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飯田弘之

日本の将棋棋士、人工知能学者
曖昧さ回避 元プロ野球選手の「飯田宏行」とは別人です。

飯田 弘之（いいだ ひろゆき、1962年1月17日 -）は、日本の将棋棋士、棋士番号は159。また、人工知能学者であり博士（工学）。山形県西村山郡西川町出身。

 飯田弘之 七段
名前 飯田弘之
生年月日 (1962-01-17) 1962年1月17日（63歳）
プロ入り年月日 1983年3月4日(21歳)
引退年月日 2014年3月31日（52歳）
棋士番号 159
出身地 山形県西村山郡西川町
所属 日本将棋連盟（関東）
師匠 大内延介九段
段位 七段
棋士DB 飯田弘之
戦績
通算成績 164勝207敗(.442)
竜王戦最高クラス 4組(3期)
順位戦最高クラス C級2組
2018年4月20日現在
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将棋棋士としては大内延介九段門下で、2014年3月31日に現役引退[1]。

経歴

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4歳か5歳の頃、父がやっているのを見て将棋を覚える[2]。13歳、奨励会入会のときに上京。

奨励会時代に上智大学理工学部数学科に入学。柔道部に所属し、練習が終わってから東京・将棋会館に行って将棋の勉強をする毎日だった[3]。3年生の終わりの頃の1983年3月4日に四段昇段し、将棋のプロ棋士となる。山形県出身の将棋棋士は、1951年に引退した北楯修哉以来、飯田が2人目であった。

棋士として

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1986年度、26勝12敗・勝率0.684の成績を収める。

1987年度、第18回新人王戦で準優勝（決勝三番勝負で森内俊之に0-2で敗れる）。同年度、第36期王座戦一次予選4回戦で初めて羽生善治と当たり、勝利。この頃から将棋とコンピュータの関係に興味を持ち、翌1988年から東京農工大学でコンピュータ将棋の研究を始める[3]。

大学院生であった1992年、オランダのリンブルグ大学に客員研究員として派遣されることになり、ヨーロッパでの将棋の普及も行うため1年間の休場を申し出た。しかし、順位戦の休場の規定に特例がないため認められず、飯田は第51期順位戦（1992年度）C級2組で全局不戦敗となった[注 1][注 2]。次年度の第52期順位戦（1993年度）C級2組には出場し4勝6敗の成績を収めたが、当期終了後の1994年3月にフリークラス宣言を行い[注 3]、順位戦への出場資格を放棄した。

1994年のフリークラス宣言後は、出場中の棋戦の敗退(終了)をもって棋士としての活動を実質的に休業した。1994年8月5日に行われた第7期竜王戦5組残留決定戦では、菊地常夫に勝利して5組に‘残留’し、菊地を6組降級に追い込んでいる。同年9月21日の第66期棋聖戦一次予選2回戦の佐伯昌優戦で勝利したのが現役最後の対局となった（3回戦の剱持松二戦は不戦敗）。フリークラス宣言以降となる1994年度の成績は4勝7敗（うち反則負け=1、不戦敗=1）だった。1994年10月から休場となり、以降の対局は一局も組まれなかったが、対局がない期間も規定上は現役棋士であり、『将棋世界』の「フリークラス棋士一覧」に掲載されていた。

2014年3月31日、フリークラス規定(定年)により正式に現役を引退した[1]。

研究者として

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飯田弘之
生誕 1962年1月17日
山形県西村山郡西川町
国籍   日本
研究分野 人工知能
研究機関 北陸先端科学技術大学院大学
出身校 東京農工大学
主な受賞歴 2011年 CSA貢献賞
プロジェクト:人物伝
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1994年、現役棋士でありながら東京農工大学で博士（工学）の博士号を取得。1994年から1996年まで新技術事業団科学技術特別研究員。1996年から2000年まで静岡大学情報学部講師（1999年にマーストリヒト大学客員教授）。2000年から2005年まで静岡大学情報学部助教授（2003年から2006年まで科学技術振興機構戦略的創造事業さきがけ研究員）。

