鬼木誠 (1972年生の政治家)

日本の政治家 (1972-)

鬼木 誠(おにき まこと、1972年10月16日 - )は、日本政治家自由民主党所属の衆議院議員(4期)、防衛副大臣内閣府副大臣

鬼木 誠
おにき まこと
防衛副大臣兼内閣府副大臣の就任に際して公開された肖像写真
生年月日 (1972-10-16) 1972年10月16日(51歳)
出生地 日本の旗 福岡県福岡市
出身校 九州大学法学部法律学科
前職 西日本銀行従業員
所属政党無所属→)
自由民主党森山派→無派閥)
公式サイト 衆議院議員 おにき誠 公式web おにきどんドットコム

選挙区 福岡2区
当選回数 4回
在任期間 2012年12月16日[1] - 現職

選挙区 福岡市中央区
当選回数 3回
在任期間 2003年 - 2012年
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衆議院安全保障委員長環境大臣政務官福岡県議会議員(3期)を歴任。

来歴 編集

福岡県福岡市生まれ[2]。福岡市立田島小学校、福岡市立当仁中学校、ラ・サール高等学校卒業。衆議院議員の大岡敏孝はラ・サール高校の同級生であり、共にラグビー部に所属していた。九州大学法学部法律学科卒業[2]後、西日本銀行(現西日本シティ銀行)に入行し、2002年に退職した[2]

2003年福岡県議会議員選挙に無所属で立候補し、初当選した[2]2007年2011年の県議選で再選し、県議在職中に自由民主党に入党した。

3期目の任期途中に県議を辞職[3]第46回衆議院議員総選挙に自民党公認で福岡2区から出馬し、民主党前職の稲富修二を破り、当選[4]2014年第47回衆議院議員総選挙では、福岡2区で再び稲富修二を破り、再選[5]

2015年6月25日安倍晋三首相を支持する若手議員らを中心に発足した文化芸術懇話会に参加した[6]。同年10月、第3次安倍第1次改造内閣環境大臣政務官に任命された[7]

2016年7月29日、主幹事として「PM2.5越境汚染対策に係る提言 ~青空回復プロジェクト~[8]」を取りまとめる。

2017年第48回衆議院議員総選挙に際しては、福岡2区で希望の党から立候補した稲富修二の猛追を受けるが、僅差で勝利した[9]。福岡県の自民党候補のうち、当選確実が報じられたのは最も遅かった[10]

2021年10月6日、防衛副大臣内閣府副大臣に就任。

同年10月31日の第49回衆議院議員総選挙立憲民主党から立候補した稲富に再び詰め寄られるが僅差で勝利し4選。

2022年8月8日、ソロモン諸島を訪問。政府主催で行われたガダルカナルの戦いの慰霊式に出席した[11]。同年8月12日、防衛副大臣兼内閣府副大臣を退任。

2023年12月14日、自民党5派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金問題で、岸田文雄首相は清和政策研究会(安倍派)の閣僚4人と副大臣5人を事実上更迭。鬼木は宮澤博行の後任として、防衛副大臣兼内閣府副大臣に就任した[12][13]

政策・主張 編集

憲法 編集

  • 憲法改正について、2017年、2021年のアンケートで「反対」と回答[14][15]
  • 9条改憲について、2021年の毎日新聞社のアンケートで「改正して自衛隊の存在を明記すべきだ」と回答[16]
  • 憲法を改正し緊急事態条項を設けることについて、2021年の毎日新聞社のアンケートで「賛成」と回答[16]

外交・安全保障 編集

  • 安全保障関連法の成立について、2017年のアンケートで「評価する」と回答[14]
  • 「他国からの攻撃が予想される場合には敵基地攻撃もためらうべきではない」との問題提起に対し、2017年、2021年のアンケートで「どちらとも言えない」と回答[14][15]
  • 北朝鮮に対しては対話よりも圧力を優先すべきだ」との問題提起に対し、2017年のアンケートで「賛成」と回答[14]。2021年のアンケートで「どちらかといえば賛成」と回答[15]
  • 普天間基地辺野古移設について、2021年のアンケートで「賛成」と回答[15]

ジェンダー 編集

  • 選択的夫婦別姓制度の導入について、2017年のアンケートでは「反対」と回答[14]。2021年のアンケートでは「どちらかといえば反対」と回答[15]
  • 2021年1月、選択的夫婦別姓の導入反対を求める文書を地方議会議長に郵送した(後述)[17]
  • 同性婚を可能とする法改正について、2017年のアンケートで「どちらかと言えば反対」と回答[14]。2021年のアンケートで「どちらとも言えない」と回答[15]
  • LGBTなど性的少数者をめぐる理解増進法案を早期に成立させるべきか」との問題提起に対し、2021年のアンケートで「どちらとも言えない」と回答[15]
  • クオータ制の導入について、2021年の毎日新聞社のアンケートで「反対」と回答[16]

