに改良を加えることで、いくつかの局地対応機種を開発していった。主に固定武装を強化したMSはグフとして開発が進められており、地球侵攻部隊から最も要請が強かったアフリカ戦線用として熱帯砂漠戦仕様に特化する形で本機は開発された。開発はキャリフォルニアベースにおいて陸戦型ザクIIをベースにこの実戦データを反映させて進められた。

機体の軽量化と出力の強化と一部装甲の強化と共に地上での冷却力の向上のためバックパックには大型の冷却装置が増設されている。また、広大なサバンナや砂漠地帯での移動力向上のため腰部と脚部に補助推進装置が設置されている。関節部には防塵用の処理が施されている。

頭部にはグフに先行する形で通信用アンテナが設置された。これには砂塵やスコールなどの環境での使用を考慮した三角錐状のマルチブレードアンテナ(シングルアンテナ)と、長短2種類(等長のタイプも確認されている)のロッドアンテナを側頭部に設置したもの(ダブルアンテナ)がある。

『MSV-R』では、後期生産型は設計変更によってランドセル・ユニットの改良(ラジエーターユニットの改良、推進器の追加)、軽量化を狙った装甲材の変更、関節部カバーの再設計がおこなわれたとされる。

固定武装は左前腕部の増加装甲に装着されるラッツリバー3連装ミサイルポッド。また、作戦に応じて腰部両側のマウントラッチにラッツリバーP-3 2連装ミサイルポッド及び2基のクラッカーを内蔵するSA-712クラッカーポッドを装着することができる。更に頭部にはバルカン砲と思われる開口部が2ヶ所確認できるがその詳細は明らかになっていない。携行武装として120mmマシンガン(型式番号:M-120AS)を用いる。これはザクII用に開発されたもの(型式番号:ZMC38III M-120A1)を改修したものでスコープを廃止し、バレルやストックが短いものとなっており、軽量化によって保持性が向上している。装弾数は800発[39]。これらの武装はこれまでの実戦データが反映されており、陸戦型ザクIIのものより実戦向きなものとなっている。G92組立式砲座は分解することで4機で搬送し、目的地において10分程度で組立が可能となっている。

実戦テストを兼ねてダブルタイプが第5地上機動歩兵師団第1MS大隊A小隊(通称カラカル部隊)に配備された。この部隊はロイ・グリンウッド少佐を隊長とし、リビア砂漠からスエズ運河西岸を作戦地域とする特務部隊であり、ゲリラ戦法を得意とする。なお、このカラカル部隊にのちに配備されるドム・トロピカルテストタイプの性能チェックをアリゾナで行なっていたのが、ダブルタイプを主力機としていたスカラベ部隊であり、彼らも中東地域に転戦している。また、ピンクパンサー部隊にはシングルタイプが配備され、サハラ砂漠からジブラルタル海峡までを制圧、ジオン公国軍のヨーロッパ侵攻に寄与している。戦後はなんらかの経緯で連邦軍に編入されている。ジオン時代より乗り継いだザク・デザートタイプとRGC-80 ジム・キャノンとの混成部隊[40]で、ジャブロー防衛の任に就いている姿が確認されている。防衛部隊の中でもティターンズ相当の部隊として扱われていたともいわれているが、すでに事実上放棄され空き家となった拠点に捨て駒として置き去りにされていたに過ぎず、グリプス戦役時に実行されたエゥーゴの侵攻作戦とそれに対する連邦自らの核兵器使用による焦土作戦の末、以降の彼らの存亡は不明となっている。その他、中東西部に侵攻したアラビアンのパーソナルマークを使用するカーミック・ロム大尉の乗機が知られている(後に遊撃隊スコルピオに編成)。

前期にはシングルタイプ、ダブルタイプそれぞれ43機ずつ、後期にはシングルタイプのみが28機、計114機が生産された。一年戦争中期頃から実戦配備が行われ、全機がアフリカ戦線に投入された。配備数の少なかったドムに代わり、主力機として活躍した。

アニメ『機動戦士ガンダムUC』では、不時着したガランシェールを持ち上げる機体の1つとして登場。アニメ版の外伝作品『機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う』では、カークス隊所属のクイント中尉の乗機とされ、第7話・第8話ではカークス隊基地を狙う海賊との攻防戦に参加している。