2005年以降は北陸先端科学技術大学院大学教授（情報科学研究科、情報科学専攻・人工知能領域）に就任した。

コンピュータ将棋を主とした計算機科学としてのゲーム情報学の研究を中心に行っており、自身の研究室ではコンピュータ将棋ソフト「TACOS」を開発している。2005年、TACOS は橋本崇載五段（当時）と平手の対局を行い、敗れたものの善戦した（当該項目「TACOS」を参照）。

2011年、コンピュータ将棋協会（CSA）からCSA貢献賞を授賞された。

最新論文は「The impact of performance degree on players: Exploring player enjoyment and engagement in the dynamic of game process」（2025年）[4]。

昇段履歴

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→昇段規定については「将棋の段級」を参照
  • 1975年11月00日 : 6級（関東奨励会）
  • 1980年00月00日 : 初段
  • 1982年11月00日 : 三段 [5]
  • 1983年03月04日 : 四段（関東奨励会・三段で13勝3敗）[6]
  • 1988年12月06日 : 五段（勝数規定／公式戦100勝、通算100勝）
  • 2000年04月01日 : 六段（フリークラス規定、通算164勝207敗）[7]
  • 2014年03月31日 : 引退（フリークラス棋士規定、通算164勝207敗）[1]
  • 2017年04月01日 : 七段（引退棋士規定）[8]

主な成績

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在籍クラス

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→竜王戦と順位戦のクラスについては「将棋棋士の在籍クラス」を参照
順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始
年度 		(出典)順位戦
出典[9]
 (出典)竜王戦
出典[10]
期 名人 A級 B級 C級 0 期 竜王 1組 2組 3組 4組 5組 6組 決勝
T
1組 2組 1組 2組
1983 42 C242 4-6 第23期十段戦 予選敗退
1984 43 C229 5-5 第24期十段戦 予選敗退
1985 44 C220 5-5 第25期十段戦 予選敗退
1986 45 C222 8-2 第26期十段戦 予選敗退
1987 46 C204 6-4 1 4組 -- 1-2
1988 47 C212 6-4 2 4組 -- 2-2
1989 48 C217 4-6 3 4組 -- 0-3
1990 49 C233 4-6 4 5組 -- 1-2
1991 50 C234 4-6 5 5組 -- 4-2
1992 51 C237x 0-10 6 5組 -- 休場
1993 52 C249* 4-6 7 5組 -- 1-2
1994 53 F宣 8 5組 -- 休場
1995 54 F宣 9 5組 -- 休場
1996 55 F宣 10 (休場、竜王戦ランキング 対象外、以下引退まで同様)[11]
1997 56 F宣 11 (休場) --
1998 57 F宣 12 (休場) --
1999 58 F宣 13 (休場) --
2000 59 F宣 14 (休場) --
2001 60 F宣 15 (休場) --
2002 61 F宣 16 (休場) --
2003 62 F宣 17 (休場) --
2004 63 F宣 18 (休場) --
2005 64 F宣 19 (休場) --
2006 65 F宣 20 (休場) --
2007 66 F宣 21 (休場) --
2008 67 F宣 22 (休場) --
2009 68 F宣 23 (休場) --
2010 69 F宣 24 (休場) --
2011 70 F宣 25 (休場) --
2012 71 F宣 26 (休場) --
2013 72 F宣 27 (休場) --
2014 2014年3月末でフリークラス期限経過 2014年3月31日 引退
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。
順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 )
順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。
竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。