その他 編集

  • アベノミクスについて、2017年のアンケートで「評価する」と回答[14]
  • 安倍内閣による森友学園問題加計学園問題への対応について、2017年のアンケートで「どちらかと言えば評価する」と回答[14]
  • 森友学園への国有地売却をめぐる公文書改竄問題で、2021年5月6日、国は「赤木ファイル」の存在を初めて認めた[18]。しかし5月13日、菅義偉首相はファイルの存在を踏まえた再調査を行わない考えを報道各社に書面で示した[19]9月の自民党総裁選挙で総裁に選出された岸田文雄も10月11日、衆議院本会議の代表質問で再調査の実施を否定した[20]。国の対応をどう考えるかとの同年の毎日新聞社のアンケートに対し回答しなかった[16]
  • 「治安を守るためにプライバシーや個人の権利が制約されるのは当然だ」との問題提起に対し、2017年のアンケートで「どちらとも言えない」と回答[14]。2021年のアンケートで「どちらかと言えば賛成」と回答[15]

不祥事 編集

  • 2021年、当時大流行していた鬼滅の刃のロゴと酷似(全く同じ字体の「鬼」の文字と赤と黒の円形の枠)した選挙ポスターを掲載したことが批判され、著作権を持つ集英社からも一切の関与を否定された[21]ことから、謝罪してポスターを撤去した[22]

人物 編集

旧統一教会との関係 編集

  • ジャーナリスト鈴木エイトが作成した「旧統一教会関連団体と関係があった現職国会議員168人」によれば、旧統一教会関連団体との関係について、2021年の衆院選で教団関係者から選挙支援を受けていたとされる[23]
  • 2022年3月24日、鬼木が代表を務める資金管理団体「鬼木誠後援会」は、統一教会の関連団体「世界平和女性連合」に会費として20,000円を支出した[24]
  • 2022年9月の自由民主党による点検結果では、関連団体会合への出席し挨拶、政治資金規正法上の公開対象の関連団体などへの会費支出の2項目で対象であることが公表された[25]

その他 編集

百田尚樹の発言「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない」に同調
2015年6月25日に自民党内の若手議員有志を中心に発足し、講師に百田尚樹を招いて初回会合が開かれた文化芸術懇話会に参加した。会合では百田が「沖縄の二つの新聞(琉球新報沖縄タイムス)はつぶさないといけない」などと発言し、出席した議員からも「マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい。文化人が経団連に働き掛けてほしい」と、報道機関に圧力をかけるかのような発言があった[26]。会合でのこれらの発言について、鬼木は取材に対し、「沖縄の2紙がひどいとは思う」「実際に読んで検証していないので、あくまでもイメージですよ」などと述べた[27]
夫婦別姓反対を求める文書を地方議会議長宛てに郵送
2021年1月30日、鬼木ら自民党国会議員有志50人は、47都道府県議会議長のうち同党所属の約40人に、選択的夫婦別姓の導入に賛同する意見書を採択しないよう求める文書を郵送した。地方議員や市民団体は、地方議会の独立性を脅かす行為だとして鬼木らを批判した[17][28][29][30][31]
丸川珠代五輪相に対するアジアンビューティー発言
2015年12月、鬼木は環境大臣だった丸川珠代の下、環境大臣政務官としてパリで開かれた第21回気候変動枠組条約締約国会議に出席した。2021年3月2日、鬼木は衆議院予算委員会の質問に立ち、当時を回想。丸川五輪相を「各国首脳からもアジアンビューティーと呼ばれ、大変人気があったという話も現地で聞こえておりました」と容姿や人種をあげて称賛した。公人に対する時代錯誤のルッキズムであることから、委員会ではざわめきが起きた[32][33]

選挙歴 編集

当落 選挙 施行日 選挙区 政党 得票数 得票率
(%)
得票順位
/候補者数
定数 票差
(と次点者)
惜敗率
(%)
比例区
順位
政党当選者数
/政党候補者数
第46回衆議院議員総選挙 2012年12月16日 福岡県第2区 自由民主党 105,493 43.57 1/5 1 34,134 - - -
第47回衆議院議員総選挙 2014年12月14日 福岡県第2区 自由民主党 102,241 49.47 1/4 1 18,706 - - -
第48回衆議院議員総選挙 2017年10月22日 福岡県第2区 自由民主党 109,098 47.93 1/3 1 8,160 - - -
第49回衆議院議員総選挙 2021年10月31日 福岡県第2区 自由民主党 109,382 45.97 1/3 1 8,124 - - -
当選回数4回 (衆議院議員4)

