青春アニメ全集

日本のテレビアニメ番組

住友生命 青春アニメ全集』(すみともせいめい せいしゅんアニメぜんしゅう)は、1986年4月25日から同年12月26日まで日本テレビ系列局 (NNS) で放送されたテレビアニメである。住友生命保険の一社提供。全34話[注 1]。放送時間は毎週金曜 19:00 - 19:30 (日本標準時、以下同)。

住友生命 青春アニメ全集
ジャンル 日本文学
アニメ
総監督 黒川文男
脚本 吉田憲二、中西隆三、宮崎晃、
松田昭三、山田正弘永原秀一
キャラクターデザイン 椛島義夫小林治石森章太郎
小川博司、熊田勇、しまだひであき、
ちばてつや本宮ひろ志
音楽 坂田晃一山本純ノ介島津秀雄
製作 日本テレビ電通大阪支社、
日本アニメーション
放送局 日本テレビ系列
放送期間 1986年4月25日 - 1986年12月26日
話数 全34話
テンプレート - ノート
プロジェクト アニメ
ポータル アニメ

概要

近代以降の日本文学作品をアニメ化し、それらを1週から3週に分けて放送。『世界名作劇場』を製作した日本アニメーションによる、『日本名作劇場』と言えるシリーズである。『小公女セーラ』のヒット以降、1980年代後半には名作文学を原作としたアニメ作品が多く作られているが、このシリーズもその一つと言える。日本テレビが日本アニメーションと共同製作した唯一のテレビアニメシリーズでもある。

住友生命の支店や代理店はこの番組以降、自社の提供番組のポスターを貼り出して大々的に宣伝していた。番組終了後のヒッチハイクでは、前番組『全日本歌まね選手権』からの流れで牛乳石鹸の製品CMが流れていた。

日本テレビでは未放送となった「学生時代」と「友情」の2話は、1987年10月8日と同年10月15日テレビ朝日系列局 (ANN) で『青春名作アニメ』(せいしゅんめいさくアニメ)と題して放送された。こちらは木曜 19:30 - 20:00 に放送。

放送作品

◎印は、新潮文庫から『名作アニメシリーズ』としてコミカライズされたもの。★印は、金の星社から『アニメ日本の名作』として刊行されているもの。

原作を忠実にアニメ化しているが、1作品に当てられるのが1 - 3回と少なく、他の文学作品を原作にしたアニメと比べ、放送当時は地味な印象であったようだ。しかし、本宮ひろ志が『坊っちゃん』の、ちばてつやが『姿三四郎』の、石ノ森章太郎が『屋根裏の散歩者』など江戸川乱歩作品三編の、村生ミオが赤川次郎二作品と『人生劇場』の、と第一線の漫画家がキャラクターデザインを担当。脚本に吉田憲二、若杉光夫、三村晴彦といったベテラン映画監督が参加。また『高野聖』では、妖術使いの女の声を、声の仕事はほとんどない女優・真野響子が担当しているなど、スタッフ、キャストには力が入れられていることが分かる。また、『姿三四郎』『伊豆の踊子』『太陽の季節』など、映画化された作品が多いことも特徴。ナレーターは女優の木内みどりが担当している。