備考
初出はムック『劇場版 機動戦士ガンダム アニメグラフブック』に掲載されたイラストで、これを元に『MSV』において詳しく設定され、プラモデルとして販売された。

ディザート・ザク編集

諸元
ディザート・ザク
DESERT ZAKU
型式番号 MS-06D
所属 旧ジオン公国軍残党・ロンメル部隊
アフリカ解放戦線・青の部隊
製造 旧ジオン公国軍
生産形態 量産機
全高 19.6m[41] / 19.3m[39]
頭頂高 18.5m[41] / 17.2m[39]
本体重量 44.7t[39]
全備重量 69.5t[39]
装甲材質 超硬スチール合金[39]
出力 1,440kW[39]
推力 4,200kg×2[39](脚[41]
総推力:8,400kg[42]
3,800kg×2(ジェット・スキー)[39]
センサー
有効半径
8,800m[39]
武装 290mm[39]ロケットランチャー
120mmマシンガン
クラッカー×2
60mmバルカン砲
搭乗者 ニキ
カラハン
エロ・メロエ

テレビアニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』および『機動戦士ガンダムUC』に登場。

ザク・デザートタイプをベースに、地球連邦軍基地から奪った資材で改修した機体。足にジェット・スキーを装着することにより、砂上を高速で滑走できる。第一次ネオ・ジオン抗争時において旧ジオン軍残党・ロンメル部隊やアフリカ解放戦線・青の部隊の主力とされ、ラプラス戦争時にも旧ジオン軍残党に運用されている。前面パネルラインなどの整理・ボリュームアップのほか、バックパックへの予備プロペラントタンク接続などが原型機とは異なる。また、指揮官機の頭部は一般機と異なり、アンテナは後方に移設され、額に射撃照準用カメラを設置、後頭部にバルカン砲の弾倉を増設している[39]。濃淡ブラウンを標準塗装とする。

『ΖΖ』では、シーンによってはザクIのようにモノアイ・レールの正面にプロテクティブ・ビーム[43]が描かれている。

劇中での活躍
『ΖΖ』第25話で初登場。ロンメル隊の主力としてニキカラハンらが搭乗するが、ガンダム・チームの前に全滅する。
第27話では、ザク・マリナーと同じ塗装がほどこされた機体が、ネオ・ジオン軍が占領したダカールの港湾部守備隊に1機、夜間の市街地の戦闘では2機が参加している。なお、市街地の戦闘では標準塗装の機体も2機確認できる。
第30話では、部隊名通り青く塗装されたアフリカ解放戦線 (FLN) の「青の部隊」所属機が登場。FLN経由でネオ・ジオンから譲渡された機体であるが[44]、「レプリカ」であるとされ、マシンガンやヒート・トマホークのほかにゲルググから渡されたビーム・ライフルも使用している。エロ・メロエが搭乗し、ガルダーヤの町の近郊でジュドー・アーシタΖガンダムエル・ビアンノガンダムMk-IIを気迫で圧倒するが、ベースジャバーに乗っているところをガンダムMk-IIによって脚部などを破壊されて地表に落下し、エロは脱出している。
第31話では、同じくアフリカ解放戦線のガデブ・ヤシン率いる部隊がネオ・ジオン軍のオウギュスト・ギダンと手を組んでガルダーヤに侵攻した際にも、多数が投入されている。
設定の変遷
当初の設定では、アクシズにおいてD型ではなくF型などから改造された機体が地球に降ろされた、とされていたが、プロットの変更に伴ってD型の現地改造機に設定が訂正された[45]
デザインはクリーンアップや武装も含め、小田雅弘が担当している[46]。武装のマウントは中沢博之、ジェット・スキーは鴇田光一の原案による[45]

デザートザク(ロンメルカスタム)編集

諸元
デザートザク(ロンメルカスタム)
DESERT ZAKU RC[47]
型式番号 MS-06DRC
頭頂高 17.8m[48]
重量 58.7t[48]
武装 ロングレンジ・ライフル
シールド・クロー
搭乗者 デザート・ロンメル

『ΖΖ-MSV』として分類されるデザート・ロンメルの専用機。ザク・デザートタイプの改造機[49]ともディザート・ザクの改造機[50]とも言われているが、外見上D型との共通点は乏しく、むしろF型やJ型との共通点が多い。

