電磁戦隊メガレンジャーVSカーレンジャー
スーパー戦隊OVシリーズ VSシリーズ | ||
第2作 | 激走戦隊 カーレンジャー VS オーレンジャー |
1997年3月14日 |
第3作 | 電磁戦隊 メガレンジャー VS カーレンジャー |
1998年3月13日 |
第4作 | 星獣戦隊 ギンガマン VS メガレンジャー |
1999年3月12日 |
『電磁戦隊メガレンジャーVSカーレンジャー』は、1998年3月13日に発売された、東映・東映ビデオ制作のオリジナルビデオ作品。
概要
スーパー戦隊シリーズ『電磁戦隊メガレンジャー』のオリジナルビデオ作品であり、シリーズ前作『激走戦隊カーレンジャー』とのクロスオーバー要素を盛り込んだスーパー戦隊OVシリーズ第3弾でもある。『メガレンジャー』テレビシリーズに比定すると、3学期に入った第46話以降、正体が一般に知られる第49話より前にあたると思われる[1]。
作品内容としては物語の鍵を握る妖精ピコットの争奪戦、それに健太たち5人の卒業アルバムの集合写真撮影を巡るエピソードを主軸に据えつつ、高校生であるメガレンジャーの5人と、サラリーマンであるカーレンジャーの5人との対比が色濃く表れたものとなっている[2]。また本作品では、OVシリーズならではのオリジナル要素のひとつとして、メガレンジャーの新装備である「メガテクター」も登場。オリジナル怪人の登場はシリーズ開始当初からあったものの、ヒーロー側のオリジナル装備などの登場は本作品が初のケースとなった[2]。
『カーレンジャー』の敵だったボーゾック、それに仲間のシグナルマンと天馬家親子はカメオ出演に留まっており[注 1]、本作品ではオリジナルの敵キャラクターとして、新たに宇宙暴走族・ヘルメドーが登場する。
あらすじ
諸星学園の卒業アルバム用集合写真の撮影が行われる日にもかかわらず、宇宙から飛来した謎の光を追って出撃したメガレンジャーは、光の正体である妖精ピコットを守って、宇宙暴走族ヘルメドーを撃退する。だが今度は、どう見ても高校生とは思えない集団が学園に侵入し、ピコットを連れ去ろうとする。彼らカーレンジャーは、宇宙の友達に会いに行ける車を妖精の力で出してもらおうと思っていた。
さらにネジレジアまでもがピコットを狙って参戦する。そこへダップが現れてピコットを預かるが、それはヘルメドーの変装だった。シボレナに洗脳されたカーレンジャーがメガレンジャーを足止めしている間に、ヘルメドーは願いの力でレーザー砲を手に入れるが、カニネジラーと仲間割れしてピコットを奪われる。カニネジラーの願いによって再生サイコネジラー軍団が出現し、メガレンジャーは窮地に陥る。
正気に戻ったカーレンジャーはピコットを取り戻すが、「自分たちの夢は自分たちでかなえる」として最後の願いをメガレンジャーに譲る。妖精の力でメガテクターを装備したメガレンジャーはカーレンジャーと共に悪の勢力を打ち破り、地球での役目を終えたピコットは宇宙へと旅立っていく。
結局、撮影期間中に戻れなかったメガレンジャー5人はそろって集合写真上の丸囲みに入る羽目に。その集合写真の隣にはカーレンジャーやダップと撮った記念写真があったのだった。
オリジナルキャラクター
- 宇宙妖精ピコット
- 宇宙からやってきた妖精。2億4000年に一度、地球にやってくる。普段は貝殻の中に入っており、水(涙でも可)をかけて、頭を2回なでると、5つまで相手が望む願いをかなえてくれる。ピコット自身は優しい性格だが、願いの内容を選ぶことはできず、正しい手順に則っていれば悪い望みでもかなえてしまう。
- 劇中でかなえた願いとその主は、ケーキ(みく)、カツ丼(恭介)、レーザー砲(ヘルメドー)、再生サイコネジラー軍団(カニネジラー)、メガテクター(健太)。
- デザインは下條美治が担当した[3]。
- カニネジラー
- カニ型サイコネジラー。ピコットの力を狙い、メガレンジャー・カーレンジャーに襲い掛かる。防御力が高く、カーレンジャーの攻撃を全く寄せ付けなかった。左手から放つカニバブルが得意技。カニバブルを放つ左手からは高圧の水を放つことも出来、その能力でピコットに願いを叶えさせ、サイコネジラー軍団を復活させた。
- 協定を破ったヘルメドーとも戦いを繰り広げる。さらにレッドレーサーからピコットを脅し取ろうとするが、欺かれてカツ丼を受け取ってしまい、もたついている間に最後の願いをメガレンジャーに使われ、カーレンジャーのオートパニッシャー(レッドのみ)と個人武器(レッド以外)による飛び道具攻撃に加え、メガレンジャーのレインボーインパルスを受けて敗れる。
- ビビデビの力で巨大化した後の戦闘では、ウイングメガボイジャーのウインガースパルタンで倒された。
- デザインは下條美治が担当した[4]。
- 宇宙暴走族ヘルメドー
- 宇宙暴走族の1人。自分専用のバイクと剣、ショットガンを持ち、バイクでバリアを展開。自身の力で巨大化することも可能。ジェイル星の宇宙刑務所に200年の間服役中だったが、その後脱獄した。ボーゾックとの関係性はないが、彼ら同様地球を「チーキュ」、変身前の健太たちを「一般市民」と呼んでいた。ピコットを手に入れ、自らが望む暴走族だらけの世界「暴走天国」を宇宙に創造しようと企む。