キャスト

伊豆の踊子
野菊の墓
風立ちぬ
潮騒
オリンポスの果実
坊ちゃん
放浪記
舞姫
路傍の石
たけくらべ
あすなろ物語
高野聖
怪談
ホームタウンの事件簿
  • 笠井 京子 - 藤田淑子(「天からの声」にも出演)
  • 笠井 隆一(夫) - 富山敬(「天からの声」にも出演)
  • 笠井 良子(娘) - 本多知恵子(「天からの声」にも出演)
  • 馬渕(夫) - 島田敏
  • 馬渕 静子(妻) - 滝沢久美子
  • 馬渕 典子(娘) - 高木早苗
  • 課長 - 緒方賢一
  • 園長 - 片岡富枝
  • 作業員 - 大滝進矢
  • 11階の住人 - 佐藤正治
  • 団地夫人 - 頓宮恭子
  • 団地夫人 - 堀越真己
天からの声
太陽の季節
人生劇場
春琴抄
ビルマの竪琴
  • 井上隊長 - 山本圭
  • 水島上等兵 - 内田直哉
  • 婆さん - 麻生美代子
  • 伊東軍曹 - 緒方賢一
  • 鈴木上等兵 - 玄田哲章
  • 馬場上等兵 - 喜多川拓郎
  • 小林上等兵 - 島田敏
  • 阿部一等兵 - 塩屋翼
  • 丸山一等兵 - 沢木郁也
  • 岡田一等兵 - 沢りつお
  • オウム - 龍田直樹
  • ビルマの少年 - 坂本千夏
  • インド兵 - 石塚運昇
  • インド兵 - 大滝進矢
姿三四郎
屋根裏の散歩者
  • 明智 小五郎 - 小川真司(「心理試験」「赤い部屋」にも出演)
  • 小林刑事 - 神山卓三(「心理試験」にも出演)
  • 郷田 三郎 - 鈴置洋孝
  • 遠藤 一郎 - 玄田哲章
  • ミネコ(白梅軒のウェートレス) - 岡本麻弥
心理試験
  • 蕗屋 清一郎 - 千葉繁
  • 古賀 ふさ - 北川智絵
  • 斉藤 勇 - 林一夫
奉教人の死
  • ろおれんぞ - 戸田恵子
  • しめおん - 小川真司
  • 伴天連 - 松岡文雄
  • 喜助 - 村越伊知郎
  • いね - 鷹森淑乃
高安犬物語
学生時代
  • 澄子 - 藤井佳代子
  • 健吉 - 中尾隆聖
  • 健次 - 菊池正美
  • 姉 - 池田昌子
  • 義兄 - 徳丸完
  • 校長 - 藤本譲
  • 佐藤 - 鈴置洋孝
  • 松井 - 龍田直樹
  • 田中 - 大滝進矢
  • 試験官 - 喜多川拓郎
  • 学生 - 小野健一
友情
  • 杉子 - 土井美加
  • 野島 - 井上和彦
  • 大宮 - 石丸博也
  • 武子 - 小宮和枝
  • 村岡 - 納谷六朗
  • 早川 - 鈴置洋孝
  • 仲田 - 林一夫
  • 一高生 - 小野健一
  • 仲田の母 - 峰あつ子
  • 大宮の母 - 竹口安芸子

放送日

[1][2]

話数 放送日 サブタイトル
第1話 1986年
4月25日
伊豆の踊子
第2話 5月2日 潮騒 前編 春のめざめ
第3話 5月9日 潮騒 後編 夏のあらし
第4話 5月16日 野菊の墓
第5話 5月23日 風立ちぬ
第6話 5月30日 オリンポスの果実
第7話 6月6日 坊っちゃん 前編 新任教師怒る!
第8話 6月13日 坊っちゃん 後編 赤シャツ退治!
第9話 6月20日 放浪記「風琴と魚の町」より
第10話 6月27日 舞姫
第11話 7月4日 あすなろ物語
第12話 7月18日 路傍の石 前編 中学志望
第13話 7月25日 路傍の石 後編 つらい日々
第14話 8月1日 たけくらべ
第15話 8月8日 高野聖
第16話 8月15日 怪談 芳一ものがたり
第17話 8月29日 赤川次郎 ホームタウンの事件簿
第18話 9月5日 赤川次郎 天からの声
第19話 9月12日 人生劇場
第20話 9月19日 太陽の季節 危険な青春
第21話 10月3日 春琴抄 心の糸鳴ります
第22話 10月17日 姿三四郎 第一部 紘道館の風雲児
第23話 10月24日 姿三四郎 第二部 必殺の山嵐
第24話 10月31日 姿三四郎 第三部 右京ヶ原の対決
第25話 11月7日 ビルマの竪琴 前編 埴生の宿
第26話 11月14日 ビルマの竪琴 後編 別れのうた
第27話 11月21日 明智小五郎 屋根裏の散歩者
第28話 11月28日 明智小五郎 心理試験
第29話 12月5日 明智小五郎 赤い部屋
第30話 12月12日 新釈 遠野物語
第31話 12月19日 天に昇る愛
第32話 12月26日 シロ、北へ帰る
第33話 1987年
10月8日
学生時代
第34話 10月15日 友情

スタッフ

主題歌

エンディングテーマ - 「青春は舟」
作詞 - なかにし礼 / 作曲 - 坂田晃一 / 編曲 - 島津秀雄 / 歌 - ダ・カーポ(レーベル - 日本コロムビア
この曲はダ・カーポのアルバムにはほとんど収録されず、アニメソングコンピレーション・アルバムに多く収録されている。

