高橋泰邦
高橋 泰邦(たかはし やすくに、1925年5月31日 - 2015年2月12日)は、日本の翻訳家、小説家。
日本推理作家協会会員。日本トール・シップ・クラブ会長。バベル・ユニヴァーシティー講師。
概要編集
東京市(現在の文京区)生まれ。1947年に、早稲田大学理工学部機械学科を中退。
1951年にNHKの芸術祭参加懸賞放送劇佳作入選。1955年に講談社百万円懸賞小説佳作入選。以後、作家、翻訳家として活動。
翻訳、創作とも、ミステリ・海洋小説を主な対象とした。また、若手推理作家の親睦団体「他殺クラブ」に参加。
作家としては、1970年に短編「偽りの晴れ間」が、1971年に長編『軍艦泥棒』が日本推理作家協会賞の候補となった。
1972年より日本翻訳専門学院講師をつとめる[1]。
SF、ノンフィクションも含む翻訳書は多数あるが、「ホーンブロワーシリーズ」「ボライソーシリーズ」「オーブリー&マチュリンシリーズ」等の「帆船時代を舞台とした海洋冒険小説」の翻訳者として、最もよく知られている。
2015年2月12日、虚血性心不全のため死去[3]。89歳没。
著書編集
- 『大暗礁』光風社 1961
- 『日本ミステリ・シリーズ 第2 衝突針路』早川書房 1961(のち、光文社文庫)
- 『紀淡海峡の謎』荒地出版社 1962
- 『賭けられた船』講談社 1963(のち、光文社文庫)
- 『黒潮の偽証』東都書房 1963(のち、光文社文庫)
- 『海の弔鐘』文藝春秋新社 1965(のち、光文社文庫)
- 『海底基地SOS』毎日新聞社 1970(のち、ソノラマ文庫)
- 『偽りの晴れ間』講談社 1970(のち、徳間文庫)
- 『軍艦泥棒』月刊ペン社 1971(のち、ソノラマ文庫)
- 『サドン・デス』祥伝社 1973(のち、徳間文庫)
- 『日本語をみがく翻訳術 翻訳上達の48章』日本翻訳家養成センター 1982
- 『南溟の砲煙』光人社 1983(のち、光人社NF文庫)
- 『南溟に吼える』光人社 1986
- 『永遠の帆船ロマン ホーンブロワーと共に』雄文社 1990
- 『群狼の海』光人社 2000
翻訳編集
- 21世紀潜水艦 フランク・ハーバート 早川書房 1958
- 大真空 チャールズ・E・メイン 早川書房 1959
- 恐ろしい玩具 E・S・ガードナー 早川書房 1959(のち、早川文庫)
- ハートの刺青 エド・マクベイン 早川書房 1960(のち、早川文庫)
- 海底牧場 アーサー・C・クラーク 早川書房 1960(のち世界SF全集、のち早川文庫)
- 電話魔 エド・マクベイン 早川書房 1962(のち、早川文庫)
- 毒入りチョコレート事件 アンソニー・バークリー、東都書房 1962 のち創元推理文庫
- 宇宙行かば マレイ・ラインスター 早川書房 1963
- うまい犯罪、しゃれた殺人 ヘンリー・スレッサー 早川書房 1964(のち、早川文庫)
- ママに捧げる犯罪 ヘンリイ・スレッサー 早川書房 1964(のち、早川文庫)
- 斧 エド・マクベイン 早川書房 1964(のち、早川文庫)
- 灰色のためらい エド・マクベイン 早川書房 1965(のち、早川文庫)
- 壜づめの女房 マイクル・フェッシャー 早川書房、1965
- クレムリンの密書 ノエル・ベーン 早川書房 1966(のち、早川文庫)
- おしゃれ泥棒 マイクル・シンクレア 早川書房 1966
- 原子力潜水艦ドルフィン アリステア・マクリーン 講談社 1966
- ローズマリーの赤ちゃん アイラ・レヴィン 早川書房 1967(のち、早川文庫)
- カスター将軍の最期 ディヴィッド・H・ミラー 早川書房 1967
- 空軍武官ウェンネルストローム暗号名“鷲" トマス・ホワイトサイド 早川書房 1967
- 鍵 ヤン・デ・ハルトグ 講談社 1967
- ミクロ潜航作戦 アイザック・アシモフ 早川書房 1967(のち、『ミクロの決死圏』と改題して早川文庫)
- 大統領専用機行方を断つ ロバート・J・サーリング 早川書房 1968(のち、早川文庫)
- メリー・ディア号の遭難 ハモンド・イネス 講談社 1968(のち、早川文庫)
- シービュー号と海底都市 ポール・W・フェアマン 東京創元新社 1968
- 海軍士官候補生 セシル・スコット・フォレスター 筑摩書房 1969(のち、早川文庫・世界ロマン文庫)
- スハイリ号の孤独な冒険 R・ノックス・ジョンストン 草思社 1970
- 幽霊船 ロビン・モーム 月刊ペン社 1970
- 地の果てから来た怪物 マレイ・ラインスター 創元推理文庫 1970
- 空飛ぶ円盤 ラリー・マドック 東京創元社 1971
- 黄金の女神 ラリー・マドック 東京創元社 1971
- エメラルドの象 ラリー・マドック 創元推理文庫 1972