機体名はディザート・ザクではなく「デザートザク」で正しいが、これも資料によっては「ディザートザク(ロンメル・カスタム)[50]」など表記揺れが見られる。

本機は『機動戦士ガンダムΖΖ』における未使用デザイン[要出典]が、1989年発行の書籍『ENTERTAINMENT BIBLE.2 機動戦士ガンダムMS大図鑑【PART.2グリプス戦争編】』において名称・型式番号と「ΖΖ-MSV」という区分が与えられたものである。

SD CLUB』第11号掲載小説「砂漠の狐」では、オデッサ作戦以降にロンメルがキャリフォルニアベースから届いた砂漠戦用の改造キットを取り付けたザクIIでデザート・ジムと交戦している。挿絵で確認できる外観はシールド(ノーマル)と頭部(ノーマルにブレード・アンテナ装備)以外は本機と共通している。

ザク・デザートタイプ改編集

漫画『ガンダムEXA VS』に登場(型式番号:MS-06DX)。

ザク・デザートタイプを元に、ランドセルの換装や左腕へのリニアガンの装着などの改良を行った機体。パイロットはイクス・トリム。GAデータ内の宇宙世紀0096年において、史実には存在しなかったジオン軍残党部隊の別働隊のうちの1機として、トリントン基地襲撃に参加する。なお、本機が現実の宇宙世紀において実在したかについては、作中では説明されていない。

元は『ΖΖ-MSV』と同時期に描かれた大河原邦男による未使用デザインで、町田能彦によって『機動戦士ガンダムUC』風にアレンジされている[51]

ザクキャノン編集

諸元
ザクキャノン
ZAKU CANNON
型式番号 MS-06K
所属 ジオン公国軍 / 地球連邦軍
製造 ジオニック社
全高 18.4m[4]
頭頂高 17.7m[4]
本体重量 59.1t[4]
全備重量 83.2t[4]
装甲材質 超硬スチール合金[要出典]
出力 976kW[4]
推力 41,000kg[4]
センサー
有効半径
4,400m[要出典]
最高速度 73km/h[4]
武装 180mmキャノン砲
120mmバルカン砲(ガトリング砲)
2連装スモーク・ディスチャージャー
3連ミサイル・ポッド×2
ビッグ・ガン×2
その他
搭乗者 イアン・グレーデン
アルフレディーノ・ラム
キャンドル

プラモデル企画『MSV』、『機動戦士Ζガンダム』、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』および『機動戦士ガンダムUC』に登場。

ジオン公国が開発したザクIIを基に作られ、ザクIIの右肩に対空砲を装備したバリエーション機。当初は開発が凍結されていたが、連邦軍のガンキャノンの出現に対抗する形でドムの量産に平行して生産された。主な装備としてはランドセルに装着された右肩の180mmキャノン砲、ランドセル左部の2連装スモーク・ディスチャージャー、腰部の2連ロケット弾ポッド(ビッグ・ガン)があり、モノアイは全周囲型に改良されたほか、サブカメラも装備している。また、ランドセルを換装もしくは排除することでJ型と同様のスペックを発揮できるほか、180mmキャノン砲を120mmガトリング砲(6砲身)に換装したガトリング砲装備型もある[注 3]。アンテナは通常1本だが2本の機体も存在し、ラビットタイプと呼ばれた。もとは、地球連邦軍の航空機に対するために作られた対空用MSであるが、開発中に対地支援にも有効なことが証明され、中/長距離支援用MSとしても運用されるようになった。運用は主に遮蔽物を利用した間接照準射撃だが、場合によっては直接照準射撃も行うことがあった。

砲撃武装がランドセルに集約されているうえにそこが弾薬格納庫となっていたため、弾丸補充には別MSの手を借りなければならず、運用に不便な点があった(だが、自動装填装置を有しているとの異説もある)。支援機ゆえに携帯武器は通常携行しないが、ザクマシンガンのほか、ザク用の各種携行火器は流用可能である。

カラーリングとして当初は北米・西アジア戦を想定してデザート・イエローが生産されたが、のちにザクII同様のカラーリングであるダークグレー系の迷彩に変更された。MS-06Jのバリエーションの1つで、MS-06J-12の記述がある資料が存在する。主にキャリフォルニアベースに配置されたとの記述があるが、アジア戦ではコジマ大隊所属の08小隊によってザクキャノンの発見が報告されている。