放送局

※放送系列は放送当時、放送日時は個別に出典が掲示されている局を除き1986年8月中旬 - 9月上旬時点のものとする[3]

放送地域 放送局 放送日時 放送系列 備考
関東広域圏 日本テレビ 金曜 19:00 - 19:30 日本テレビ系列 制作局
北海道 札幌テレビ
青森県 青森放送 日本テレビ系列
テレビ朝日系列
岩手県 テレビ岩手 日本テレビ系列
秋田県 秋田放送
山形県 山形テレビ フジテレビ系列 [4]
宮城県 ミヤギテレビ 日本テレビ系列
福島県 福島中央テレビ
山梨県 山梨放送
新潟県 テレビ新潟
静岡県 静岡第一テレビ
富山県 北日本放送
福井県 福井放送
中京広域圏 中京テレビ
近畿広域圏 読売テレビ
鳥取県島根県 日本海テレビ
広島県 広島テレビ
山口県 山口放送 日本テレビ系列
テレビ朝日系列
徳島県 四国放送 日本テレビ系列
香川県・岡山県 西日本放送
愛媛県 南海放送
高知県 高知放送
福岡県 福岡放送
長崎県 テレビ長崎 フジテレビ系列
日本テレビ系列
熊本県 熊本県民テレビ 日本テレビ系列
大分県 テレビ大分 フジテレビ系列
日本テレビ系列
テレビ朝日系列
石川県 北陸放送 日曜 15:55 - 16:25(1986年4月27日開始時点)[5]
土曜 17:00 - 17:30(1986年10月4日以降)[6]
TBS系列
長野県 信越放送 土曜 17:00 - 17:30[7] [8]
宮崎県 テレビ宮崎 日曜 8:30 - 9:00[9] フジテレビ系列
日本テレビ系列
テレビ朝日系列

書籍

新潮社が企画協力で参加しており、新潮文庫から『青春アニメ全集・原作シリーズ』として本編(アニメ)映像が表紙の本が出版された。また、一部の作品は同文庫から、フィルム映像を組み合わせてコミック化したものを『名作アニメシリーズ』として1986年12月から1987年12月まで発行された。

1998年には、金の星社から本編映像をふんだんに使ったアニメ絵本『アニメ 日本の名作』シリーズとして、本編から選り抜いた10編が児童書として発刊。重版もされているので現在でも容易に手に入る。

ビデオソフト

『新釈遠野物語』以外の全話が、新潮社よりビデオソフト化。2006年時点では、『アニメ文学館』として毎日EVRシステム毎日放送のグループ会社、現・放送映画製作所)から発売されている。

その他

中京テレビで、本番組同時ネット中に誤って裏番組の『野生の王国』冒頭が放送される放送事故が発生した。

脚注

  1. ^ テレビドラマデータベース
  2. ^ テレビアニメ放映リスト
  3. ^ 「テレビ局ネットーワーク」『アニメディア』1986年9月号、学研、81 - 83頁。 
  4. ^ 当時、テレビ朝日系列とのクロスネット局だった山形放送では同時間帯に『まんが日本昔ばなし』(第2期、毎日放送制作、TBS系列)を遅れネット。
  5. ^ 北國新聞』1986年4月27日付朝刊テレビ欄
  6. ^ 『北國新聞』1986年10月4日付朝刊テレビ欄
  7. ^ 1986年4月26日、12月27日 信濃毎日新聞 テレビ欄
  8. ^ 当時、テレビ朝日系列とのクロスネット局だったテレビ信州では同時間帯に『ドラえもん』を同時ネット。
  9. ^ 「全国縦断放映リスト」『アニメージュ』1986年3月号、徳間書店、113頁。 

注釈

  1. ^ 一部の書籍やサイトでは全35話とされているが実際は全34話である。

関連項目

外部リンク

日本テレビ系列 金曜19:00枠
(本番組から住友生命一社提供枠)
前番組 番組名 次番組
全日本歌まね選手権
(1985年10月 - 1986年3月)
住友生命 青春アニメ全集
(1986年4月25日 - 1986年12月26日)
人気スターチーム対抗歌合戦
(1987年1月9日 - 1987年3月20日)
テレビ朝日系列 木曜19:30枠
ディズニー劇場 ガミー・ベアの冒険
(1987年4月9日 - 1987年9月17日)
青春名作アニメ
(1987年10月8日 - 1987年10月15日)
ニュースシャトルANN
(1987年10月22日 - 1989年3月30日)
※19:20 - 20:00、帯番組