- 金曜日ラビは寝坊した ハリイ・ケメルマン 早川書房 1972(のち、早川文庫)
- 恐怖の第22次航海 L.ウェア 学習研究社 1972
- 北極基地潜航作戦 アリステア・マクリーン 早川書房 1973(のち、早川文庫)
- スペイン要塞を撃滅せよ セシル・スコット・フォレスター 早川文庫 1973
- トルコ沖の砲煙 セシル・スコット・フォレスター 早川文庫 1974
- パナマの死闘 セシル・スコット・フォレスター 早川文庫 1974
- 原潜919浮上せず ディヴィッド・ラヴァリイ 早川書房 1975(のち、早川文庫)
- 勇者の帰還 セシル・スコット・フォレスター 早川文庫 1975
- 決戦!バルト海 セシル・スコット・フォレスター 早川文庫 1976
- タイム・トラップ ラリー・マドック 創元推理文庫 1976
- イルカの島 アーサー・C・クラーク 角川文庫 1976
- セーヌ湾の反乱 セシル・スコット・フォレスター 早川文庫 1977.4
- スプレー号世界周航記 ジョシュア・スローカム 草思社 1977.7(のち、中公文庫)
- 海軍提督ホーンブロワー セシル・スコット・フォレスター 早川文庫 1978.5
- ナーシサス号を奪還せよ アダム・ハーディ 三崎書房 1978.5
- 全艦エジプトへ転進せよ アダム・ハーディ 三崎書房 1978.7
- ホーンブロワーの誕生 セシル・スコット・フォレスター 早川文庫 1978.9
- 巡洋艦アルテミス C・S・フォレスター パシフィカ 1979.2 のち西武タイム
- スコット ピーター・ブレント 草思社 1979.3
- 砲艦ワグテイル ダグラス・リーマン パシフィカ 1979.4(のち、西武タイム、創元推理文庫)
- 闘う帆船ソフィー パトリック・オブライアン パシフィカ 1979.5
- たった一人の海戦 C・S・フォレスターパシフィカ 1979 のち徳間文庫
- レバント要塞を死守せよ アダム・ハーディ 三崎書房 1979.7
- 若き獅子の船出 アレグザンダー・ケント 早川文庫 1980.1
- 革命の海 アレグザンダー・ケント 早川文庫 1980.8
- 黒い海の怒り バージル・ジャクソン 朝日新聞社 1980.8
- マリアの秘宝を奪取せよ アダム・ハーディ 三崎書房 1980.3
- わが指揮艦スパロー号 アレグザンダー・ケント 早川文庫 1981.6
- 憧れのセールを展翻せよ アダム・ハーディ 三崎書房 1981.7
- 栄光への航海 アレグザンダー・ケント 早川文庫 1982.4
- スペイン戦艦を強奪せよ アダム・ハーディ 三崎書房 1982.8
- 南海に祖国の旗を アレグザンダー・ケント 早川文庫 1983.2
- ナポレオンの密書 セシル・スコット・フォレスター 光人社 1984.9(のち、早川文庫)
- 反逆の南太平洋 アレグザンダー・ケント 早川文庫 1985.9
- 激闘、リオン湾 アレグザンダー・ケント 早川文庫 1987.10
- 白昼の近接戦 アレグザンダー・ケント 早川文庫 1991.1
- 激闘!地中海 パトリック・オブライアン 徳間書店 1993.10
- 危うし、わが祖国 アレグザンダー・ケント 早川文庫 1993.10
- 燃えるバルセロナ沖 パトリック・オブライアン 徳間書店 1993.11
- 孤高の提督旗 アレグザンダー・ケント 早川文庫 1994.6
- 栄光の艦隊決戦 アレグザンダー・ケント 早川文庫 1995.9
- 最後の勝利者 アレグザンダー・ケント 早川文庫 1996.7
- 大暗礁の彼方 アレグザンダー・ケント 早川文庫 1997.2
- 復讐のインド洋 アレグザンダー・ケント 早川文庫 1998.1
- 海軍大将ボライソー アレグザンダー・ケント 早川文庫 1999.2
- 聖十字旗のもとに アレグザンダー・ケント 早川文庫 1999.12
- 提督ボライソーの最期 アレグザンダー・ケント 早川文庫 2000.11
- 新鋭艦長、戦乱の海へ パトリック・オブライアン 早川文庫 2002.12
- 決然たる出撃 アレグザンダー・ケント 早川文庫 2002.3
- 難攻不落、アルジェの要塞 アレグザンダー・ケント 早川文庫 2003.2
- 特命航海、嵐のインド洋 パトリック・オブライアン 早川文庫 2003.9
- 南太平洋、波瀾の追撃戦 パトリック・オブライアン 早川文庫 2004.1
- 無法のカリブ海 アレグザンダー・ケント 早川文庫 2005.1
- 若き獅子の凱歌 アレグザンダー・ケント 早川文庫 2006.1
脚注編集
- ^ 日外アソシエーツ現代人物情報
- ^ 朝日新聞人物データベース
- ^ 訃報:高橋泰邦さん89歳=翻訳家、作家 毎日新聞 2015年3月11日