雑所得(ざつしょとく)とは、所得税における課税所得の区分の一つであって、利子所得配当所得不動産所得事業所得給与所得退職所得山林所得譲渡所得および一時所得のいずれにも該当しない所得をいう(所得税法35条)。

雑所得の例編集

雑所得の金額の計算編集

雑所得の金額は、以下の1と2を合算して計算する。

  1. 公的年金等の収入金額 - 公的年金等控除額
  2. 公的年金等以外の収入金額 - 必要経費

上記のうち公的年金については、通常必要経費は存在しない。しかし、高齢者の生計維持等の社会的要請から、特別に控除額の規定が設けられているといえる。

公的年金等控除額(2020年分以後)
公的年金等の
収入金額
公的年金等の雑所得以外の

合計所得金額が1,000万円以下

公的年金等の雑所得以外の

合計所得金額が
1,000万円超2,000万円以下

公的年金等の雑所得以外の

合計所得金額が
2,000万円超

65歳未満の控除額 65歳以上の控除額 65歳未満の
控除額
65歳以上の
控除額
65歳未満の
控除額
65歳以上の
控除額
130万円未満 60万円 110万円 左記の各控除額より、
一律10万円を減額した額。
左記の各控除額より、
一律20万円を減額した額。
330万円未満 収入金額×25%+27.5万円 110万円
410万円未満 収入金額×25%+27.5万円 収入金額×25%+27.5万円
770万円未満 収入金額×15%+68.5万円 収入金額×15%+68.5万円
1,000万円以下 収入金額×5%+145.5万円 収入金額×5%+145.5万円
1,000万円超 一律195.5万円 一律195.5万円
2020年分以後、公的年金等の雑所得と給与所得との合計額が10万円を超える場合には、給与所得の計算上所得金額調整控除(最大10万円)がある。
(旧)公的年金等控除額(2019年分迄)
公的年金等の収入金額 65歳未満の控除額 65歳以上の控除額
70万円未満 収入金額 収入金額
120万円未満 70万円 収入金額
130万円未満 70万円 120万円
330万円未満 収入金額×25%+37.5万円 120万円
410万円未満 収入金額×25%+37.5万円 収入金額×25%+37.5万円
770万円未満 収入金額×15%+78.5万円 収入金額×15%+78.5万円
770万円以上 収入金額×5%+155.5万円 収入金額×5%+155.5万円

課税方式編集

雑所得の金額は、特例に該当するものを除き総合課税とされる。他の所得と合算されて総所得金額へ集約される。

先物取引に係る雑所得等の課税の特例編集

先物取引および外国為替証拠金取引(FX)の取引所取引は、「先物取引に係る雑所得等」として所得税15.315%、住民税5%の申告分離課税である[1]。2012年(平成24年)分以後の店頭取引のFXも申告分離課税となり、割引債の償還差益も2016年以後発行分から同様となった(同族会社の株主等が支払いを受けるものは総合課税)。

特例として許可されている金融商品以外は全て特例の対象外で総合課税であり、2019年現在、スワップションクレジットデリバティブ、外国市場デリバティブ取引[2]、日本国内の金融機関・証券会社以外との店頭デリバティブ取引・店頭商品デリバティブ取引[1]、仮想通貨の取引などは特例の対象外。

金融類似商品編集

定期積金の給付補てん金、抵当証券の利息、金投資口座(金貯蓄口座)の利益、為替予約付外貨預金の為替差益などの金融類似商品の収益は、所得税15.315%、住民税5%の源泉分離課税である。[3]

確定申告不要編集

年末調整を受けた給与所得者の雑所得の金額が20万円を超えると、確定申告する義務がある。所得税法第121条1項1号によると、給与所得及び退職所得以外の所得金額が20万円以下なら確定申告してもしなくてもよい。公的年金等の収入金額が400万円以下の納税者は、その他の所得が20万円以下の場合には同様に確定申告をする必要はない。いずれも他に所得があったり、所得控除等を受けるために確定申告をする場合を除く。また、所得税の申告義務は免除されても住民税の申告義務は免除されない。

脚注編集

  1. ^ a b No.1522 先物取引に係る雑所得等の課税の特例|国税庁
  2. ^ 税金読本(10-1)デリバティブ取引の税金の基本 2019年01月09日 | 大和総研グループ | 金融調査部 制度調査課
  3. ^ No.1520 金融類似商品と税金 |所得税|国税庁

関連項目編集

外部リンク編集