魔天忍法帖』(まてんにんぽうちょう)は、山田風太郎時代小説忍法帖シリーズの14番目の長編。『週刊アサヒ芸能』に1964年12月から1965年8月にかけて連載され、1965年にアサヒ芸能出版から新書版(平和新書)で刊行された。

魔天忍法帖
著者 山田風太郎
発行日 1965年
発行元 アサヒ芸能出版
ジャンル 時代小説
前作 自来也忍法帖
次作 おぼろ忍法帖
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パラレルワールドを題材にした作品であり、歴史上の出来事が逆行する(江戸城陥落→関ヶ原→山崎→本能寺→桶狭間)。

登場人物 編集

伊賀忍者 編集

百地一族 編集

  • 百地丹波守(ももち たんばのかみ) - 伊賀鍔隠れ谷・百地一族の首領。
  • 御牧道雪(みまき どうせつ) - 百地一族の忍者。
  • 八潮円十郎(やしお えんじゅうろう) - 同じく百地一族の忍者。
  • 長門銅銭(ながと どうせん) - 同じく百地忍者。
  • 那珂銀八(なか ぎんぱち) - 同上。
  • 石川五右衛門(いしかわ ごえもん) - 同上。
  • 葛西軍兵衛(かさい ぐんべえ) - 同上。

百地くノ一 編集

  • お箙(おふく) - 伊賀鍔隠れ谷・百地一族のくノ一。
  • お大(おだい) - 同じく百地くノ一。
  • お巻(おまき) - 同上。

作中に登場する忍法 編集

  • 忍法黄泉がえり(よみがえり) - 過去の死者を蘇らす。
  • 忍法遠耳貝(とおみみがい) - 遠くの者にささやき声をきかせたりする[2]
  • 忍法風閂(かざかんぬき) - 髪の毛で肉体や衣類を切に裂く。
  • 忍法逆櫓(さかさやぐら) - 並走する2人の肩に後ろ向きに立ち、敵に手裏剣を投げる。
  • 忍法肉雅楽(にくががく) - 肉体で音楽を奏でる。
  • 忍法虫採草(むしとりぐさ) - 体が液体化し、触れた相手を粘液で動けなくする。

書誌情報 編集

  • 『魔天忍法帖』 アサヒ芸能出版(平和新書)、1965年
  • 『魔天忍法帖』 東京文藝社、1973年
  • 『魔天忍法帖』 トクマノベルス、1976年
  • 『魔天忍法帖』 徳間文庫、1980年

備考 編集

  • 忍法帖シリーズの長編をほぼ網羅した角川書店のラインナップにはなく、徳間書店により文庫化された。なお、連載当時『アサヒ芸能』は初刊本も刊行したアサヒ芸能出版が発行していたが、のちに書籍部門を徳間書店として分社化、1967年にはアサヒ芸能出版自体も徳間書店と合併し、『アサヒ芸能』も徳間書店名義での発行となっている。

脚注 編集

  1. ^ 子孫の鶉留五郎が掌編「忍者 鶉留五郎」に登場する。
  2. ^ 天保忍法帖』の忍法帚木の術(にんぽうははきぎのじゅつ)と同じ。