一年戦争時に確認されている機体はわずかであった(MSVの設定では試作された9機全機が北米で実戦参加したとされている。ただし、バンダイ刊『戦略戦術大図鑑』では、「アフリカではD型ザクと並びポピュラーな機体」と記述されている)。一年戦争終盤にキャリフォルニアベース防衛のために連邦軍を挟撃したものの連邦軍にキャリフォルニアベースを奪回され、フロリダ半島へ撤退した時点で終戦を迎えた。後に地球連邦軍が接収してランドセルを改修し、宇宙戦用に変更された機体がグリプス戦役で使用されたが、その機体のカラーリングは青と紫であった。

支援用としてはきわめて優秀な機体であり、本機のコンセプトは後にMS-12 ギガンへ受け継がれている[要出典]

劇中での活躍
ジオン公国軍第2地上機動師団所属のイアン・グレーデン中尉は、MS-06Kで構成されたMS中隊を率い、北米戦線において航空機34機、車両71台、MS2機の撃墜スコアを残している。なお、グレーデンの乗機はラビットタイプであり、オリーブグリーンに塗装されていた。
『機動戦士Ζガンダム』でアレキサンドリア級重巡洋艦ハリオに立ち寄ったパプテマス・シロッコは、本機が搭載されているのを見て「旧型」と蔑み、アーガマ攻撃には「私のメッサーラだけで充分」と嘲笑っている。なお、キリマンジャロ基地のシーンでも1カット登場している。
OVA『第08MS小隊』第3話では、下半身を土中に埋めて砲台化した本機が登場する。基地のトーチカと連携し、一度は陸戦型ガンダム3機の攻撃を退けている。
機動戦士ガンダムUC』では、トリントン基地襲撃に参加。小説版ではジオン軍残党シンブ隊のキャンドル中尉の愛機として登場し、ヨンム・カークス少佐の乗るザクI・スナイパータイプを援護する。OVA版では、アジアのジオン残党の基地となっているグレイファントム級の残骸[52]からドダイYSに乗って出撃している。漫画『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』にも、シンブ隊隊長キャンドルの搭乗機として登場している。
備考
初出はムック『劇場版 機動戦士ガンダム アニメグラフブック』に掲載されたイラストで(説明では対空砲がビーム砲であるとされていた)、これをもとに『MSV』において背面画稿と詳細な設定が追加され、プラモデルとしても発売された。『Ζガンダム』に登場したカラーリングのものも発売され、2008年8月には『マスターグレード』として「ザク Ver.2.0」をベースとしたものが発売された。

ザクハーフキャノン編集

諸元
ザクハーフキャノン
ZAKU HALF CANNON
型式番号 MS-06JK
所属 ジオン公国軍
頭頂高 17.5m
全備重量 81.6t
武装 ザクキャノンと同じ

メカニックデザイン企画『MSV-R』に登場。

ザクキャノンのランドセルおよび右肩シールドをオプション化し、J型に換装した機体。K型の試作終了後にキャリフォルニアベースで開発されたもので、火器管制システムもK型のものから一部に変更が加えられた。一部機体はK型と同様の迷彩塗装が施されている。オプションの生産は24セットが決定され、セットの中には180mmキャノン砲のオプションとしてK型同様のガトリング砲も用意されている。

なお、ザクキャノン自体が開発開始時のマザープランである「対空砲装備型ザク」ではJ型にオプションの対空砲を装備するという、本機に近い仕様になる予定だったが、重量バランスの悪さや不確定なニーズなどを原因として、一時開発凍結を経て実機の形に改められている。

また、本機が設定される以前に発売されたアクションフィギュア「MOBILE SUIT IN ACTION!! ジオン軍地球侵攻作戦」では、ザクキャノンのランドセルと同型の「キャノンパック」が設定されており、通常のJ型への装備が可能となっている。

ザク・ハーフキャノン(MSD版)編集

諸元
ザク・ハーフキャノン
ZAKU HALF CANNON
型式番号 MS-06CK
所属 ジオン公国軍
頭頂高 17.5m[53]
全幅 9.2m(スパイク含む:9.7m)[53]
武装 180mmキャノン砲
ガトリング・ガン
2連装スモーク・ディスチャージャー
ビッグ・ガン×2
ヒート・ホーク
搭乗者 サッシャ・キッツ、他