所属団体・議員連盟 編集

著作 編集

寄稿 編集

  • 自民党国家戦略本部編『日本未来図2030』(日経BP社、2014年12月) ISBN 4822225194

脚注 編集

  1. ^ “議員や首長の任期はいつからカウントするか。”. レファレンス協同データベース. (2011年6月16日). https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000087399 2021年8月18日閲覧。 
  2. ^ a b c d 衆議院議員 おにき誠 プロフィール
  3. ^ “2017衆院選ふくおか:候補者の横顔 2区/福岡”. 毎日新聞. (2017年10月12日). https://mainichi.jp/articles/20171012/ddl/k40/010/364000c 2018年4月2日閲覧。 
  4. ^ “2012衆院選 福岡2区”. 毎日新聞. http://senkyo.mainichi.jp/46shu/kaihyo_area_ichiran.html?aid=A40002 2018年4月2日閲覧。 
  5. ^ “2014衆院選 福岡”. 毎日新聞. http://senkyo.mainichi.jp/47shu/ichiran.html?aid=A40001&st=tk#002 2018年4月2日閲覧。 
  6. ^ “安倍首相支持の勉強会「文化芸術懇話会」が発足”. 産経新聞. (2015年6月25日). https://www.sankei.com/article/20150625-DQNFNN5NPFKSBJIINOQTYMSKWA/ 2018年4月2日閲覧。 
  7. ^ 環境大臣政務官 鬼木 誠(おにき まこと) - 第3次安倍改造内閣 大臣政務官名簿
  8. ^ 環境省 PM2.5越境汚染対策に係る提言 ~青空回復プロジェクト~ について”. 環境省 (日本). 2016年7月29日閲覧。
  9. ^ “第48回衆院選 福岡”. 毎日新聞. https://mainichi.jp/senkyo/48shu/area/?kid=40#002 2018年4月2日閲覧。 
  10. ^ “自民最後の「当確」鬼木誠氏、感謝の辻立ち 福岡2区”. 産経新聞. (2017年10月23日). https://www.sankei.com/article/20171023-LKOYBYXRC5J3VBMKLBFNC5YTVY/ 2018年4月2日閲覧。 
  11. ^ 「ガダルカナル島」慰霊式典に刃物男、海自隊員襲われる…はさみのような凶器で首に負傷”. 読売新聞オンライン (2022年8月8日). 2022年8月8日閲覧。
  12. ^ 【速報中】政治資金問題で閣僚交代へ 安倍派「5人衆」辞任へ”. NHK NEWS WEB (2023年12月14日). 2023年12月14日閲覧。
  13. ^ 安倍派の閣僚と副大臣の9人全員が交代へ 安倍派の政務官は1人を除いて留任固まる”. 日テレNEWS (2023年12月14日). 2023年12月15日閲覧。
  14. ^ a b c d e f g h i 鬼木誠”. 2017衆院選 候補者アンケート(朝日・東大谷口研究室共同調査). 朝日新聞社. 2021年10月22日閲覧。
  15. ^ a b c d e f g h 鬼木誠”. 朝日・東大谷口研究室共同調査 - 2021衆議院選挙. 朝日新聞社. 2021年10月22日閲覧。
  16. ^ a b c d 自民 福岡2区 鬼木誠”. 第49回衆院選. 毎日新聞社. 2022年6月7日閲覧。
  17. ^ a b 【全文】夫婦別姓反対を求める丸川大臣ら自民議員の文書、議員50人の一覧”. 東京新聞 TOKYO Web (2021年2月25日). 2021年2月25日閲覧。
  18. ^ 「赤木ファイル」の存在、国側が認める 森友文書改ざん訴訟 確認に1年以上”. 東京新聞 (2021年5月6日). 2023年5月8日閲覧。
  19. ^ 石井潤一郎 (2021年5月13日). “菅首相、再調査を否定 「赤木ファイル」所在確認も”. 朝日新聞. 2023年5月12日閲覧。
  20. ^ 皆川剛 (2021年10月11日). “岸田首相、森友問題再調査を否定 赤木さん妻「再調査を期待していたので残念」”. 東京新聞. 2023年5月12日閲覧。
  21. ^ 【お知らせ】”. 集英社 (2021年2月4日). 2022年11月20日閲覧。
  22. ^ 【ニュース速報】 「#鬼滅の刃」似ポスター 鬼木議員が謝罪 鬼木誠衆院議員の政治活動用のポスターデザインが鬼滅の刃に似ていると指摘されたことについて「作者、ファンの皆様を不快にさせているとの批判を受け止める。誠に申し訳ございません」と謝罪 ポスターは撤去するとしている”. アベマニュース (2021年2月7日). 2022年11月20日閲覧。
  23. ^ 鈴木エイト『自民党の統一教会汚染-追跡3000日』小学館、2022年。ISBN 978-4093801232 p307~318
  24. ^ 政治資金収支報告書 鬼木誠後援会(令和4年分 定期公表)”. 福岡県選挙管理委員会 (2023年11月29日). 2023年11月28日閲覧。
  25. ^ 旧統一教会と「つながりが深い」議員121人、自民が氏名公表…首相「重く受け止めている」”. 読売新聞 (2022年9月8日). 2022年11月20日閲覧。
  26. ^ “作家・百田氏「沖縄の新聞つぶさないと」 自民改憲派の勉強会で主張”. 琉球新報. (2015年6月26日). https://ryukyushimpo.jp/news/prentry-244806.html 2018年4月2日閲覧。 
  27. ^ “「『読んでない』けど『沖縄2紙ひどい』 自民勉強会参加の議員”. 沖縄タイムス. (2015年6月28日). http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=121783 2015年6月28日閲覧。 
  28. ^ “全国40議長に別姓反対文書 自民・丸川氏、高市氏ら閣僚経験者も連名”. 東京新聞. (2021年2月25日). https://www.tokyo-np.co.jp/article/88139 2021年3月2日閲覧。 
  29. ^ 飯田樹与 (2021年2月25日). “夫婦別姓反対を求める丸川担当相らの文書 「地方の意思決定を無視、失礼だ」埼玉県議長が不快感”. 東京新聞. https://www.tokyo-np.co.jp/article/88152 2021年3月2日閲覧。 
  30. ^ “丸川大臣「残念すぎる」選択的夫婦別姓、反対議員50人へ質問状 市民団体”. 東京新聞. (2021年2月27日). https://www.tokyo-np.co.jp/article/88547 2021年3月2日閲覧。 
  31. ^ 奥野斐 (2021年4月1日). “選択的夫婦別姓 自民議員が反対派に思うこと「理解不足と差別思想を感じた」”. 東京新聞. https://www.tokyo-np.co.jp/article/94526 2021年4月7日閲覧。 
  32. ^ “自民議員、元上司の丸川氏称賛「アジアンビューティー」”. 朝日新聞. (2021年3月2日). https://www.asahi.com/articles/ASP323PSWP32UTFK00B.html 2021年3月14日閲覧。 
  33. ^ “丸川珠代五輪相に「アジアンビューティーと呼ばれ、人気あった」自民議員、衆院予算委で質問”. 東京新聞. (2021年3月2日). https://www.tokyo-np.co.jp/article/89039 2021年3月14日閲覧。 
  34. ^ 自民党たばこ議員連盟臨時総会(出席者)”. 2018年4月11日閲覧。
  35. ^ “青山繁晴氏ら自民有志が「尊厳と国益を護る会」”. 産経新聞. (2019年6月12日). https://www.sankei.com/article/20190612-W3CPMW2DORKNXCPJWIM6A3HNDA/ 2019年6月14日閲覧。 
  36. ^ 『現代印章 2019年4月号』(ゲンダイ出版)