- 野望を妨害しようとしたメガレンジャーと交戦。ドリルスナイパーカスタムやマルチアタックライフルをバイクに搭載されたバリア装置で無効化するも、メガシルバーの乱入で窮地に陥る。巨大化後の戦闘では、ギャラクシーメガと交戦して、バリアで優位に立つが、スーパーギャラクシーメガのガトリングブラスターでバイクのバリアを破壊されてしまい、止めを刺される直前に等身大に戻って撤退した。
- その後、カーレンジャーの登場で作戦を練り直そうとしていたネジレジアを利用すべく彼らと手を組み、ダップに変装して、ピコットを奪取。最初の願いとして巨大レーザー砲を出現させて、ジェイル星を破壊するが、暴走天国を作るという最大の願いを言う前にカニネジラーにピコットを奪われる。ピコットを奪い返すべく、カニネジラーと対決するも力及ばず瀕死の状態となり、シボレナに洗脳される。以後はネジレジアの野望の為、ピコットを捜し求めるが、カニネジラーや再生サイコネジラー軍団と共に2大戦隊の連続攻撃に敗れる。
- ビビデビの巨大化ウイルスを注入されて行った2度目の巨大戦では、ジェイル星を消滅させたレーザー砲でメガボイジャーとRVロボを消滅させようとするが、メガウインガーのウインガーキャノンでレーザー砲を消滅させられ、最期はRVロボのRVソード・激走斬りによって倒された。
- デザインは野崎明が担当した[5]。テレビシリーズでのボーゾックと異なり暴走族が直接のモチーフとなっている[5]。
- 再生サイコネジラー軍団
- カニネジラーの願いにより、ピコットが再生させたサイコネジラーたち。トカゲネジラー、コンドルネジラー、ライオンネジラー、ヤマアラシネジラー、カマキリネジラーの5体が復活した。最初はメガレンジャーを圧倒し、窮地に陥れるが、メガレンジャーがメガテクターを纏い、カーレンジャーとも共闘したことで形勢が逆転。カニネジラーとヘルメドー同様に2大戦隊の連続攻撃で倒される。
装備・戦力
- メガテクター
- みくの涙と健太の「俺たちに力をくれ」の願いに応えたピコットが出現させたメガレンジャー用の金色の強化装甲。胴体・肩・手首・手に装備。パワー、スピード、ジャンプといった各種能力が数倍にパワーアップ。
- メガテクターを用いての技は体当たりのテクタークラッシュ(メガイエローとメガピンクが同時に使用)、全員で光の弾丸と化して体当たりするレインボーインパルス。
- マーキング弾
- メガスリングから発射する。打ち込んだ相手を追跡する機能がある。
スタッフ
キャスト
- 伊達健太 / メガレッド(声):大柴邦彦
- 遠藤耕一郎 / メガブラック(声):江原淳史
- 並樹瞬 / メガブルー(声):松風雅也
- 城ヶ崎千里 / メガイエロー(声):田中恵理
- 今村みく / メガピンク(声):東山麻美
- 早川裕作 / メガシルバー(声):金井茂
- 陣内恭介 / レッドレーサー(声):岸祐二
- 土門直樹 / ブルーレーサー(声):増島愛浩
- 上杉実 / グリーンレーサー(声):福田佳弘
- 志乃原菜摘 / イエローレーサー(声):本橋由香
- 八神洋子 / ピンクレーサー(声):来栖あつこ
- 久保田衛吉:斎藤暁
- 大岩先生:野添義弘
- 健太の父:高月忠
- 健太の母:大井小町
- Dr.ヒネラー:森下哲夫
- シボレナ:城麻美
声の出演
スーツアクター
音楽
- 主題歌
- 挿入歌
-
- 「MEGARANGER "THE CYBERDELIX"」
- 英作詞:T-CRANE / 作曲・編曲:奥慶一 / 歌:MEGA MICKEY
- 「Don't Stop! メガシルバー」
- インストゥルメンタル版が使用された。
メディア
- 1998年3月13日:VHSレンタル開始。
- 1998年3月21日:レーザーディスク発売。
- 1998年7月21日:VHS発売。
- 2001年3月21日:DVD発売[6]。
脚注
注釈
- ^ 元総長ガイナモが店長を務める「キッチンがいなも」の弁当が登場する。またカーレンジャーの思い出の写真にはボーゾックやシグナルマンと天馬家親子が写っている物もある。
出典
- ^ VS超記録, p. 64.
- ^ a b 完全マテリアルブック & 2002", p. 108.
- ^ 百化繚乱 下之巻 2012, p. 105.
- ^ 百化繚乱 下之巻 2012, p. 55.
- ^ a b 百化繚乱 下之巻 2012, p. 37
- ^ 「綴込特別付録 宇宙船 YEAR BOOK 2002」『宇宙船』Vol.100(2002年5月号)、朝日ソノラマ、2002年5月1日、 169頁、 雑誌コード:01843-05。
参考文献
- 『スーパー戦隊VSシリーズ 超記録ファイル』角川書店、2001年9月25日。ISBN 4-04-853385-1。
- 『25大スーパー戦隊シリーズ 完全マテリアルブック 上巻』勁文社、2002年1月1日。ISBN 4-7669-3975-1。
- 『東映スーパー戦隊シリーズ35作品記念公式図録 百化繚乱 [下之巻] 戦隊怪人デザイン大鑑 1995-2012』グライドメディア、2012年10月16日。ISBN 978-4-8130-2180-3。