年度別成績

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公式棋戦成績
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
1983年度 30 10 20 0.3333 [出典無効][12]
1984年度 38 17 21 0.4774 [出典無効][13]
1985年度 31 12 19 0.3871 [出典無効][14]
1986年度 38 26 12 0.6842 [出典無効][15]
1987年度 45 24 21 0.5333 [出典無効][16]
1988年度 37 21 16 0.5676 [出典無効][17]
1989年度 37 14 23 0.3784 [出典無効][18]
1990年度 32 12 20 0.3750 [19]
1983-1990
(小計) 		288 136 152
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
1991年度 30 11 19 0.3670 [20]
1992年度 18 4 14 0.2220 [21]
1993年度 24 9 15 0.3750 [22]
1994年度 11 4 7 0.3630 [23]
1995年度 0 0 0 -.---0 [24]
1996年度 0 0 0 -.---0 [25]
1997年度 0 0 0 -.---0 [26]
1998年度 0 0 0 -.---0 [27]
1999年度 0 0 0 -.---0 [28]
2000年度 0 0 0 -.---0 [29]
1991-2000
(小計) 		83 28 55
1993-2000
累計 		371 164 207 0.4420
2001年度
-
2013年度 		0 0 0 -.---0 [30]
通算 371 164 207 0.4420
2014年3月31日引退

著書

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脚注

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[脚注の使い方]

注釈

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  1. ^ 当期でC級1組昇級を決めた3名の棋士は、いずれも飯田の休場による不戦勝の星は得ていない。
  2. ^ 武者野勝巳は自らのホームページの中で、飯田の全局不戦敗がフリークラスの制度を設ける一因となったと主張している。武者野勝巳. “フリークラス制度について”. マリオ武者野のホームページ. 2011年11月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月22日閲覧。
  3. ^ フリークラスの制度は同年度より設けられ、自身の意思で順位戦の出場資格を放棄できるようになった。飯田はこれを行使した最初の棋士の一人となった。

出典

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  1. ^ a b c 「引退棋士のお知らせ」『日本将棋連盟』2014年4月1日。オリジナルの2018年4月20日時点におけるアーカイブ。2018年4月20日閲覧。
  2. ^ 平成10年版「将棋年鑑」（日本将棋連盟）
  3. ^ a b 「将棋世界」2000年1月号付録
  4. ^ 「研究者総覧 - 飯田　弘之」『北陸先端科学技術大学院大学』。2025年2月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  5. ^ 『近代将棋 1983年1月号』168-169頁。 - 国立国会図書館デジタルコレクション収蔵
  6. ^ 『近代将棋 1983年5月号』170-171頁。 - 国立国会図書館デジタルコレクション収蔵
  7. ^ 『近代将棋 2000年7月号』174頁。 - 国立国会図書館デジタルコレクション収蔵
  8. ^ “昇段・引退棋士のお知らせ｜将棋ニュース｜日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2024年9月4日閲覧。
  9. ^ 「名人戦・順位戦」『日本将棋連盟』。
  10. ^ 「竜王戦」『日本将棋連盟』。
  11. ^ 『将棋年鑑 2014』日本将棋連盟／マイナビ出版、146頁。https://books.google.co.jp/books/publisher/content?id=7UEcBAAAQBAJ&hl=ja&pg=PA146&img=1&zoom=3&sig=ACfU3U2o9orNb5VS6sSAN_w5OeoeJtjYbQ&w=1280。 
  12. ^ [1][出典無効]
  13. ^ [2][出典無効]
  14. ^ [3][出典無効]
  15. ^ [4][出典無効]
  16. ^ [5][出典無効]
  17. ^ [6][出典無効]
  18. ^ [7][出典無効]
  19. ^ 1990年度成績 - 日本将棋連盟
  20. ^ 1991年度成績 - 日本将棋連盟
  21. ^ 1992年度成績 - 日本将棋連盟
  22. ^ 1993年度成績 - 日本将棋連盟
  23. ^ 1994年度成績 - 日本将棋連盟
  24. ^ 1995年度成績 - 日本将棋連盟
  25. ^ 1996年度成績 - 日本将棋連盟
  26. ^ 1997年度成績 - 日本将棋連盟
  27. ^ 1998年度成績 - 日本将棋連盟
  28. ^ 1999年度成績 - 日本将棋連盟
  29. ^ 2000年度成績 - 日本将棋連盟
  30. ^

関連項目

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外部リンク

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