機動戦士ガンダム THE ORIGIN Mobile Suit Discovery』(以下『MSD』)および漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN MSD ククルス・ドアンの島』に登場。

主にC型をベースとするため、型式番号が変更になっている。C-5型やC-6型をベースとする機体は胸部形状が異なるが、型式番号に変更はない[54]。ただし、J型がベースの場合はMS-06JKとなる[54]。右肩のシールドが通常のザクIIのものとなっており、塗り分けもMSV-R版と異なるが、MSD版をもとにMSV-R版を再現したカラー画稿も存在する[54]

作中での活躍
漫画『ククルス・ドアンの島』では、ジャブロー攻略戦でサッシャ・キッツ少尉が搭乗するC-6型ベースの機体[54](頭部にブレード・アンテナ装備)とともに、C型(あるいはJ型)ベースの機体も3機(パイロットはギル二等兵、フース二等兵、ロウ上等兵)登場し、ガウ攻撃空母から地上に降下する。塗装はいずれも通常のザクIIと同様で、キッツ機のみ左肩のスパイクが黄色く塗られ、右肩に以前所属していたY-02小隊のエンブレムが描かれている。

ザク・キャノン (MSD版)編集

ザク・キャノン テストタイプ編集

『MSD』に登場(型式番号:YMS-06K)。

対MS戦用に切り替わる以前の、高機動な防空手段として検討された試作機[54]。上半身やランドセルはザクキャノンとほぼ変わらないが、膝から下が通常のザクIIのものになっている。重量バランスの問題により、開発は停滞する[54]

なお、防空用としての計画時点でザクキャノンの特徴的な装備が組み込まれていたとするのはMSD独自の解釈である[54]

ザクトレーラーキャノン編集

漫画『機動戦士ガンダム バニシングマシン』に登場。名称は現地部隊によってつけられたもので、制式なものではない。

歩行不能に陥ったザクキャノンの上半身を、ザクタンクと同じ要領でトレーラー[注 4]の荷台に左向きに固定した機体である。武装は180mmキャノン砲とザクマシンガンのほか、トレーラーヘッドの上部に機関銃1挺を備えている。

義勇兵部隊「ヤーコブ隊」が、連邦軍のオデッサへの進撃を受けて撤退する部隊の殿を務める際に現地で急造し、連邦軍部隊との戦闘に投入する。最終的にはぬかるみに入ったところで陸戦型ジムの攻撃を受けて横転し、撃破される。

ミサイル装備型ザク編集

ツクダホビーウォー・シミュレーションゲーム『ジーク ジオン』の拡張キット『トワイライト オブ ジオン』に登場(型式番号:MS-06L)。

ザクIIの肩部シールドとスパイク・アーマーを外し、ミサイル・ポッドを両肩(5連装)・両前腕・両脚(3連装)・腰部両側面(2連装)に装備した機体。ほかにヒート・ホークを標準兵装とする。艦隊戦の際の火力支援に使用されている。

脚注編集

注釈編集

  1. ^ 本項では、「ザクI(旧型ザク)」については触れない。
  2. ^ a b c d ただし、のちに「JC型」と変更された『第08MS小隊』版J型の設定からの引用である。
  3. ^ 『MSV-R』での新設定。
  4. ^ 形状はサムソンに類似しているが、サムソンより一回り小型。