外部リンク 編集

公職
先代
中山泰秀
宮澤博行
  防衛副大臣
2021年 - 2022年
2023年 -
次代
井野俊郎
現職
先代
石川昭政
井林辰憲
工藤彰三
堀井学
岩田和親
酒井庸行
堂故茂
滝沢求
宮澤博行
  内閣府副大臣
石川昭政
井林辰憲
工藤彰三
古賀篤
岩田和親
上月良祐
堂故茂
滝沢求と共同

2023年 -
次代
現職
先代
赤沢亮正
藤井比早之
三ッ林裕巳
丹羽秀樹
長坂康正
江島潔
堀内詔子
渡辺猛之
  内閣府副大臣
大野敬太郎
黄川田仁志
赤池誠章
小林史明
池田佳隆
山本博司
細田健一
石井正弘
渡辺猛之
務台俊介と共同

2021年 - 2022年
次代
大串正樹
藤丸敏
星野剛士
和田義明
伊佐進一
中谷真一
太田房江
石井浩郎
小林茂樹
井野俊郎
先代
高橋比奈子
福山守
  環境大臣政務官
白石徹と共同

2015年 - 2016年
次代
­ 比嘉奈津美
井林辰憲
議会
先代
大塚拓
  衆議院安全保障委員長
2022年 - 2023年
次代
簗和生