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鬼城(きじょう、拼音: Guǐchéng グェイチョン)は、ゴーストタウン英語: ghost town)を意味する中国語

本来は無人化した廃墟や死の町を指し、中国語の「」は幽霊や亡霊を意味する忌み言葉であり、中国語の「」は都市も意味する。中華人民共和国では、特に投機目的の不動産投資と開発運営事業の失敗により完成しないまま放置されたり、人々が入居する前に廃れた都市地域を指す表現として使われるようになった。

概要編集

1990年代末から2000年代にかけて、改革開放後の高度経済成長を受けて中国各地で地域は地域開発計画が発表され、それまで無かった鉄道駅空港が新たに建設されると、人や経済の流れも変わり、各地域近隣の住宅地開発も急拡大した。また、地方政府は土地使用権の売買を財源にしていることから暴力団警察も動員した人権侵害とも批判される強引な立ち退きによって死傷者も出す地上げ行為を積極的に行い[1][2][3][4][5]、従来平屋の家がつづく地域が次々と取り壊され、草原空き地だった土地の都市開発も急速に進み、そこには高層の集合住宅が続々と建てられ[6]、「史上最大のバブル」ともされた[7][8]

社会主義国家の中国では土地公有制(国有と集団所有)であることから固定資産税(不動産税)も導入していなかったため[9]、投機的な投資対象となっており[10]、高層住宅の各部屋は売りに出されるもその多くは将来の値上がりと転売による利益を期待した投資目的で住宅ローンを組んで購入されていた。実際に居住に使用しているのは、もともとその地域に暮らしていた住民や購入者のごく一部に限られ、大半の部屋は空き部屋状態のままにされた。中国では内装工事は居住者の好みで行うことが一般的なため、内壁はむき出し(スケルトン)のままで、部屋にエアコンの室外機も取り付けられておらず、夜になっても電灯が灯らないなどで、部屋には人が居住していない実態が外からもわかる。

実例編集

鬼城は具体的には、内モンゴル自治区オルドス市の康巴什新区[11]杭州市郊外の天都城[6]が有名だが、実際には中国各地に同様の鬼城(ゴーストタウン)があるとされる[6]。オルドス市の新興住宅地は100万人都市として計画・開発されたものの、2011年2月の報道では実際に居住しているのは3万人程度で、それにもかかわらず平米あたりの住宅価格は、上海市並に高騰していると伝えられ[12]、「世界最大のゴーストタウン」[13]とも呼ばれた。

2013年7月18日の広東省の週刊経済紙『時代週報』の記事は新たに問題化している鬼城として内モンゴル自治区のオルドス市、清水河県バヤンノール市エレンホト市河南省鄭州市鄭東新区鶴壁市信陽市遼寧省営口市江蘇省常州市鎮江市丹徒区湖北省十堰市雲南省昆明市呈貢区を例に挙げている[14]

また、世界最大のショッピングセンターを目指しながら「鬼城」化した巨大ショッピングモールの例として広東省東莞市万江区新華南モールがある。

アンゴラキランバ新都市英語版は中国企業によってつくられた海外の鬼城(ゴーストタウン)とされる[15]

脚注編集

  1. ^ “中国:上がり続ける不動産価格と政府の土地依存”. 大和総研. (2017年5月15日). https://www.dir.co.jp/report/column/20170515_011970.html 2019年9月20日閲覧。 
  2. ^ “焦点:中国で「暴力辞さぬ」地上げ横行、地方債務の重圧で”. ロイター. (2013年9月4日). https://jp.reuters.com/article/l4n0gz1au-analysis-china-expropriation-d-idJPTYE98302D20130904 2019年9月20日閲覧。 
  3. ^ “中国の地上げ屋は地方政府 死傷者出した酷い役人31人を起訴”. NEWSポストセブン. (2011年10月19日). https://www.news-postseven.com/archives/20111019_65233.html 2019年9月20日閲覧。 
  4. ^ “中国:横行する強制立ち退き。拡大し続ける不満”. アムネスティ. (2012年10月12日). https://www.amnesty.or.jp/news/2012/1012_3510.html 2019年9月20日閲覧。 
  5. ^ “中国農民「地上げ戦争」とバブルの行方”. ニューズウィーク. (2010年7月7日). https://www.newsweekjapan.jp/newsroom/2010/07/post-123.php 2019年9月20日閲覧。 
  6. ^ a b c モーニングサテライト テレビ東京 2010年10月22日放映
  7. ^ “緊迫中国第二弾!潜入"12大ゴーストタウン"...人類史上最大のバブルの行方”. テレビ東京. (2013年10月14日). https://www.tv-tokyo.co.jp/zipangu/backnumber/20131014/ 2019年2月20日閲覧。 
  8. ^ “不動産バブルで増殖するゴーストタウン ―― 中国”. ビジネスインサイダー. (2017年3月8日). https://www.businessinsider.jp/post-1169 2019年2月20日閲覧。 
  9. ^ 橘玲『橘玲の中国私論—世界投資見聞録』ダイヤモンド社、2015年。142頁
  10. ^ “中国高官がこぞって不動産処分?財産公開制導入を前に高級物件を投げ売り”. WEDGE. (2014年6月24日). http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3968 2019年9月20日閲覧。 
  11. ^ オルドス市の鬼城 網易新聞 2010年5月30日(中国語)
  12. ^ 「無人都市 群がるマネー」読売新聞 2011年2月8日
  13. ^ “Welcome to The World's Largest Ghost City: Ordos, China”. ギズモード. (2014年3月12日). https://gizmodo.com/welcome-to-the-worlds-largest-ghost-city-ordos-china-1541512511 2019年2月20日閲覧。 
  14. ^ 「中国新“鬼城”」, 『時代週報』2013年7月18日(中国語)
  15. ^ “Angola's Chinese-built ghost town”. BBC. (2012年7月3日). https://www.bbc.com/news/world-africa-18646243 2019年2月20日閲覧。 

関連項目編集