出典編集

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  1. ^ a b 『ガンダムセンチュリー』みのり書房、1981年9月、銀河出版、2000年3月(復刻版)、37頁。ISBN 4-87777-028-3
  2. ^ a b 『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション1 ザク編』講談社、1984年4月2日、2006年7月(復刻版)、16-17頁。ISBN 978-4063721751
  3. ^ 『模型情報・別冊 MSバリエーション・ハンドブック1』バンダイ、1983年3月、2-3頁。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』バンダイ、1989年2月20日、54-55頁。ISBN 4-89189-006-1
  5. ^ a b c d 『マスターグレード MS-06J ザク Ver.2.0』説明書、バンダイ、2007年4月、11頁。
  6. ^ 『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション1 ザク編』講談社、1984年4月2日、2006年7月(復刻版)、72-76頁。ISBN 978-4063721751
  7. ^ a b c d 『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション1 ザク編』講談社、1984年4月2日、2006年7月(復刻版)、100-102頁。ISBN 978-4063721751
  8. ^ 『MG 1/100 ザクII』バンダイ、1995年10月、組立説明書、3頁。
  9. ^ 『MG 1/100 ザクII』バンダイ、1995年10月、組立説明書、6頁。
  10. ^ 『MG 1/100 ザクII』バンダイ、1995年10月、組立説明書、11頁。
  11. ^ 皆河有伽『総解説ガンダム辞典Ver1.5』講談社、2009年8月、151頁。ISBN 978-4063757958
  12. ^ a b c d 『MG 1/100 ザクII』バンダイ、1995年10月、組立説明書、13頁。
  13. ^ プラモデル『1/100 マスターグレード ガルマ・ザビ専用 ザクII』バンダイ、2014年12月(プレミアムバンダイ限定)、取扱説明書。
  14. ^ 機動戦士ガンダム 公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS』667頁。
  15. ^ a b c 『機動戦士ガンダム 第08MS小隊 オフィシャルアーカイブス』一迅社、2014年1月、46頁。(ISBN 978-4758013499)
  16. ^ a b 『機動戦士ガンダム MS IGLOO Mission Complete』竹書房、2009年12月、86頁。ISBN 978-4812440933
  17. ^ a b c 『機動戦士ガンダム MS大全集2015』メディアワークス、2015年6月発売、313頁。ISBN 978-4048650960
  18. ^ a b 『マスターグレード MS-06J ザク Ver.2.0』説明書、バンダイ、2007年4月、10頁。
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  20. ^ U.C.HARD GRAPH 公式サイト、「ザ・場面描写-セモベンテ隊」
  21. ^ a b c 『ガンダムメカニクス1』ホビージャパン、1998年5月[要ページ番号]
  22. ^ a b c d e f 『HG MS-06J ザクII』説明書、バンダイ、1998年4月。
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  25. ^ 「機動戦士ガンダムMS大図鑑 PART.11 一年戦争外伝」『機動戦士ガンダムMS大図鑑 宇宙世紀ボックス』メディアワークス、2005年3月、130頁。(ISBN 978-4840229449)
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  27. ^ 『機動戦士ガンダムMS大全集2013[+線画設定集]』アスキーメディアワークス、2012年12月、255頁。ISBN 978-4048912150
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  31. ^ 『機動戦士ガンダム MSV-R ザク編』角川書店、2013年2月、3頁。ISBN 978-4041205921
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  43. ^ 『マスターグレードモデル 1/100 MS-05B「ザクI」』付属説明書、バンダイ、1999年5月、5頁。
  44. ^ 「第2回「ガンダムΖΖ」ここまで書いていいのかな?」『ジ・アニメ』1986年10月号、近代映画社。
  45. ^ a b 『GUNDAM WARS II MISSION ΖΖ』大日本絵画、1987年2月、1991年7月(新装版)、83頁。ISBN 978-4499205269
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  47. ^ 『機動戦士ガンダム MS大全集2003』メディアワークス、2003年4月、106頁。ISBN 978-4840223393
  48. ^ a b 『機動戦士ガンダム MS大全集98』メディアワークス、1998年5月、34頁。ISBN 978-4073085195
  49. ^ 皆河有伽『総解説ガンダム辞典Ver1.5』講談社、2009年8月、154頁。ISBN 978-4063757958
  50. ^ a b 『機動戦士ガンダムMS大全集2013[+線画設定集]』メディアワークス、2012年12月、61頁、290頁。ISBN 978-4048912150
  51. ^ 2015年2月27日の発言 - ときた洸一の公式Twitterアカウント。2017年11月23日閲覧。
  52. ^ 『グレートメカニック DX 19』双葉社、2011年12月、19頁。ISBN 978-4575464627
  53. ^ a b 『HG ザク・ハーフキャノン』説明書、バンダイ、2017年11月。
  54. ^ a b c d e f g 「機動戦士ガンダム THE ORIGIN カトキハジメ メカニカルアーカイブス Vol.22」、『ガンダムエース』2018年2月号、KADOKAWA。

参考文献編集

  • MG ザクキャノン 「ジオン公国MS開発史」

関連項目編集